秋晴れのスカッとした日が続いたと思ったら今週は雨模様です。
銀行に預けても、普通預金の金利が、一部のネット銀行を除いて、年0.001%(仮に1万円預けたとしても受け取れる金利は0.1円!)6か月以上定期預金でも年0.01%(1万円預けても金利は1円)という歴史上稀にみる低金利、実質ゼロ金利では、お金を銀行に預けずに自分で運用しようとする人が増えても当然です。
僕も30年前から自分で株式や投資信託への投資を行っています。9月末に定年退職し、次の仕事のオファーまで平日でも余裕があるので、最近はネットで企業の株価の上げ下げはほぼ毎日注視しています。ですが、どの会社の株が上がるかなんて、誰にも予測出来ませんので、まあ株式投資や他人(ディーラー)に投資をしてもらう投資信託はギャンブルと同じです。また日本での株価の動きはファンドメンタルズ(企業業績)に沿って動くわけでもなく、その時々の投資家の心理や仕手筋の戦術で動くので、論理的にも必ず上がる株というのは誰にも分からず、そういう意味ではギャンブルです。
しかし、競馬や競輪、パチンコや宝くじなどのギャンブルは、最初から興行主(競馬や競輪は地方公共団体や運営団体、宝くじは銀行)に必ず掛け金のうち30~40%は抜かれてしまい、たまたま大穴を当てたり、宝くじに当たったりすることもありますが、長く続けていれば、必ず負けることが決まっているギャンブルです。僕は競輪や競馬に手を出したことはなく、宝くじも今まで数百円程度で夢を買っただけです。
カジノが解禁されている海外(日本でももうすぐ解禁されますが)では小使いでよくルーレットをやりましたが、比較的勝率が高いルーレットでさえ、勝率は5割にはなりません。(番号の中に0があり、0は黒でも赤でもないので赤にずっとに賭ける、あるいは黒にずっと賭ける、という単純な賭け方でも勝率は5割にはなりません。)
株への投資も自分で売買出来るわけではなく、必ず証券会社を通して売買しなければならないため、証券会社に売買手数料を取られるので、平均すると勝率は5割にはなりません。しかし、株式投資とほかのギャンブルのと違いは時間を味方につけることにあります。競輪、競馬、パチンコや宝くじは1回ごとの勝ち負けですが、株式は購入ごとに毎回決済するわけではなく、一定期間保有することができます。長期的に見れば、株価は会社の業績が上がるのと比例して上がり、普通は会社員の誰もが業績を上げたいと思って日々働いているので、業績を上げ続けている会社の株は必ず上がります。
そのあたりのことはこの本に易しくまとめられています。
世界の名だたる投資家の中に、ウオーレン・バフェットという人がいます。彼の名前はご存知の方は多いと思いますが、投資で得た何兆円という資産のうち、8割以上を寄付し、自らは60年前に3万5100ドルで買ったネブラスカ州オマハの質素な家(といっても日本の基準からみるとかなり大きな家だが)に今もずっと住み続け、好きなものはコカ・コーラとマクドナルドだという人です。彼の投資スタイルは投資が会社を育てるという、本来の株主資本主義のあるべき姿で一貫しており、俗にいうハゲタカファンドや仕手筋とは一線を画するものです。もう少し知りたくなりこの本を読んでみました。
てっきり彼自身が書いた本と思ってアマゾンで購入したのですが、書いたのは彼の義理の娘のメアリー・バフェットと彼の弟子のデイビット・クラークです。2日もあれば読める平易な本ですが、バフェットの投資のスタイルがよく分かります。
僕も株式投資で年間数百万円儲けたこともあり、生涯勝率でいえば6割程度ですが、大切なのは儲けたお金をどう使うか、です。紙幣に色がついているわけではなく、ただの価値交換の手段にすぎません。しかしお金は不思議な魔力を持ち、その使い方でアッという間に浪費してしまうことも出来れば、人の命を救うこともできます。
株式投資はあくまで自己責任で、生活資金までつぎ込んではいけません。また何のために投資で儲けたいのか、考える必要があります。バフェットの投資方法は非常に参考になります。