東京地方は、先週末は過ごしやすかったですが、今週末は暑さがブリ返していますね。今年は7月初旬は猛暑、8月初旬~中旬はほとんど雨で湿度が高く蒸し暑く、8月下旬は多少気温が下がって過ごしやすい日もあったと思ったら、9月に入って寒暖の差が激しい日々が続いており、気持ちは若い僕でも、体調をおかしくしてしまいそうです。(僕はすでに実年齢は58歳、9月19日に59歳になる、”あら還”ですので。)
さて、今週は『TIME』は休刊ですので、ノルマのないことをいいことに(笑)、好き勝手な学習をしています。
会社主催の”心理学と関連させて職場の人間関係を円滑にする”という趣旨のセミナーに参加したり、かなり前から読み始めてまだ読了していない『Homo Deus』の続きを読んだり、前回のメールで書いた『メンタル心理カウンセラー』の学習をしたり、と睡眠時間を削るほどの中々面白い1週間でした。
セミナーの方は会社主催で、”社外秘”ですので、今まで会社でさんざん好きなことをやってきた僕も、まだ会社に籍がある以上、詳しく公表出来ませんが(笑)、心理学的なアプローチからの人間関係の構築、というのは中々面白かった。僕は数学的ロジックが苦手で(というよりあまり興味を感じない。また学生時代は数学が大の苦手で、自慢じゃないが(全く自慢にならないが)テストで零点を取ったこともある)、決して論理的な人間ではありませんが、人と交渉するときは、理詰めで主張する傾向がある。論理学が発達している欧米ではあたりまえのスタンダード(というかロジックの前提がないと、交渉の端緒につくことも出来ない)、情緒的な日本では上手くいかないこともある。(もちろん、日本でも理科系の人に多いですが、チョー論理的な人もいて、個人差もあり、ケースバイケースですが)
また、偶然ですが、現在学習を始めている『メンタル心理カウンセラー』と被る部分もあり、中々いいセミナーでした。
さて、『Homo Deus』です。
著者の Yuval Noah Harari (ユヴァル・ノア・ハラリ)はイスラエルのヘブライ大学の歴史学者。彼のことについては、『Homo Sapiens』(邦題 サピエンス全史)が世界のベストセラーになったので(『Homo Sapiens』については以前僕のブログでも少し触れました)Googleやユーチューブで検索すれば、いくらでも出てきますので、深く触れません。
『Homo Deus』は僕としては、『Homo Sapiens』に比べて読むのに非常に時間がかかっており、ようやく半分まで到達した段階です。というのは、『Homo Sapiens』は史実をもとにした過去から現在に至る人類の歴史書で、一般向けとはいえ、著者は歴史学者ですから、すでに歴史学的に論証されていることをベースに彼なりの巨視的な視点で書かれています。歴史が好きな僕には、史実(歴史学的に論証された事実)については背景知識があり「過去の史実にたいして、こんな捉え方もあるのか。」と目からうろこの記述も多く、すんなりと読み進めることが出来ました。
しかし、『Homo Sapiens』の続編ともいえる『Homo Deus 』は彼(著者)個人の考える人類の未来予想図であり、未来に起こる出来事は歴史あるいは歴史学の対象範囲ではないため、論証された史実もなく、「彼は何を言いたいのだろう?未来のことは事実ではないので、彼がそのように考える根拠は?あるいは背景は?彼の意見に対して僕の考えは?」などと考えながら読まなければなりませんので、1ページ読むのに1時間以上かかることがあります。昨日は彼の書いたわずか単語数20語程度の一文に2時間も考えました。(翻訳するだけならわずか10秒で出来るような短い文章です。)
これは、ちょっとカッコいい言い方をすれば、「クリティカル・リーディング(critical reading)」といいます。英語でのcritical は日本語直訳の批判や非難とは若干ニュアンスが異なります。日本語では、批判的、というと、「なんでもかんでも俺のいうことを批判するやつだ。」と感情的にネガティブに受け止められがちです。英語のcritical も、もちろん間違いを探す(finding fault)という意味もありますが、この場合は、analytical evaluation のことです。(自分なりに分析して評価する。もちろん評価できれば賛同する。)
しかし、critical readingでは色々他の資料も読んだり、自分だったらどうなのか考えなければならないので、時間もかかり、ずぼらな僕にはかなりしんどいことです。僕がもしTOEICの Part 7でcritical reading をしたら、間違いなくpart 7は零点です(笑)。しかし、その著者が精魂を傾けて書いたような大作、代表作であれば、critical readingの手法を用いると、まるで著者が近くにいて直接対話しているような感覚になりますので、得られるものも大きいと思います。ですから、ケースバイケースですね。
なお、『Homo Deus』は2018年9月に日本でも日本語で出版されるそうです。英語学習者の端くれの僕は、日本で発売される前に、英語(原文)で読めることは、一次情報として、より著者の考えを直接的にとらえることが出来るので、楽しみの一つです。
邦訳版が出るのはいいことだと思います。が、一方僕は翻訳、特に邦訳では100%完璧な翻訳はあり得いと考えており(翻訳にはどうしても翻訳者の主観や解釈が入ってしまう。特に文化的、歴史的背景がことなる英↔日翻訳の場合では)、出来れば原文で読むのが好ましいと思います。(ただし、ユヴァル・ノア・ハラリは『Homo Sapiens』は母国語のヘブライ語で書いており、英語版は彼自身もイギリスで学び英語が堪能なので、Translated by the author, with the help of John Purcell and Haim Watzmanと明記されています。『Homo Deus』についても初版はヘブライ語で書かれており、英語版を彼が書いたか、『Homo Sapiens』のように、彼が英語ネイティブの助けを得て書いたのか、まったく別人が英語に翻訳したのかは、僕の調査不足でまだ知りません。)
今週出会った未知か、忘れている単語 (今週は英文は『Homo Deus』しか読んでいないので、全部そこからの単語)
mummify ミイラ化する
seer 見る人(この単語は常識)
kosher (ユダヤ教の掟に従って)適法の、清浄な
purgatory 煉獄
asphyxiation 窒息(これはかなり難度の高い単語)
incision 切り込み
regugitate 吐き戻す(これも難度の高い単語)
dungeon 地下牢
dreary 侘しい(これは覚えておかなければいけなかった単語)
bequeath 遺言で譲る
等々。来週はまた暑いようですが、頑張っていきましょう。