月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
コメントはゲスト・ルームにのみお書きください。

ラーン・7

2017-03-16 04:14:50 | 詩集・瑠璃の籠


全知全能の神とは
自己存在のごく幼期の姿です
なぜなら
小さい自己存在というものは実際
自分だけでなんでもできると思っているからです

本当は
自分のやっていることはすべて
神やほかの高い存在がやってくれているのだが
幼い自己存在はそれを知らず
また知ることもできないのです
まだほとんど何をすることもできないからです

そこから
いろいろな経験をし
いろいろな感覚を味わっていくうちに
だんだんと何かができるようになって
発展していくうちに
自己存在は
自分が小さいものだと気づき
弱いものだと気づき
強くなる
そこからまたいろいろなことが始まっていく

世界に怯えを感じた自己存在は
かつて暗黒の夢の中で信じていた
絶対の自分の姿を思い出し
それが世界中をすべて支配していると思いたがり
全知全能の唯一神というものを作るのです

その頃は
ほとんど何もかもが
自分の思い通りになっていた
恐怖も悲しみも苦難もなかった
馬鹿にされることもなかった

馬鹿な人間は
未だに
そのような暗黒の夢を見ている
そして
それで世界を支配しようと
あらゆる愚かな試みをしているのです




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする