11月は「死者の月」
なきひとを思う月。
この一年の長さと速さ。
なんて密度の濃い一年だったろうか。
リルケ、というと浜田到さんを思う。一時はこの方に傾倒した。
今でも好きだけれど、以前より距離ができた。
彼の散文詩のほうが好きになった。
……ひたむきに詩を生きているあなたの心のほてりが寒くちぢかんだわたしの心さへ温めてくれました。それ以来洗濯――あなたの口より、この言葉を聞くたびに、私の心は温かく綻びるやうになりました。
1942年12月10日の日記
いかにもリルケというか……簡素なロマンティシズム。たとえばハンマースホイの絵のどれかに添えてもよさそう。
とはいえ、彼の絵にはあたたかさはなかったけれど。光の差し込む部屋の絵などに。