雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

人形をいくつ並べむ着せ替へて喋らぬことを下書きにせり

2021-05-29 21:23:00 | Weblog

 友人と近所の福祉施設、カニタのバザーに出かけた。3ヶ月に一度開かれる衣料日用品の市場。
 特に買い物に目的があるわけではないけれど、品数豊富で安いし、面白いものがどっさりあるので、実益込みのレクレーションになる。

 ただ自分だけの日常を彩るためのお洒落着を何枚、何着か買い、この平和さに驚いていた。衣料品はどれも数百円単位。通常のリサイクルショップの半額程度で、なかなか良いものが手に入る。

 


 花のサンタマリア。

 ラファエルロ模写。ペンドローイング。

 介護家事負担が軽くなって、気持ちが楽になったはずなのに、何か不透明感が残る。時間が解決すると思う。

 すべて感謝。


 


 アクアの昼寝💕


 
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手応へのわからぬ問ひを押しやりて良い日を作る一反木綿

2021-05-28 20:59:00 | Weblog

 この頃、朝晩ドビュッシーの歌曲を聴いている。昔から特に好きな歌があり、「中国風のロンデル」という。

 印象派のラヴェルとドビュッシーの歌曲はどれも難しく、普通の人にはたぶん、歌えない。

 だが、それを聴いていると、私は虹色の靄か、半透明のうすぎぬが身の周りにゆらめくような気分になる。

 小鳥の囀りに似せた微妙な音程を巧みに歌うコロラトゥラには、うっとりしてしまう。
 
 


 ドビュッシーの歌曲は、こんなガラス細工を眺めた時の感動にも似ている。花のかたちのグラス。


 感謝。




 

 

 
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言葉にはあまる歳月片付けぬもう安穏に過ごしてください

2021-05-27 20:38:00 | Weblog

 母の使っていた部屋を整理片付けて。

 虚脱ほどではないが、いろいろなものを取捨選択しながら、母親の非在感が迫る。

 施設に慣れれば、また長生きしてくれると思う。ともかく、可能な限り、穏やかに快適な日々を過ごしてほしい。戦中戦後の多難を生きた彼女の締め括りが、南房総の温和な気候と安全な施設暮らしだ。


 




 上はレオナルドのデッサンや、巌窟の聖母などからの模写、ペンドローイング。

 下は私のオリジナルで描いたイエスの顔。
 
 さまざま感謝。



 

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満潮か夜の渚に昇るものは肌焼くばかり泣きし汝の音(と)

2021-05-23 20:18:00 | Weblog

 満ち潮に。


 










 20年ほど前に手習した水墨画。

 ほとんどは宋元水墨を臨模した。

 母の入所準備やら何やら、慌ただしい日だった。

 今、施設入所間近の母は幸せそうには見えない。不平不満をこぼすことが多い。圧迫骨折の痛みで、ほぼ寝たきり、楽しみも少なく、運動しないから、食事も細い。
 それでも介護施設に入ればケアは万全で、日常の苦痛はずっと少なくて済む。リハビリもしてもらえる。

 教師として、定年まで真面目に働き抜いた母の人生の対価が、この安全な最晩年と思う。娘の私は彼女を喜ばせることは、あまり出来なかったが、老母を保護するという責任は果たせた。

 そう考えるようにしている。

 神に感謝。


 

 

 

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紫陽花よ飛び立ちてゆく羽あらば空ひろやかに大陸超えむ

2021-05-21 16:12:00 | Weblog

 紫陽花に。

 


 きれいな姿。

 感謝。




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病むひとの何を労る雨音よ虚(うろ)に響けば浄夜ならむか

2021-05-20 20:41:00 | Weblog

 雨音に。

 夕顔は元気に育ち、蔓が出た。薔薇たちも次々咲いてくれる。

 水栽培の白薔薇が、こんなに立派な花を咲かせてくれることに感動している。
 












 ペンドローイング、この子が欲しい。
 レオナルドの「巌窟の聖母子」中の天使から。

 良い日だった。

 すべてに感謝。

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風を聴く少女の行方ふるさとの母に包まれ旅立ちてゆく

2021-05-19 20:33:00 | Weblog

 


 風を聴く。油彩F4号。

 今日、この絵を手放した。自作の中でも気に入っていたので、せつなかったが、作品を愛してくださる方のもとに行くのは安心だし、嬉しい。

 この半年近く、絵を描いていない。

 日本ならではのイコンを描こうと願い、それが家内諸事情で止んでしまったが、いろいろと、これまでの自分の絵について疑問もある。

 




 午後、市内のエスブリュートで買い手と待ち合わせ、作品をお渡しした。

 ふくよかで香ばしいコーヒーを淹れるこの喫茶店のマスターは、東京台東区のカフェバッハで修行されたそうだ。

 私はここのコーヒーをいただくと、軽い頭痛があるときでも、いつしか気分が良くなる。湿度と驟雨が肩に重たい今日もそうだった。

 シンプルで小さな喫茶店だが、おすすめだ。

 中煎りブレンドを注文した買い手の女性も、一口めでその美味しさに驚いていた。

 私は浅煎りのブラジルと、ティラミス。

 カフェバッハにもいつか行ってみたいと思う。


 感謝。



 


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夏よ夏ひた漲れば対象を鏡となして己見ぬ夏

2021-05-18 21:00:00 | Weblog

 真夏に


 


 昼寝のアクア。時々、まるで人間の寝相を真似するかのよう。

 


 水彩   季節の詩


 静かで良い日だった。

 感謝。






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青葉には青葉の悩み雨音を探り重なる静寂(しじま)うつくし

2021-05-17 21:16:00 | Weblog
 
 青葉に。

 梅雨入りして、庭の紫陽花、夏椿が咲き始めた。

 



 
 それからフロリバンダ咲きの白薔薇も。
 蕾のころ虫食いされたが、見事に美しい姿で咲いた。
 
 


 この薔薇の名前はわからない。たぶんホームセンターのお値引き苗を労りながら育てて太らせた。か細い苗だったが、肥料と水遣りバランスがうまくいって、中輪咲きまでに大きくなってくれた。

 


 私には弱い子を丈夫にしたがる癖があり、まあ、薔薇や植物ならいいけれど、捨て猫や病気猫など目にすると、ひどく悲しい。その子たちを拾ってうちの子にしてやれないからだ。

 アクアもミイも野良猫捨て子だったが、これ以上は無理。

 億万長者だったら、使用人を雇って、家一軒、犬猫天国を作るかもしれない。

 




 
 先日、市内のエスブリュートで、パナマとチーズケーキ。

 薔薇や猫と同じく、ちいさな幸せタイムだった。

 感謝。


 



 

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風鳴りぬ捻じ曲げるたび魅するものはちからを増して眼差し奪ふ

2021-05-16 21:11:00 | Weblog

 風音に。

 関西はもう梅雨入り。今日は蒸し暑く、また底冷えもする霧雨の昼間。

 庭の薔薇は咲き続ける。害虫がいろいろ現れたが、毛の生えたカラフルな芋虫などは、やがて綺麗な揚羽になるのかと思うのでほっておく。

 












 アクアはすっかり太ってしまい、暑くなるとダラダラ寝ている。これも可愛い。

 薔薇も猫も、植物も虫も、心と暮らしを遊ばせ、なごませてくれる楽しいものは、みんな私の家族だ。

 感謝。


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アルファポリス