雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

髪束ね腰ベルト巻く今日も背すじ腹筋しゃっきりケアをつとめし

2011-02-28 19:42:12 | Weblog


 仕事を終えて。


 ああ、帰り道さむかった。氷雨だもの。




 NZ大地震や、リビア動乱さまざまなニュースを眼にしながら、外国人介護士、看護士の受け入れ問題などに頭が飛ぶ。

 現場のひとりとして、うかつな感想は述べられないけれど、耐久力のある若い人材は、これからますます必須と感じる。



 いろんな職場現場があるにちがいないけれど、今わたしが直面している状況では、落ち度なく気を緩ませることなく、無事つとめあげることが、その日の目標。


 ひとつには、自分の体力のため。

 介護時、腰にかかる負担は、じっさい予想以上。これは実感。すべての介護従事者の共通の悩み。


 冗談めいて、仕事の前のひとりごと。


 「ひっつめに前髪なけれど凛然と立ち上がれ今日も若武者のごと」


 歌ともいえず、アシカラズ

 


 


 
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さくら恋ふ童女の眸(まみ)のふっさりと我抱き上げよ草迷宮に

2011-02-27 17:41:34 | Weblog


  泉鏡花の「草迷宮」に





読み直したわけではなくって、春のけはい、数日しきり。


このあたたかさで、猫柳も辛夷も、連翹、桜、杏……一気につぼみをふくらませたろう。


ベランダの鉢植えのいくつかも、幼い緑を枝先に昇らせた。去年、うどんこ病にかかって、もうだめかな、と思っていたけれど、薬剤をスプレーで噴霧したりして、なんとか復活したみたい。


もうじき弥生。「草迷宮」に童女は描かれなかったと思うけれど、わたしの若緑の空想のなかでは、ワンパターンにも、あどけない若紫が駆けてくる。

京都、北山の春。

肩に頬に、ふさふさした厚髪をなびかせて、花のなかでのびやかに遊んでいた少女。

どんなに可愛かったろう、と。






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夕餉にはうどん茹でなむ大根と春風鍋もゆほびかにして

2011-02-26 17:09:50 | Weblog



 お夕飯のしたく、今夜は大根のおうどんにしよう。




 これは、ちいさいころ、風邪をひいたときに、祖母が作ってくれた。



 大根をどっさり千切りにして、ほとんど味付けをしないお鍋でぐらぐらと透きとおるまで煮立てる。そこに、すきなだけお饂飩をいれる。お饂飩はゆがかず、そのまま煮込んだ。

 土鍋の煮汁が、饂飩のグルテンで濁って、大根にからみ、うっすらととろみがつく。


 それを、だし汁につけていただく。ただそれだけ。

 鍋の具材に、お肉、お魚はいっさいなかったと思う。風邪ひきで弱った胃腸には、とても楽で、おいしかった記憶がある。


 大根粥のうどん版みたいなものかしら。





 土鍋には昆布を放っておいた。



 お料理のウマヘタ関係ない献立



 春風あたたかな一日。だいぶ休めた。
















 



 




 
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悪戯して瑠璃星わたりオリオンの睫毛濃く光(て)る笑ひ声かも

2011-02-25 19:19:14 | Weblog

 オリオン座を見て。




 あたたかな一日、春風がそよ吹いてきた。


 空は穏やかな瑠璃いろ。ラピスラズリではなくって、セルリアンと言いたい。



 大気がしめって、星の光もぼぉっと淡い。思春期、という言葉が浮かんだ。




 中天に昇ったオリオン座の青い星たち。



 タゴールの詩など思い出す。「ギータンジャリー」





 宇宙のはてで、子供たちが遊んでいる、その笑い声がきこえる……。


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独活あまく春は白味噌恋ごろも若菜に和へて思ひそめてし

2011-02-23 20:43:51 | Weblog


 君がため春の野に出でて若菜摘む我が衣手に雪は降りつつ     光孝天皇  古今集 巻一


 よしの川いはなみ高く行水のはやくも人を思ひそめてし      紀貫之  古今集 巻十一





 
 独活の白味噌マヨネーズ和えと、菜の花の辛子和えをこしらえて。


 どちらも旬、ことに独活はたっぷりと豊潤で、おいしい。 春の味


 味噌は甘口西京味噌、マヨネーズと相性ぴったり。


 こどものころ、独活は苦くて……と思っていたのに、このごろの独活は昔みたいなアクがすくないんだろうか、水に晒さなくてもすっきりと美味。

 
 炊き込みご飯にしてもおいしいだろうなあ


 

 

 
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水の輪に葩(はな)散りかかるあなたひとりかほど静かな繚乱ならば

2011-02-22 18:57:22 | Weblog


 ふと、夜に。





 パンダ来日。わたしはパンダ大好き



 上野に見に行きたいけれど、当分はたいへんな混雑だろう。






















 
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つとめ終へてこの月光もさっぱりと白き葱の香たつ日曜日

2011-02-20 19:33:42 | Weblog

 休日なのだけれど、おつとめ。




 いくつかの作業を、あちらとこちら、ときにはいっぺんにこなさなければならないワーク。


 すきま時間をできるだけ有効につかって、片付けようと思う。





 冬においしい長葱。あの匂いは芳香か、それとも○気? 

 でも、元気が出る野菜のひとつ。


 すくよかに伸びて太った野菜、その白さが潔い。そんな気のする日曜日だった。






 



 
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忘れてはまた花のごと滲む血のなめらかにある桜夜爛漫

2011-02-18 22:30:56 | Weblog


 さくらのまぼろしに。






















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うつぶして胸の匂ひを吸ひしごと「母が教へたまひし歌」つぶやき奏きぬ

2011-02-17 21:01:16 | Weblog

 ドヴォルザークの有名な歌曲の小品をすこしずつ弾き始めた。


 たぶん、とてもたくさんのひとの記憶に残っている旋律だと思う。



 スラブ地方のジプシーの子守唄をもとに、作曲されたとか。


 ものがなしくなつかしいような、日本のふるい子守唄にも似て、こころに浸みる。



 たどたどしいわたしの技量では、音符のすくない単純な旋律ほど、うつくしく詠うのはむつかしい、と思っている。


 これからたんねんに弾きこんで、深いしっとりした「声」でうたいたい。
 


 
 
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少女たち細き首あげ雪をすくひ肌にこぼれて帆のごと光る

2011-02-15 21:00:14 | Weblog

 十歳くらいの女の子三人、溶け残った雪をかきあつめて、雪合戦をしていた。


 この年頃の少女を見ると、どうしても源氏物語の若紫を思い合わせてしまう。



 ……髪は扇をひろげたるやうにゆらゆらとして……



 ふっさりした黒髪のさがり端(ば)のすそまでみずみずしかったのだろう。扇をひろげたるやうに、というくきやかな描写が新鮮だ。

 

 見かけた女の子たちの背丈はまちまちだったが、どの子も午後からの陽射しに上昇した気温に、ずいぶんと薄着で、もうセーターは着ていず、ジャケットのしたはコットンのカットソーだったり、それどころか腕や首がむきだしの子もいた。

 素のままの頬やうなじの皮膚が、春の光にうつくしかった。それこそ開花の前の莟や、枝先にやわらかくたたみこまれた新芽のようにつやつやと水をふくんで。


 彼女たちの頬は、雪遊びのつめたさのせいか、はしゃぎながらもみな白かった。それだけが、今の季節の寒さを白磁のように感じさせた。

 
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アルファポリス