雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

おさな子は天より来たりかなしみを地の羽として戦ふために

2019-07-27 21:05:23 | Weblog

調和の門ー小椅子の聖母鏡模写。


油彩F10号。


小椅子の聖母は、ラファエルロ30歳のころの作品。なんと、私の息子ほどの年齢。私には子供はいないけれど、こうした数字を知ると改めて息を呑む。




描きながら、いろいろ考えた。このイエスはたぶん5〜6歳くらいだが、幼児にはやや立派すぎる肘と膝をしている。西洋人の子供は体格が良いとはいえ、こんなにしっかりした手足ではないだろう。

赤ん坊の太りすぎとあっさり眺めるより、私はいささかおばさん視点から、ラファエルロは、このおさな子にこっそり青年の肉体をほのめかせたのでは、と。

優しく若く、美しい母は、全ての男性にとり、永遠の憧れ、恋人原型だ。この絵を見る男性は、ごく自然にイエスに感情移入して、美しく華やかなマリアに抱かれている感覚を楽しむことができるはずだ。イエスがやわらかな赤ん坊の体で描かれているよりも、ずっと強く、リアルに。






ラファエルロは、他の作品では、いかにも赤ちゃんらしい、イエスやヨハネをたくさん描いても、いる。
いつもこんな逞しいおさな子ではないから、何か企みがあったに違いない、と私は思う。


天才は長生きしなかった。
数多の素晴らしい作品を残し、37歳で帰天。

彼の死とともにイタリアルネサンスは終わる。ひとりの画工の死が世界史を作ったとは、やはり彼はラファエルの名前どおり、神が地上に遣わした天使だったのかな。

たぶんね。

今日も良い日だった。神に感謝。











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雨のひまゆらりと晴れぬ真夏なれば汗にじむともうなじ清かれ

2019-07-23 20:53:47 | Weblog

ラファエルロ、鏡模写、今はこんな感じ。








マリアの腕が今日はうまく描けず。

毎日急がずに、地道な作業。

御本尊には遠く及ばないが、好きだから描いている。


感謝。



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海を経てその手にやがて出会ふときみな忘れてはいけない別れ

2019-07-20 20:35:03 | Weblog

聖少女

油彩 F8号。


あとあとのために、制作過程を加えておく。










この少女には、無原罪の聖母マリアではなく、耽美的なニュアンスを含ませた。それで薔薇が紅い。

感謝。

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潮まで何年かかるか天上は光に満ちて引き寄するめり

2019-07-17 20:52:48 | Weblog

今日はここまで。





感謝



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星村につひの眠りを委ねたり潮騒聞きつ母を迎へむ

2019-07-14 20:36:58 | Weblog

人生の全てに感謝。







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重いものこじ開くるたびはなびらの甘さいつはるひと恋ふべしや

2019-07-13 19:18:05 | Weblog

SACU 油彩F6号。


シュールレアルに。








レオノール・フィニ風に描いたが、やはりどこか、ほのぼのとあまい。冷徹には届かない私の気質だと思う。

ともあれ、感謝。



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声伏せて君に告げたき初夏のツメクサのごと楽しさばかり

2019-07-12 20:23:13 | Weblog

6月の魚屋カフェ 油彩F10号。








魚屋カフェは、私の時々のバイト先。スペシャルコーヒーに力を入れている。おすすめはフレンチプレスカフェ。濃くて香ばしい。たぶん滅多にない淹れ方。濃厚なコーヒー豆のオイルが少しとろりとした味わいで、淡白な日本人向けかどうかわからないが、私は大好き。

モデルは若社長のひとり娘さん。まだ6歳だけど、将来の開花が期待される、すでに美少女。

館山では、ずいぶん美少女のモデル運が良い。どの子もきれいな容姿で、画家としては描き甲斐のある、内面を反映する表情を見せてくれた。

親御さん、モデルたちに感謝。


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梅雨晴れに飛ばす手紙があるものを皮肉のすきまを痛しと知りな

2019-07-10 21:05:46 | Weblog

6月の魚屋カフェ 着彩を始めた。

少女のワンピースの色を変えている。企みがあってのことだが、真っ赤な服に負けない顔映りを作るために、どんどんモデルの雰囲気から離れていく。

ともかく、仕上げてみよう。さまざまなパターンを描き分けられるように。





感謝。



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おさなごのもろびと癒す小羊の予兆を御母慈しみたまふ

2019-07-08 20:18:24 | Weblog

花のサンタマリア。

油彩0号。ラファエルロのテンピの聖母子鏡模写から。

今回はキャンバスの一番小さい画面なので、華やかに作ろうと考えた。この絵を見た人が幸せな気分になってくれるといいな、と願いながら。










神に感謝。



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新月のハンニバル・バルカ

2019-07-07 21:20:09 | Weblog

油彩8号

古代屈指の名将。


たどたどしい私のハンニバルについての叙述は、塩野七生氏の「ハンニバル戦記」を参考にした。下手な私の孫引きより、氏の名著をお読みになったほうが、ハンニバルと彼の戦ったローマの勇将たちの姿が生き生きと蘇る。

読者の私はハンニバルとカルタゴ贔屓なのだが、多彩で勇敢、個性豊かなローマの武将たちにも感情移入する。カルタゴには、ハンニバル以外に優れた武官はいなかった。彼の弟2人ともに、兄には遠く及ばず、故郷からの援軍もできなかった。本当にハンニバルは孤高の戦いを生きた。

塩野氏は女性なのだが、男を描いて見事と思う。色を添える女性のエピソードは皆無に近いが、味気ないどころか、達意の文体でユーモア、辛口で引きこまれる。

今は絵を描くことが生活の中心で、視力を惜しむために全く本を読まなくなり、彼女の著作が開けずに残念だ。

女の子なのに、幼いころから東西の戦記文学は大好きだったが、これは自分の中に遠祖徳川家康や織田信長、浅井長政などの戦国武将の遺伝子があるせいかもしれない、と今は思う。





寡黙な彼は余分な贅言を残さなかったという。血液型は何だろう? たぶん0型かな。


感謝。





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アルファポリス