くろねこさんの話によれば

くろねこが思ったこと、考えたことを記すだけの日記なのだと思う。たぶん。

暮れる

2016年12月30日 22時31分46秒 | 短文集
退屈な毎日も当然のように過ぎてゆく
気づかないような隙間に咲いた花
来年も会いましょう
(くるり「奇跡」)

ことしも暮れていきます。
みなさんの毎日に、花は咲いたでしょうか。それに気づけたでしょうか。もしそうなら、やはりそれは奇跡なのでしょうね。

柔らかくさし込む木漏れ日に目を細めるように。
ぱちぱちと跳ねる暖炉の前で少しだけまどろむように。
暖かなベッドで恋人を優しく抱きしめるように。

そんな風に、みなさんが穏やかな年末を過ごせますように。

私信ですが、誕生日おめでとう。

同時代性

2016年12月27日 00時30分12秒 | 比較的短文ではない文章
ビートルズが登場した時の衝撃は、きっと僕には分からない。映像で見たって、音楽を聴いたって、ミュージックシーンを一変させた当時の新風はきっと、感じることが出来ない。僕はその変革後を生きているから。

テレビが登場した時、車が一般に普及した時、アポロ13号が月に行った時、ベルリンの壁が崩壊した時のことだってそうだ。想像はできても、その衝撃はきっと、本当の意味では分からない。追体験はできない。

何度も書くけれど、僕は「それ以後」の世代だから。そうして、例えば携帯電話を持った時の喜びとか、初めて自転車に乗った時の新鮮さとか、新しい小説や漫画に触れた時の感動なんかを、生の感覚として抱えて生きている。それは「リアルタイム」の中で得たものだ。

SMAPの凄さって、だからきっと、後の世代には分からないだろうなぁ。それはちょっと残念なことだ。彼らが集まった時の迫力、SMAPというグループとしてのオーラ、有無を言わさず「凄い」と思わせる何か、そういうのって同時代でなければ伝わらないですよね。

仮に僕が北海道や沖縄に行ったとしても、現地の人たちとSMAPの話はできる。それは凄いことだ。SMAPというものを、多くの人たちが共有しているから。それは人生の一部にしていると言っても過言ではないはずだ。

きょう、SMAPとしての最後の出演が終わりました。同時代を生きる僕にも、あなたにも、ささやかであれきっと何がしかの影響があるでしょう。それが今を生きているということだもの。

そして僕は、同じ時代を生きるあなたと繋がっていることを、思うのです。

写真が苦手

2016年12月22日 18時01分15秒 | 短文集
自分で言うのもなんだけど、僕は本当の本当に写真が苦手です。まずどんな顔をしていいか分からないし、カメラを向けられると顔がひきつる。基本的には胸がドキドキして、挙動不審になる。

車を買った時に「購入記念に写真を撮りたいのですが」とディーラーに言われて、全力で断ってしまった。きょうは、集合写真を撮られて、変な顔になってしまった。

思い出すだけで冷や汗が出る。

当然、映像に残されたくないし、それから声の録音もされたくはない。

自意識過剰で、内向的なんだきっと。だから時々、生きるのがすごく苦しくなって、そうしてこんな風に文章にしたくなる。いやホント。

震える瞬間

2016年12月20日 23時30分04秒 | 短文集
昨日、ようやく年末の仕事の大波をこえた。ふう、とひと息。精神的な面ではだいぶ楽になりました。

ただ、例年よりも前倒しで大きなものが重なっていたので、実を言うと妥協した部分があります。だから後悔はある。こうすれば良かった、こうすべきだった、あと1日あればクリアできたのに…。

それでも僕は、自分に及第点をつけたいと思う。相当ハードだったのに良くやった、と。それから、今年もまた新しい景色に出会えたことに。

新しい景色。つまり(抽象的過ぎますよね)、自分の想像をこえた地点に到達すること。「これ良いね」と自分で思えるものを作れたこと。

だからもちろん、初めから「こうしよう」というビジョンがあるわけではないのです。始める時は真っ白。なにも決まってはいない。ただどこかで、きっと出来ると思っている。自分の想像をこえられることを、確信している自分がいます。

だから、追い込まれることが楽しい。

アイデアが生まれる時、あるいはその細い線を形にしていく時、僕は体の震えを感じます。胸がドキドキして、楽しくて、吸い込まれそうになる。脳がスパークするような感覚に襲われる。そんな時、まだ完成していないにも関わらず、「この仕事は終わったな」と思います。あとは流れに乗るだけだということを知っているのです。

もちろん、ことしは妥協した。でも、決められた時間内に相応の仕事をしたことに満足はある。だから後悔はあるけれど、受け入れて、そして忘れようと思う。過ぎたことは、過ぎたことです。

今夜は、ドラマ「逃げるは恥だが」の最終回をゆっくりと観たので、あとは眠ります。

そうそう、最近ね、

「大人になったな」

「包容力が出てきた」

「理解が早い」

「くろねこさんみたいに賢くなりたい」

なんて言われました。と書くと嫌みだね。でも、時には良い部分だけを見ていたい。時には辛いことや悲しいことがあるから。

もし自信をなくして
くじけそうになったら
良いことだけ思い出せ

と、アンパンマンの歌でも言っているしね。