書店外商の無常日記

人生という名のフィールドワーク

2014/10/30 Thur.

2014年10月31日 | 日記
 中の仕事がたまっていたので、外回りはほどほどにして午後から内勤。

 2年ほど前、一度手放してしまった本が惜しくなって調べたことがあった。北樹出版《ドイツの文学 作品に現われた人間像》。先日、アマゾンのユーズドを見てみると「非常に良い」状態と表示されているものが送料を含めても800円ほどだったので注文した。

 今日届いたので包装を解く。



 奇跡かと思うほど予想以上にいい状態である。光沢のあるカバーに傷はついていない。驚いたことにスリップが挟まっていて、ページをめくったあとさえ感じられない。30年前の本なので多少黄色くはなっているが、新本と見まごうほどである。発行から年月が経ったのでデッドストックが古書市場にまわされた、ということがあるのだろうか。

2014/10/27 Mon.

2014年10月28日 | 日記
 校内向けの印刷物に寄稿された、ある先生の巻頭エッセイを読ませてもらった。冒頭、中島敦の《文字禍》の書き出しを引用してある。「文字の霊などというものが、一体、あるものか、どうか」いかにもにも中島敦らしい文体である。調べてみると、はじめは《山月記》とともに《古潭》という題で雑誌に発表されたのだという。

 放送大学のを面接授業のため《山月記》を予習しておかねばならず、中島敦への関心が高まっていたところに偶然の出会いである。

 面接授業の参考書には《ちくま日本文学 中島敦》が挙げられている。新潮文庫の《李陵・山月記》は持っており、岩波文庫の《山月記・李陵》は社内に在庫はあるが、収録作品数は参考書に指定されている筑摩書房版が多いようなので、買おうかどうしようか思案中である。

2014/10/26 Sun

2014年10月27日 | 日記
 来月受講する放送大学の面接授業は中島敦の《山月記》が題材になっている。だいぶん前に、中島敦の解説本を買っていたはずだが見当たらない。実家に置いてあるのかと探しに行ったがそこにも無かった。処分してしまったのであればもったいないことをした。古書市場ではいい値段がついている。県内の公共図書館にも大学図書館にも蔵書はしていないようである。

 手ぶらで帰るのも何なので、1冊だけおもしろそうな本を持ち帰る。


2014/10/24 Fri.

2014年10月25日 | 日記
 きょうの午前中までに納品すると約束していた品物が、けさ入荷することになっていた。いろいろ予定があったので始業後に準備をしていたのでは間に合わない。早めに出社する。6時半前に会社に着くと、トラックが止まっている。やはり配送時間が変わったようだ。6時過ぎに到着、荷物を下ろしたあと小休憩なのか時間調整をしたあと6時半ちょうどに出発するスケジュールらしい。

 来週の出張販売が急に決まるなどして、その発注や準備などに忙しい一日だった。


2014/10/23 Thur.

2014年10月24日 | 日記
 朝礼で「伝達事項特になし」が連日になっては意味がなくなってしまう。何かないか考えた末、きょうは岩波新書が入荷したのでそれに関して話をした。

 先月発行分から、本文の文字が少し大きくなり、本の幅も少し広がっている。新刊案内には組見本が出ていて文字の大きさはわかるが、幅はどれだけ広がるのだろう。発売前に岩波書店の営業担当N氏に聞くと「2ミリです」。え、たった2ミリ?!



 わずか2ミリだが手に取ってみると、そういえば大きくなっているように感じる。余白が少ないとページが窮屈に見える。2ミリはデザインとコストのバランスをぎりぎりで取った結果なのだろう。



 同じ日に入荷する岩波ジュニア新書は従来のまま。重ねて比較してみる。たかが2ミリ、されど2ミリ。そして、ジュニア新書は三方を裁断しているが、岩波新書は上部を裁断していない「天アンカット」である。岩波文庫や新潮文庫などもそうである。





 「それがどうした」と言う人もいるだろうし、「へえ、なるほどおもしろいね」と感心する人もいるだろうが、どうだろう。

2014/10/20 Mon.

2014年10月21日 | 日記
 雨の一日。



 面接授業を受ける予定の放送大学新潟学習センターから、「2014年度第2学期面接授業の実施について」という印刷物が送られてきた。受講の際の携行品や、学習センターの案内図が載っている。こうした対応は学習センターによりそれぞれ違う。


2014/10/19 Sun.

2014年10月20日 | 日記
 土曜日に根を詰めてやればできたはずだが、気力が続かず今日に持ち越し。明日が期限の小学校後期用教科書の返品、今月上旬あった小学校での出張販売の残本の返品その他。やればきりがないので、昼過ぎに打ち切り。



 土日はほとんど外部からの電話はかかってこないが、今日は数件あった。そのうち旧本店、現在は「本部」の番号に在庫の問い合わせが2件あった。閉店から1年が経っても、時折このような電話がある。電話帳で調べて掛けてくるのだろう。今は営業していない旨を告げ、支店に問い合わせてもらうようにお願いする。


2014/10/18 Sat.

2014年10月19日 | 日記
 半日勤務の土曜日。来週の納入、販売の準備など。

 国道をはさんだ建造物の解体が進む。このあと、シネコンを核にした再開発ビルを建設する予定である。国道の東側の総曲輪通り南側は3分の2ほどが百貨店とイベントスペースになり、総曲輪通りは繁華街とは言えるがもはや「商店」街とは言えなくなってきている。


2014/10/17 Fri.

2014年10月18日 | 日記
 ああ、一週間が終わるのだ、と思ったのは最後の訪問先に着いた車中であった。仕事をするのが嫌なわけでもなく、明日が休みなのでもない。明日の土曜日はいつものようにほとんど外に出ず、たまっている社内での仕事を集中して片付けるのである。きのう、おとといと帰りが遅く疲れがたまっていたので、今日中に仕上げる仕事もない今夜は午後7時に会社を出る。


2014/10/16 Thur.

2014年10月17日 | 日記
 待つのも仕事のうち。



 夕方取った電話が、やや早口なのと声が遠かったので聞き取りにくかった。内容を理解するのに同時通訳のようにワンテンポずれてしまう。用件は、ある著者の本が欲しいのだが、自分で調べた限りではすぐ手に入るものは無いようだ。そちらでも調べて連絡をして欲しい、というのはかろうじてわかったが、外国人の著者名が聞き取れない。2度聞き直したが合っている自信はない。こういう時にインターネットでの検索は都合がいい。大方あやふやでもたいていはヒットする。今回も無事見つかったが、結果を見た瞬間しまったと思った。目当ての著者は「パトリック・モディアノ」で数日前にノーベル文学賞の受賞が決まった人である。電話の相手はこう思っただろう。何度も要領を得ず聞き直して、書店員なのにノーベル文学賞の受賞者も知らないのだ、と。芥川賞や直木賞の受賞作はすぐ手配をするが、ノーベル文学賞はノーマークだった。

 定期購読している平凡社《こころ》21号が入荷した。特集は「ラジオがいつもそばにあった」。週末はこれを読むのを楽しみにしよう。