書店外商の無常日記

人生という名のフィールドワーク

2018/05/16 Wed.

2018年05月17日 | 日記

 関東近郊の大学に通っている娘からめずらしくLINEが来たのは、去年の9月下旬のことだった。以前にこういう方法もあるよと教えていた、新幹線以外の列車を使って帰省する方法を確認したいのだという。詳細な時刻と車窓から見る沿線の魅力を手短かに書いて送った。今度帰ってくるのは年末のはずだがずいぶん早いな、と思っていたところ「今週末に人を連れて帰るので、家の中を片付けるようにおかあさんに伝えてほしい」と続報が入る。なにか変だ、と感じつつ妻に伝えると「それって、連れてくるのは男で、用件はあの事しかないんじゃないの?」と言う。やはり「あの件」か。めずらしく意見の一致を見る。妻が連絡を試みるが、LINEは返信がなく電話にも出ない。これはよくあることで連絡を故意に拒絶しているとは限らない。とりあえずは「用件も気になるが、それよりも目の前に現れる人物がどのような人間なのか、の方が重要だ」という途中経過の結論となった。

(中略)

 両方の実家にも挨拶したいというので、翌日は私の両親の住まいへ詳細は告げずに向かう。母は「えー、彼氏がいたなんてショックだわ」と笑っていたが、「結婚する」、「入籍は10月頃」というあたりから理解できなくなったようだ。一昔前の人間なので察しがつかないのは仕方がない。「実はひ孫が…」と言った途端、床にくずれてしまった。比喩的表現で「腰をぬかして驚く」というのがあるが、実際に驚いて腰をぬかす人を見たのははじめてである。

 そのようなドタバタから半年あまり。けさ、無事出生する。


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