お盆が過ぎても猛暑が続いています。
世界有数の農業生産国アメリカは記録的な干ばつでトウモロコシや大豆の生産量が例年より大きく減少する見込みです。
このため、トウモロコシや大豆の先物価格は、この2か月余りの間に大幅に値上がりしています。
トウモロコシは40%以上、大豆は30%前後、それぞれ値上がりし、これに連動する形で小麦も40%以上値上がりしています。
トウモロコシや大豆のほとんどを輸入に依存している日本としては、餌として多くの穀物が必要になる牛や豚などの食肉価格のほか、豆腐や納豆、乳製品など、幅広い食品の価格上昇に繋がります。
現在すぐに影響は出ていませんが、秋以降には徐々に影響が出てきそうです。
アメリカの干ばつで、大手商社などは「米国依存から調達先の多様化」を計ろうとしていますが、世界的規模の不作が起きたらお手上げです。
私は現在、農事組合長なるものをやっています。
組合員は70軒ほどですが、農業で生計を立てている家は10軒ほどです。
主食のコメは政府の減反政策で、以前は農事組合長は各農家の調整が大変でした。
減反面積は各村(町)単位で決められます。
最近は作付けする農家が減ってきているので、減反する必要がありません。
好きなだけ作っても良いことになっていますが、耕作放棄地が年々増えているので割り当て面積に届きません。
現在コメを作っている人の多くはは70歳以上で、あと10年もすればほぼ全滅です。
「1446、高値続く」で私の住んでいる地域はハウス栽培が盛んだ、と書きました。
上述の10軒はハウス栽培の農家がほとんどです。
以前は20軒以上ありましたが高齢化や後継者不足で軒数が減っています。
何百年、何千年もかけて築いてきた農作物の栽培技術は、ここ数十年で途絶えようとしています。
安いからといって外国産の農産物に頼っていると、大変なことになります。
世界的食糧難になった時、日本は食料が手に入らなくなります。
耕作放棄地を耕作可能地にするには数年かかります。
失われた栽培技術と生産者を復活させるには数十年かかります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます