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『ファイナルファンタジーXI マニアックス トレジャーズ・バイブルRareEX Ver.20070613』インプレッション

2007年09月18日 21時34分05秒 | FF11
ファイナルファンタジーXI マニアックス トレジャーズ・バイブルRareEX Ver.20070613ファイナルファンタジーXI マニアックス トレジャーズ・バイブルRareEX Ver.20070613
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2007-09-18


エンターブレインのFFXI攻略本「マニアックス」シリーズの最新刊。版型はハンターズバイブルと同じ。あれほどの厚さはないが、336ページとそれなりの厚みはある。表紙イラストはいい感じ。エクレアアイテムに絞ったコンセプトは面白そうだが、実際には”中途半端”さが目立つ内容だった。

○アイテムの基礎知識(4P)

ExやRareといったアイテムの属性、スタックやエンチャントといったアイテムに関する用語、かばん拡張など所持できるアイテム数を増やす方法、アイテム保管NPCについて書かれている。基礎知識と言うとおり、基本的な事柄ばかりだ。

○本書について(1P)

この攻略本のコンセプトが書いてある。各章の内容などの説明もある。そこにこんな記述が。「狩り場の情報を網羅した『ハンターズ・バイブル』につづいて、当編集部が自信を持ってお届けする本書『トレジャーズ・バイブル』」……なんか超不評だった『合成極之書』のことをスルーしている気が……。まあ確かに、『ハンターズ・バイブル』→『合成極之書』→『ハンターズ・バイブル2』→『トレジャーズ・バイブル』の順で出ているのだけどさ。

○第1章トレジャーズリスト(88P)

ExかRareが付いている、または競売に出せない装備品やアイテムのリスト。装備は性能、装備可能レベル、装備可能ジョブ、競売・バザー・宅配の可否などが記載されている。入手方法については該当するページ数のみ書かれている。
FFXIには膨大なアイテムが存在している。上記の条件に合うものだけでもこれだけのページ数を要すこととなる。しかし、このリストを使う立場からすれば使い勝手は決して良くない。やはり装備品リストを掲載するのであれば、エクレアに限らないリストが欲しい。エクレアだから手に入れたいのではなく、他の装備と比べて有用だからこそ欲しくなるのだから、通常装備との比較抜きにリストアップされても役に立たない。バージョンアップで新たな装備品が追加されるのは当然だし、その価値もまた時と共に変化する。それでも基本的な入手手段込みの装備品リストはかなり役立つと思う。今回のリストは物足りなさばかりが際立つものとなってしまっている。

○第2章ノートリアスモンスターズ(132P)

エリアマップをベースとしたNMリスト。対NMに限れば、電撃の世界編2007の別冊トレジャーマップ集を洗練し、見応えあるものとなっている(ただし、トレジャーマップ集は宝箱の位置や釣り、チョコボ掘りなど多岐に渡る要素がうまくまとまっている)。強さの目安が書かれていること、出現条件なども詳しく書かれていることなど利便性は悪くはない。
しかし、致命的な欠点がある。それはドロップアイテムに性能が書かれていないことだ。第1章のトレジャーリストを参考にしろということなのだろうが、その掲載ページすら書かれていない。装備品の写真掲載に拘っているが、それよりもまず性能表示が欲しかった。

○第3章バトルフィールド(58P)

印章BF、皇国軍戦績BF、ENMクエスト、デュナミス、リンバス、サルベージ、アシュタリフ号、応龍来来・帝龍降臨、アサルト、ガリスン、エインへリヤルでの入手アイテムをまとめている。ひとつひとつのコンテンツの説明はごくわずかとなっている。しかも、戦利品の説明ではエクレアに限定されているので、高価格のアイテムが記載されていない有様だ。本末転倒と言わざるをえない。アサルトの鑑定当たりアイテムくらいが目新しい記述だろう。

○第4章クエスト・その他(49P)

エクレアアイテムが入手可能なクエスト、ミッション、AFクエスト、EVWSクエスト、戦績交換、合成・指定生産、免罪符、宝箱、その他のコンテンツ、公式イベントについて書かれている。ここでも性能表記がないため、あまり利用しやすいとは言えない。また個々のコンテンツについての記述が非常に簡素なので、読み応えという点からも物足りなさが残る。


以上が本書の内容だ。コンセプトは悪くなかったが、全体に中途半端になってしまった。どこに力点を起きたいのかが分かりにくい。
第1章のトレジャーズリストの方向性を強化するなら、前述したように全装備品リストを掲載し、そこからエクレア品の入手方法へと導いていって欲しかった。本書に掲載されたリストではエクレア品の価値が分かりにくすぎる。
第2章のNMの方向性では、HNMの攻略法や強めのNMのソロでの倒し方など、読物として楽しませる工夫もあってよかっただろう。
第3章を強化する方向性もあったはずだ。印章BFなどについては『リーダーズ・バイブル』が詳しいが、これらのコンテンツの攻略に徹しても良かったと思う。特にデュナミス、リンバス、サルベージ、ナイズルアサルトなどに力を入れて欲しかった。
第4章はその他付け足しといった印象だ。こうしたコンテンツの説明は基本的事項を並べるだけだと味気ない。電撃の攻略本の強みはそこに旅団員の個人的エピソードが挿話として語られる点にある。あれほどでなくても、もう少しエピソード的なものを加えて読物としての楽しさを出しても良かっただろう。

情報量と速報性では攻略本はネットには勝てない。『ハンターズ・バイブル』はネットにはない切り口を打ち出して成功した。この『トレジャーズバイブル』もコンセプトとしては面白そうだったのに、それを生かしきれなかった。ネットにはない何かはここにはない。

なお、Ver.20070613とはなっているが、8月末のバージョンアップについても何ヶ所かで触れられている。一方、明らかな誤植もあった。また、マニアックスシリーズでお馴染みだった検証は今回は無かった。
FFXIの攻略本としては、今のところ電撃の冒険編と世界編2007の2冊があれば十分だと思う。それに付け加えるなら『ハンターズ・バイブル2』だろう。いくらでも切り口はありそうな作品なのだから、もう少し攻略本の作り手には頑張ってもらいたいものだ。