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[連載]ヘッドホン初心者ガイド1:初めてのヘッドホン選び方

2020年11月27日 | ヘッドホン初心者ガイド
最初のシステムを構築は、ヘッドフォン選びから始まる

ヘッドホンシステムでは、ヘッドホン自体は一番重要な位置にある
最初は自分が気に入っている「音」を見つける方が大事
まずシステムの構成をあまり考えないで、熱心なオーディオショップを見つけて好きなヘッドホン・イヤホンをとにかく試してみてください

ヨドバシカメラとビックカメラはヘッドホン・ウォールと呼べるほど大量の展示があったが、
自分のスマホとDAP(デジタルオーディオプレーヤー)に繋ぐしかないため、
本当は良いヘッドホンでも中々満足的に音が出ない場合がある

こうした家電量販店でも最近は高級ヘッドホンブースが設置され、
ヘッドホンとグレードが合うヘッドホンアンプとCDプレーヤーが揃っている
最初は値段等恐れずに聴いてみることが大事です
CDプレーヤーを多用するから、試聴の時は自分が気に入りのCDを持って行く方が良い
これで、自分が一番好きな「音」を発見できたから、次にシステムを構築する


FOSTEX HP-A8 : DAC付きヘッドホンアンプ、DACに旭化成AK4399を採用、DSD64 Native再生をサポート

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最初はUSB DAC、ポータブルアンプを選ぶ

DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)というのはパソコン、スマホ等からデジタルの音楽データをアナログ出力に変換するもの
パソコンとスマホにもイヤホンジャックがあるが、概ね低品質だがこれも内蔵DACの変換結果である
USB DACを買う理由は、よりハイグレードなDACチップと回路構成で、
パソコンのイヤホンジャックより遥かに音質が良くかつノイズが少ない音を出せるためである


TEAC UD-301 : DAC付きヘッドホンアンプ、DACにPCM1795を採用、DSD64/128 Native再生をサポート

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USB DACはパソコンに繋ぐことを主眼を置いている「据え置きオーディオシステム」の主要構成
ヘッドホンシステム向けのUSB DACの多くは一定グレードのヘッドホンアンプも搭載している、つまりイヤホンジャックがある
搭載されないのは大体スピーカーシステム用のDACである、これは別カテゴリなので今はスルーしておこう


TEAC HA-P90SD : DAC付きポータブルヘッドホンアンプ+プレイヤー機能、DACにPCM1795を採用、DSD64/128 Native再生をサポート

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ポータブルヘッドホンアンプ(ポタアン)とは
持ち歩く前提で大型ヘッドホンを駆動するためのオーディオ機器、最近はDAC機能も搭載したものが多い
もし職場などでよく音楽を聴く場合はポタアンをお勧める
ただ、同価格帯ではUSB DACの音質はポタアンより優れる傾向があるので気をつけてください
単体のヘッドホンアンプもあるが、初心者は現時点では適切なDAC・プレイヤーがないため最初はお勧めしない

ヘッドホンアンプ自体は多少色付けとチューニングされていて、
手持ちのヘッドホンと合うかどうかの問題があるので、購入する前に必ず相性を確認した方が良い
USB DAC自体はピンキリなので、様々な仕様と入出力インターフェースがある

最初は以下の機能を満たす物を選ぶ方が良い
1.ASIOおよびマスタークロック(非同期処理)サポートする
2.44.1KHz/48KHz系にの独立した高精度クロックを搭載した物
3.内部に電源トランスを搭載する物、或いは外部ACアダプター使用の物、とにかくUSB電源だけで動く物を避ける
4.192KHz/24Bit + DSD128(5.6MHz)をサポート、88.2KHz/176.4KHzもサポートした方が良い
5.USB/光デジタル/コアキシャル入力をサポート、RCAラインアウトがある物(3.5mmラインアウトより優れる)
6.ヘッドホンアンプ部には、デジタルヴォリューム(音量)を使う物
7.DACチップはPCM1795/AK4490/ESS9018以降の物を選ぶ


これら全部満たすようなDACは5万円~になる可能性が高いから、中古のDAC名機も良選択肢になる
酷使されるノートPCとスマホと違い、DACは結構耐久性があるので使用感さえ気にしなければ中古でも全然行ける
むしろ銘機レベルになると、中古しか買えないものが殆どなのでオーディオマニアは基本的に中古は気にしない


これは病気の始まり

過度なポータブルオーディオ構成は心の病気

時々、C4爆弾のようにポタアンとプレイヤーと訳わからない物やらを束ねる「システム」を見かけるが
僕は全然お勧めしません
このDAPの出力をさらにDAC付きポタアンを繋いで、そしてポタアンの電源もさらに外部電源モジュールを繋いたらC4爆弾の完成である
第一、これは無駄の極み
良いDAP自体も良いDACとヘッドホンアンプを搭載しており、DAP一台でイヤホンを上手く鳴らせる構成になっている
例え大型ヘッドホンでも、それなりに鳴らる場合が多い(ヘッドホンのインピーダンスと音圧感度にもよるが)
良いDACなのにさらに外部DAC付きポタアンを使うのはDAP性能の無駄、正直スマホで良いじゃんと言いたくなる
そして、どうあがいても同価格帯の据え置きシステムに及ばない

一定グレードを超えると、ヘッドホンの音質はイヤホンより優れている

まずは自分の目標を決めて、ヘッドホン自体は一番重要

初心者には最初、基本素質の良い再生ソースが必要、ウォークマンでも小さなポタアンでもかまいません。
最初は、できるだけ多くのヘッドホン・イヤホンを聴き、最も欲しいものを見つかるまで妥協しない聴きまくる
例えばオーディオテクニカのTAD300から聴き始め、結局最高と思った音はAD2000Xであれば
妥協してAD1000XまたはAD900Xを買うのは絶対幸せになれない


Audio-Technica ATH-AD2000X

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買うなら、自分が一番「欲しいな」と思った最高のヘッドホンを狙う

学生さんで予算が厳しいなら貯金でもバイトでもして、そして中古とネットフリマも常に見て買うチャンスを狙う
最初はまともなUSB DACとヘッドホンアンプはないだろうが、これらは次のことで今は心配しなくていい
旗艦ヘッドホンは例えDAC、ヘッドホンアンプがなくてもそれなりに良い音がする、そして下位機種よりは良いが殆ど
少なくともヘッドフォンでは、予算内でフラッグシップを購入できて、そしてフラッグシップの音が最も気に入っている場合は、絶対妥協しないてほしい


Audio-Technica ATH-W1000Z

amzn.to



ヘッドホンを購入してしばらくすると、さまざまな音色のヘッドホンを試すことをお勧めします
たとえば、最初にオープンスエアーヘッドホンを購入した場合は、密閉型ヘッドホンでは気に入った音があるかどうかを聞いてみましょう
それぞれのヘッドホン・イヤホンにそれぞれの特徴がある
フラットでバランスの取れた万能系ヘッドホンもあるが、女性ボーカルの艶を強調するものもある
楽器演奏に適するがボーカルが後退して遠く聞こえるものもある。

購入順については以下がお勧め
1.最初のヘッドホンを購入する
2.最初のUSB DAC/ DAC付きポタアンを購入する
3.自分の好きな「音」をじっくり感じて、選べるようになる
4.2つ目のヘッドホンを購入する
5.手持ちのヘッドホンの相性を吟味しながら単体のヘッドホンアンプを購入、そして電源処理に少額のお金を使ってやってみる
6.3つ目のヘッドホンを購入し、よりハイエンドのDACを購入、自分のヘッドホンシステムを構築する7.アナログRCAケーブル、そしてヘッドホン・イヤホンのリケーブルに実際試聴し効果が確実に感じた場合のみ購入を考える


最初にシステムが完成してない時点で、デジタルケーブルや電源ケーブルなどに一切にお金を使うな
RCAケーブルは最初にエントリーグレードで良い、私はAudio-technicaのAT564Aをお勧めします
自分ではんだ付けができればAudio-technicaのAT-EA1000の切り売りケーブルを購入して自分で作ることもお勧めします


audio-technica GOLD LINK Fine オーディオケーブル ピン×2 1.0m AT564A/1.0


audio-technica ART LINKシリーズ オーディオケーブル 0.7m AT-EA1000/0.7

オーディオの世界に入った途端、CDプレーヤーやLPを勧める奴が出てくるかもしれないが、無視して良いと思う
USB DACとヘッドホンアンプが良好であれば、CDプレーヤーに負けることはありません
LPなんて「歪みとノイズを楽しむ」という世界の住人なので、純粋に正確な「音」を聞くとは分野が違う


高価CDプレーヤーの一例

ただし、ハイエンドCDプレーヤーには、ブランド特有のチューニングと色付けが含まれていることがよくある
これらのチューニングは、特定のヘッドフォンと特に相性が良く、これもCDプレイヤーのかけがえのない魅力でもある

私の意見では、ヘッドホンとヘッドホンアンプは色付けされているので
ヘッドホンとヘッドホンアンプとの相性に時間を費やして選ぶ必要がある
ただし、DACは正確で無色無味であるべき、解像度と歪み(THD)、SNRなど音響性能が良ければ良いDACである

今回はここまでにしますが、次はヘッドホンの特性解析について話す
ではまた


次の連載:
[連載]ヘッドホン初心者ガイド2:周波数帯域等の仕様を理解する


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