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Audio-Technica ATH-W10VTG レビュー 初心に原点回帰

2020年10月15日 | ヘッドホン、音響関連
Audio-Technica ATH-W10VTG レビュー 初心に原点回帰

まとめ
■ ATH-W10VTGのオーディオテクニカの初代WOODヘッドホンの名に相応しい
■ AKMシリーズのDACと同メーカーのAT-HA5000との相性が抜群
■ リサイクルショップはたまに宝がある

















たまたまですが、下北沢のHardOffでこのヘッドホンに出会った
自分が何回も主催したオーテクヘッドホン会にも出ることがなく
ポタフェスには展示されていたが試聴は不可
多分多人数の試聴に耐えられないと判断されただろうか、W100とW11JPNは試聴できたが
だから、購入する前にこのヘッドホンを聞いたことがない
しかし昔,ATH-A10で聴いたまろやかで豊かな音を思うと
深く考えずに店員に声をかけ、購入した

この記事は一年くらいW10VTGを聞いた感想をまとめするから
長期レビューに当たると思う

テスト環境
1.S.M.S.L Sanskrit 10th MKII(DAC:AK4493)→AT-HA5000
2.TEAC UD-301
3.FOSTEX HP-A8

総合評価 ★★★★☆
音のバランスがよくボーカル向け、音場はフラットで小さく楽器の表現力は弱め
低域 ★★★★
低域の量と低さは良く、密度もしっかりで後のW1000/W2002より豊かなに聞こえる
中域 ★★★★☆
中域はやや目立ちますが潤さのある音で解像度もそれなりに良好
高域 ★★★★★
高域は透明で繊細、広がりも良好、解像度はW1000以降の機種に負ける
音響性能 ★★★★★
オーテク初代1000番台並みの実力があって、バランスがよく目立った欠点はない
ボーカルパフォーマンス ★★★★☆
オーテク一環としての艶やがあって、濃い色付けですがW11JPNのように濃すぎることはない
樂器のパフォーマンス ★★★
バイオリンとピアノにはそこそこ合うが、色付きがやや強いと音場が狭いのせいで他の楽器演奏に向かない
解像度 ★★★★☆
近代ヘッドホンと比べてもミドルハイクラスの部類に入る、SONY MDR-1AとWH-1000XMなどより軽く勝てる
音場 ★★★☆
音の分離は良好だが音場は狭くてフラット、総じて立体感が足りない
色付けの具合 ★★★
中程度の色付け、A900XLTDとW3000ANVよりはやや控え目


W10VTGはハウジング素材として飛騨高山製水桜(ミズメ桜)の無垢材を使用している
W1000と同じコイル巻きはOFC8Nを使用し、ケーブルは生産終了のPCOCC単結晶銅を使用している
後のW1000やW2002とは異なり、磁気回路についての特別な説明はない

全体的に、W10VTGはAudio-TechnicaのWoodヘッドホンの中に、中低高域のバランスが良い存在と言える
音は暖かく、刺さりもなくスピード感も良好、軽快な音で適度な色付けを含む
音場の性能と音響性能は後継のフラグシップに負けるが、目立った欠点がない万能性がある

後続のW11JPNと比較して、W10VTGはイージーリスニング向きでナチュラル風で曲を選ばず長期間聞いても疲れない
W1000やW2002と比較して、W10VTGはより豊かで厚みのあるミッドレンジを備えており高域は刺さらない
W1000Zと比較して、W10VTGはより音が潤い、解像度のパフォーマンスは負けるが聞きやすい

W10VTGの水目さくらは、その後の浅田さくらやチェリー目とは響きが異なる
浅田さくらを使ったW1000/W3000ANVとよく比較してみると
水目さくらと浅田さくらは非常に似た聴感を持っています。
しかし、浅田さくらのナチュラルな反響に比べて、水目さくらの響きはは無色透明に聞こえた
W10VTGの残響はわずかに速く消散し、より軽く、痕跡を残さない
感覚的に言うと、金属ハウジングと浅田さくらの間に響きとなる
硬質、硬くて速いW5000の音と比較して、W10VTGの音はより暖かくて柔らかい

W10VTGの後継モデルとして、W1000はW2002は挙がられる
これらの高域の広がりと解像度は確かにW10VTGに勝てる
ただ、バランスはW10VTGのように完璧でなく中高域に偏り、高域も刺さりやすいのでヘッドホンアンプとDACの相性が重要

それに比べて、W10VTGはアンプ選ばず、プラグを差し込んめば良い音がする
例えば50年記念機種のW3000ANVは、W10VTGと近いバランスを持つ
もちろんW3000ANVは、音響性能とおよび音場の構築力はW10VTGよりも大幅に優れている
これもまた、過去20年間のオーディオテクニカの技術的進化も示している

W10VTGとTEAC UD-301と組み合わせでは非常にバランスが良く取れており
万能でジャンルを選ばないが、色付けが抑えており艶も控え目、ボーカルはよりフラットに聞こえる

HP-A8ゲイン0設定では、音の暖かさが増したがまたバランスが良いと感じた
UD-301より艶が増し、ボーカルの表現力がより高い

SMSL 10Th MK2 + AT-HA5000との組み合わせでは
最も美しい音を出してくれた、今回のレビューもこのシステムに基づいている

最後に

縁で、このヘッドホンを入手し
この間、新型コロナで在宅勤務も経験した
人生で予期せぬ無給休暇も経験した
しかし、どんな状況でも
良い音楽はいつも私のそばにあると感じた


オーディオテクニカ ダイナミックヘッドホン ATH-W1000


audio-technica ステレオヘッドホンアンプ AT-HA5000


S.M.S.L Sanskrit 10th MKII


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