海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

カヌーメンバーの負傷に対する抗議と、次の動きに備えての準備。

2016-01-20 23:52:36 | 米軍・自衛隊・基地問題

 20日は水曜日でゲート前の大行動が行われ、海上行動のメンバーも参加している人が多いので、いつもより遅く松田ぬ浜をカヌー8艇が出発した。ほかに3艇が浜の近くで初心者練習を行っている。

 長崎に向かってカヌーを漕いでいる途中、作業ヤード予定地でバックホーが1台作業をしているのが見えた。ショベル部分を左右に動かし、地面を打ち付けて路盤整備をしているような動きが見られた。

 長崎の岩場に入ると、フロート沿いにグリーンネットが張られていた。前日の午後、久しぶりに張られたようだ。こんなのを張ったところで、大した効果はないのだが。しばらく岬周辺の様子をて、特に動きがなかったので長島の間を抜け大浦湾に移動した。

 長島そばのフロートが切れた隙間を海保のゴムボートが押さえていて、保安官たちが足ひれをつけて待ち構えていた。前週はいきなりフロート内に入ったのでその対策かもしれない。この日は16日(土)に海保に負傷させられたカヌーメンバーの抗議を最初に行う予定だったので、大浦湾に入り平和丸のマイクを手にした。

 先週の土曜日に海底ボーリング調査を行っているスパッド台船に抗議した際、台船の下のオイルフェンスにつかまっていたカヌーメンバーが海上保安官に腕を後ろにねじられ、ライフジャケットをつかまれてゴムボートに強引に上げられたため頸椎を損傷している(頸椎棘突起骨折で全治6週間の診断)。

 冬の寒い海に好き好んでカヌーで抗議に出る人はいない。沖縄の民意を踏みにじり、国が新基地建設を強行するから、やむを得ず海に出て体を張ってでも抗議せざるを得ないのだ。黙って見ていたら政府は、沖縄では反対運動はない、と宣伝する。

 本来、人命を救助し、海を守るのが海保の仕事であり、辺野古の海を破壊する埋め立て工事を喜んでいる海保の職員は少ないと私は思っている。しかし、弾圧の前面に海保が立つことにより、海底ボーリング調査が進んでいる。そして、負傷者が相次いでいる。そのことに強く抗議して午前の行動を終えた。

 大浦湾ではスパット台船とクレーン付き台船ではボーリング調査が行われていた。抗議中、MV22オスプレイが辺野古の海上を国頭方向に飛んでいった。

 平島に移動し、風を避けて岩陰で昼食をとった。日が差すと海の色が鮮やかになり、真冬とは思えない風景となる。写真を見ると夏のようだが、沖縄も冷え込んでカヌーに乗っての活動が厳しい日が続いている。

 ハワイのオアフ島沖で衝突事故を起こしたCH53Eヘリコプターが2基訓練を行っていた。そのうちの1機は荷物をつりさげていた。今でさえこのような訓練が行われている。新基地が完成したらどうなるか。海兵隊の戦場は海の上だけではない。陸上でも訓練しないといけないのであり、辺野古「移設」はけっして「危険性の除去」にはならないのだ。

 この日は長島側からは向かい風が強かったこともあり、午後、カヌーメンバーは抗議船に乗って瀬嵩側の弾薬庫下に移動し、仮設道路の建設工事が途中まで進められている浜やコンクリートブロックを積んだ台船の様子を見た。工事は中断されたままで、浜の仮設道路に変化はない。海保の保安官が警戒して浜に座っていた。

 瀬嵩側の弾薬庫下から長島の方に戻る途中、カヌーチームは曳航してもらっていた抗議船から降りてフロートを越え、抗議行動をおこなった。24日(日)に投開票される宜野湾市長選挙が終われば、汚濁防止膜設置に向けてコンクリートブロックの投下が始まる可能性が高い。

 そうなれば長島周辺や弾薬庫下だけでなく、広範囲で抗議行動を展開する必要が出てくる。この日は昨年の冬にコンクリートブロックの投下に抗議した場所からフロートを越え、来週以降の状況に対処する準備作業も行った。

 見る前に跳べ。カヌーに乗って海上行動に参加する人は、そういう局面を何度も体験する。ぜひ勇気をもってカヌーに多くの人が乗ってほしい。

 


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