海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

海底ボーリング調査と測量への抗議行動

2015-12-15 23:57:43 | 米軍・自衛隊・基地問題

 15日は朝から雨模様で、天気の回復を待って午前9時20分頃、カヌー11艇で松田ぬ浜を出発した。

 辺野古崎の岩場を抜けて長島まで漕ぐと、一気にフロートを越えてスパッド台船をめざした。前日は昼食後に不意打ちをかけ、カヌー2艇が台船に到達し、1人がグリーンネット内に入り掘削棒をつかんで抗議したとのこと。

 この日は、満潮で海上保安庁のゴムボートが岩場の近くまで寄って来られたこともあり、長島周辺でほとんどのカヌーが拘束され、台船に着けた艇はなかった。

 ボーリング調査と並行して作業船数隻が、スパッド台船のそばを通っていた中仕切りのフロートを移動する作業を行っていた。フロートは長島近くから航路付近に向けて設置しなおされた模様。

 手漕ぎのカヌーで海保のゴムボートに立ち向かうのは、もとより無謀な話だが、それでもできる限りのことをやるしかない。昨年の11月30日には終わる予定だった海底ボーリング調査が、1年経った今も終わっていない。それも抗議行動の積み重ねがあってのことである。年内に終わらせないためにカヌーチームは力を尽くす。

 抗議行動の際、沖縄防衛局に雇われているマリンセキュリティーのゴムボートが、カヌーのメンバーをスクリューに巻き込みかねない危険行為を行ったということで、船から抗議をした。

 陸のアルソックに対し、海はマリンセキュリティーという民間警備会社がゴムボートや船舶で警備しているのだが、手漕ぎのカヌーに動力船のゴム―ボートをぶつけ、進路妨害するという悪質な行為がくり返されている。わざわざバックしてスクリューを向けてカヌーに向かってきた者もいる。

 海保の真似をしているのか知らないが、ど素人が「警備」を口実に危険な行為を行えば、いつか事故が発生する。ゴムボートをぶつけられたカヌーが転覆し、スクリューに巻き込まれれば死亡事故にもなりかねない。それを承知であえてやっているマリンセキュリティーは、事故の責任を負うことを自覚して、現場の警備員を指導するよう警告しておく。

 昼食後、大浦湾の波が高くリーフ沿いを汀間漁港に戻るのが難しくなるので、抗議船は早めに海上行動を切り上げた。カヌーチームは大浦湾の長島近くで行われているボーリング調査の様子をしばらく監視した。

 すでに2基のスパッド台船は撤去され、深場の調査を行っていた緑のクレーン付き台船(第八十八福丸)も現在、米軍のリゾートビーチ近くに移動している。現在調査しているこの地点ともう1地点を残すのみとなっている。年末も作業が続く限り抗議行動も続けられる。

 松田ぬ浜に戻る途中、作業ヤードの整備を行っている近くの浜で測量を行っていた。ウェットスーツをつけて海に入り測量していたので、カヌーで近くに行き抗議した。作業員たちは陸に上がり、こちらが引き上げるのを待っていたので、その場で抗議を続けた。

 陸上では電柱を撤去する作業が行われていた。解体工事が終わり、作業ヤードの整備がかなり進められているようだ。大浦湾側から見ると、瓦礫が撤去されて高台の法面も整備されている。測量が何に向けてのものか注意したい。

 午後4時まで粘って抗議を続けたので、作業員たちも最後はあきらめて測量機材を片付け、引き上げていった。カヌーの特性を生かしてどのような抗議ができるか。臨機応変に現場で判断することが大切であることを再認識した。

 測量に抗議した海域は、浅場にソフトコーラルが密生している。これも埋め立てによってすべて消える、いや殺される。普天間基地を返還させてディズニーランドを誘致する、という選挙目当ての宣伝がなされている。しかし、そのために何が失われるか考えないといけない。

 キャンプ・シュワーブを返還させれば、豊かな海を生かして子供たちのために素晴らしい施設が作れる。人の力では作れない自然を観察することは、ディズニーランド以上のものを子供たちに与えるだろう。1年余カヌーに乗って、この海を守らねば、という思いは強まるばかりだ。

 


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