海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

MV22オスプレイ配備と尖閣諸島問題

2012-08-11 19:15:33 | 米軍・自衛隊・基地問題

 11日朝のNHKニュースで、東京都が尖閣諸島の〈購入価格を算定する土地の測量などのため、今月末にも尖閣諸島の現地調査を行いたいとして、国に上陸許可の申請をするなど、手続きを進めることにな〉ったと報じられていた。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120811/k10014211381000.html

 8月3日には〈民主党や自民党などの国会議員で作る超党派の議員連盟のメンバー〉も慰霊祭を口実に尖閣諸島への上陸を国に申請している。韓国の李明博大統領の竹島上陸が問題となっているが、政府の弱腰が韓国や中国を増長させているとして、竹島問題を尖閣諸島上陸への追い風に利用する動きが出てきそうだ。

 MV22オスプレイの沖縄配備を進める米国政府は、CH46中型ヘリよりも機能が向上するオスプレイが、尖閣諸島をはじめとした島嶼防衛に有効であると主張している。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120804/amr12080419220008-n2.htm

 米国にとって沖縄へのオスプレイ配備は、中国に対抗する米軍事力の強化であり、配備を進める材料として尖閣諸島問題が利用されている。オスプレイの安全性を強調しても沖縄県民を納得させられないとなれば、今度は尖閣諸島の「危機」を演出して配備の必要性を強調することも考えられる。日本には以心伝心で米国政府の望む行為をとる対米隷従派がぞろぞろいる。
 〈来年度予算に購入費を計上するため〉には〈10月の都議会に諮る〉必要があるという東京都のスケジュールは、10月の本格的運用に向けてオスプレイの沖縄配備を進める日米両政府のスケジュールに重なる。〈今月末にも現地調査を行いたい〉という東京都に対し、国が上陸を認めなければ弱腰批判が高まる。解散総選挙にむけて流動化する政局のなかで、野田政権が尖閣諸島への上陸申請にどう対応するか、米国から何らかの圧力が加えられないか、注意が必要だ。

 パネッタ米国防長官の発言を見ると、先島地域でのオスプレイの訓練や下地島空港の軍事利用も視野に入っていると思える。与那国島、石垣島、宮古島に自衛隊を配備し、米軍と自衛隊がオスプレイを使って先島地域で対中国の共同訓練を行う。その際、下地島も軍事拠点として活用する。米軍と自衛隊はすでにそこまで見越して準備を進めているはずだ。
 それは否応なく、中国の対抗的な軍事強化を導き出す。そうやって沖縄が日米と中国の軍事的対抗の最前線に立たされれば、沖縄県民は常に軍事衝突と演習による事故・事件の危険にさらされることになる。東京でナショナリズムを煽って愛国者を気取っている石原知事など、何の危険もないところで大口を叩いているにすぎない。
 我が身を守るために、MV22オスプレイ配備反対の運動を県全体で進めましょう。9月9日の県民大会を成功させることはもちろん、それ以降の取り組みがさらに重要となります。オスプレイ配備反対と同時に、先島地域への自衛隊配備、中国の軍事強化にも反対していきましょう。

 


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