海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

稲嶺ススム久辺三区合同懇談会

2010-01-15 02:51:38 | 米軍・自衛隊・基地問題
 14日午後7時から稲嶺ススム予定候補者の久辺三区合同懇談会が開かれた。ティダの会の皆さんも参加するので会場の久志公民館まで足を運んだ。
 新基地建設に反対する予定候補者の懇談会が、久辺三区合同で開かれるのは初めてとのことだった。稲嶺氏の選挙事務所の支所が辺野古区に設けられているが、これも今回が初めてという。また、地元を代表して男性があいさつする前に、司会の方からメディアに対し、撮影を控えてほしい、と頼む場面があった。国・県・市が総掛かりでかけてきた久辺三区への新基地建設推進の圧力の強さが、これらのことから分かるだろう。
 あいさつに立った稲嶺氏は、これまで基地問題に振り回されてきて、教育や福祉など行政が本来とりくむべきことがおろそかになってきた。今回の選挙に勝利して基地問題を終わらせ、教育や福祉など本来の課題に力を入れたい、と述べていた。そのことを最も強く願っているのが、久辺三区の住民であることは言を待たない。
 普天間基地の「移設」先として辺野古が浮上してから、家族、親戚、友人、知人という人間関係を引き裂き、地域を分断する問題に久辺三区の住民は苦しんできた。本来なら97年12月に行われた名護市民投票で決着がついたはずなのに、時の比嘉鉄也市長が市民の建設反対の意思を踏みにじったが故に、今に至るまで対立と混乱が続いている。
 その比嘉鉄也氏は、現職の予定候補者・島袋氏の後援会本部長として、選挙運動の中心となっている。この13年余、市民を二分させて苦しめてきたことへの反省など比嘉氏には一片もあるまい。自公政権が倒れても相も変わらず、新基地を造って国から振興策を引き出す、とうそぶいている。
 比嘉氏は現在、名桜大学の理事長を務めているが、同大学は今春、公立化の予定である。島袋市長が再選されれば、公立化された同大学の理事長に再び納まる腹づもりだろう。市民をさんざん苦しめておきながら、「影の市長」と呼ばれて権勢を振るってきた比嘉氏が後援会本部長になっていること自体、現島袋市政の問題を端的に示している。
 懇談会の中で司会が、米軍ヘリの爆音や演習場の射撃音で久志区は戦場さながらだ、と話していた。今でさえ久辺三区はこのような状態なのである。そういう地域に計画されている辺野古新基地が、利権の塊であることはすでに遍く知れわたっている。住民の犠牲を省みず新基地利権をはびこらせる市政は、もう終わりにしなければならない。

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