6月23日午前11時から、八重岳の「三中学徒之碑」の前で、沖縄戦で犠牲となった沖縄県立第三中学校の学徒たちの慰霊祭が行われた。碑に向かって右側に遺族、左側に元学徒隊の皆さんがすわり、最初に、数年前に亡くなった元学徒が残した追悼ラッパのテープを聴きながら黙祷した。そのあと三三会代表の追悼の辞が述べられた。
読経のテープが流れるなか、遺族、元学徒とその家族の順に焼香が行われた。学業の途中で戦場にかり出され、10代半ばで亡くなった学徒たちには、子どもはいない。親たちはすでに亡くなり、兄弟姉妹もみな60代以上となって、戦死した学徒を知る肉親は少なくなった。
亡くなったのは兄なのか、弟なのか、全体の焼香が終わったあと、慰霊碑の石板に刻まれた名前を見つめ、お菓子や果物を両手でかざして、碑に酒を注いでいた遺族の女性の姿が印象的だった。
「三中学徒之碑」からは、本部の町並みや海の向こうに伊江島が望める。その眺望の良さは、68年前に海を埋めた米軍艦から艦砲射撃にさらされたことも意味する。沖縄島北部では、碑の向かいの真部山で最も激しい戦闘が戦われた。
最後に、沖縄県立第三中学校の校歌を合唱して、慰霊祭は終わった。弁当と飲み物が配られ、ウサンデーしながら1時間ほど皆さんの話に耳を傾けた。ぜひ来年も元学徒の皆さんが元気で慰霊祭に参加されることを願いつつ、野ボタンが咲く山を下りた。
http://www.youtube.com/watch?v=prCoZzc35mA