海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

辺野古側で進められている工事に注意を。

2017-08-20 10:30:04 | 米軍・自衛隊・基地問題

 19日は朝、カヌー16艇で松田ぬ浜を出発した。土曜日なので、ふだんは仕事で参加できないメンバーも加わり、抗議船2隻とともに海上での監視・抗議行動を行った。

 辺野古のリーフ側では連日、仮設道路の建設が進められている。カヌーチームは二手に分かれて行動したが、午前中、キャンプ・シュワブの映画館前では、仮設道路の先端部に根固め用袋材を設置し、間に捨て石を投下する作業が行われていた。

 一番下の写真は小型のショベルカーで捨て石を隙間なく入れているところ。

 中仕切り護岸(N5護岸)の建設予定場所では測量が行われていた。浜辺に10メートルおきくらいに杭を打ち込んでおり、仮設道路ができしだい、早ければ9月にも護岸着工の可能性が報じられている。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-541967.html

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-558027.html

 日本政府の狙いは、来年1月の名護市長選挙や11月の沖縄県知事選挙までに、埋め立て工事を目に見える形で進め、もう後戻りはできない、と宣伝することで県民をあきらめさせることにある。そのために工事が難しい大浦湾側は後回しにし、辺野古側のリーフ内でどんどん工事を進めている。そこに注意しないといけない。

 K9護岸工事のように海中に石材を投下しているわけではないので、仮設道路の工事は進行が速い。陸上で進められている工事を止めるには、ゲート前での阻止行動しかない。工事用車両の数が減っているからといって、工事が進んでいないのではない。多くの人がゲート前の座り込みに参加してほしい。

 午後は交代して髑髏(どくろ)の絵がある浜の方に行った。ここではK1護岸工事の建設に向け、資材を運ぶ仮設道路の工事が進められている。この場所は埋め立ての範囲外にあるため、将来撤去できるようにコンクリートブロックを積んで道路を造ろうとしているようだ。

 ブロックは1列に6個が置かれ、3列目の1個まで作業が進んだ。上部を水平にしないといけないので、1個置くのにもかなりの時間がかかっていた。周りを小型の根固め用袋材で囲んで、この日の作業を終えた。

 午後の作業の途中から、工事現場周辺に設置しているネットを張った単管の柵や汚濁防止の黄色いフロートを片付けていた。台風対策とは思えないので、工事の進行に合わせて設置場所を移動するのかもしれない。

 この日、米軍は休みだったらしく、キャンプ・シュワブの浜では泳いでいる兵隊が多かった。工事現場を平気で横切り、稼働している重機のそばを通る米兵も目立った。現場の安全管理がいかに杜撰かがよく分かる。慌てて海保の職員が注意する場面もあった。

 沖縄県民は入れない浜で米兵は自由に泳ぎ、遊んでいる。日本政府が行っている工事現場など、彼らには注意の対象ですらない。この「在日特権」ぶりはどうだろうか。

 第2次大戦から72年が経っても、沖縄をいまだ占領地ぐらいにしか思っていないのだろう。映画『ハクソーリッジ』で住民の姿がまったく描かれていないのもよく理解できる。この島で暮らしている住民のことなど眼中にないのだ。


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