海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

進められる解体工事と海底ボーリング調査

2015-04-17 20:17:24 | 米軍・自衛隊・基地問題

 17日は朝、カヌー8艇で松田ぬ浜を出発した。いつもより少な目だが、漕ぎ馴れた人ばかりなので、船の皆さんと連携しながらやれることをやろう、とまずは辺野古崎を目ざして漕いだ。

 潮が引いて遠浅の海にジュゴンのエサとなるアマモなどが繁っているのが見える。最近は辺野古崎の岩場に近づくとシジャー(ダツ)が水面を跳ね、昨日はカヌーに飛び込んできたという。尖った口先は危険で、体に刺さって大怪我をすることもある。夜、いざりをするときはシジャーが光をめがけて跳んでくるので、電灯を水平にしてはいけない、というのはよく言われることだ。

 辺野古崎に向かう途中、キャンプ・シュワブの解体工事の様子を目にするのだが、この2日の間にも建物の解体がかなり進んでいる。瓦礫の山が日に日に高くなり、別の場所にも同じような山がある。アスベストの処理はどうなっているか、瓦礫はどのように使われるのか、など追及する必要がある。

 辺野古崎付近で船のメンバーと合流して、カヌーチームはまず6艇が、長島の間を抜けて大浦湾に出た。残りの2艇はしばらく長島の南側で様子を見たあと、続けて大浦湾に向かった。

 大浦湾では長島の近くから北側のフロート付近まで広範囲に広がり、海保の船やゴムボートと対峙する状態が続いた。2隻のスパッド台船と1隻のクレーン付台船では、今日も海底ボーリング調査が続けられている。東京では翁長雄志知事と安倍晋三首相の会談が行われたが、昨年の名護市長選挙や県知事選挙などで示された民意を踏みにじり、強行されている海底ボーリング調査を実際にどう止めるか。それが問われている。

 午前11時半頃、カヌーと船で一斉にスパッド台船とクレーン付台船を目ざして進んだ。最近はカヌーを拘束するのは海に飛び込む保安官を乗せたゴムボートだけで、次々と保安官を海の飛び込ませ、カヌーをつかまえて動けなくしていく。そのあと、制服組が乗ったゴムボートにカヌーメンバーを引き渡していく。

 そういう中で1艇のカヌーが、クレーン付台船の手前のオイルフェンスまで20メートルほどの所まで漕ぎ進んでいた。最後は保安官が飛び込んで拘束されたが、こうやって海底ボーリング調査に対する抗議の意思を示し続けることが大切だ。

 日米両政府の横暴を許さない、辺野古新基地建設を阻止する、どれだけ機動隊や海保から暴力的弾圧を受けても屈しない。その意思を海やゲート前の行動で示しましょう。どれだけ理屈を並べても、行動しなければ世の中は変わりません。

 午後は潮が大きく引いて船の行動が制限されるので、海上抗議行動は午前中で切り上げた。海保のゴムボートから平和丸などの抗議船に移り、カヌーを曳航して平島の東側から辺野古の浜に向かった。キャンプ・シュワブの解体工事の写真を撮るため、途中から浅瀬に入って慎重に進んだが、体長50センチほどの海亀が泳いでいるのが見えた。

 今週は良い天気が続いている。浜にあがるときは打ち寄せる波が温かかった。この豊かな海を守りましょう。

 


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