海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

2月7・8日の高江の様子

2014-02-09 17:12:44 | 米軍・自衛隊・基地問題

 今年はツツジの開花が早いらしく、N4テントに向かう途中の民家の庭や道路脇でケラマツツジが満開になっている。桜は葉桜に変わり、メインゲートによくやってくる四十雀が、枯れ草や和毛(にこげ)をくわえて運んでいる。巣作りを行っているようで、すでに繁殖期に入っている鳥もいる。鳥類の繁殖期を3月からとしている沖縄防衛局の自主アセスは実態に即していない。重機類を使った工事はすぐにやめるべきだ。

 2月7日(金)の高江では、N4ヘリパッド工事は行われたが、4トンダンプカーによる荷物の搬入・搬出などは見られず、ヘリパッド建設現場とゲートから見て右側奥の二カ所で、断続的にバックホーなどが動く音が聞こえていた。砂利をトン袋に詰め替えて現場近くまで運んでいたのか、それとも別の作業を行っていたのか。平日にしては、見える範囲での作業員の動きが少なかった。

 8日(土)は午後から砂利の搬入が行われた。2台の4トンダンプカーを使って約2時間半で計13回、トン袋(砂利)がヘリパッド建設現場に運び込まれた。バックホーやローラー車で敷き均す音が森の木々越しに聞こえ、ゲートに向かって右奥でも重機を使って作業をする音が聞こえていた。

 しばらく前から、1台のゴミ収集車が食料を積んでメインゲートから入っているのではないか、という指摘があった。注意して見ていたところ、8日の午前に大量の食料を助手席や後部座席に積み込んだゴミ収集車がやってきた。食料の上に置かれた袋には「丸政工ム店(高江行)」とマジックで書かれていて、北部訓練場内に泊まり込んでいる作業員たちの食料のようだった。

 運転手に事情を訊ねると、「個人的に頼まれて運んでいる」とのこと。9・11以降、米軍はテロ対策で基地への人や物資の出入りに厳しくなっている。ゴミ収集という本来の業務とは関係なく、隠れて物資を運び込むのは問題ではないか。会社としてヘリパッド工事に協力していないかどうか、電話で確認していいか、と訊いたところ、運転手は返答をせずにほどなくして引き返していった。

 2月に入ってヘリパッド建設工事をめぐる動きがあわただしくなってきた。N1地区の動きにも注意しなければならないが、何よりもまず、現在進行しているN4地区の二つ目のヘリパッド建設工事に対する取り組みが重要である。工事が行われている間は作業員たちへの配慮もあり、一つ目のヘリパッドを使用することは難しい。集落に一番近い場所でのオスプレイやヘリコプターの離着陸訓練を許さないためにも、多くの人が高江に来て行動に参加してほしい。

http://www.youtube.com/watch?v=RucNT8myQpU&feature=youtu.be

 メインゲート周辺の森では、銃声や破裂音は聞こえないが、訓練をしている米兵の掛け声や喚声が時おり聞こえている。8日の午後には訓練場から引き揚げてきたらしい米兵が100人ほど、警備ボックスの後ろを移動していく様子がメインゲートから見えた。

 街中を私服で歩いているのと違い、高江では米兵の本来の姿が見える。戦闘服を着た時の彼らの沖縄住民に対する態度にこそ、軍隊の本質は現れる。彼らの支配に従順な住民には笑顔で手を振り、反抗するものには嘲笑を浴びせる。朝鮮やベトナム、アフガニスタン、イラクなどで殺戮と破壊をくり返してきた米軍が、沖縄人にとって「良き隣人」であることなどあり得ない。やんばるの森を彼らの殺人訓練の場として使わせてはならない。

 


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