季節を感じながら歩く soraの季節散歩

花や空や木や太陽 季節を感じ 気ままに歩くお散歩日記

2009.5.9 朝比奈切通

2009-05-17 | 鎌倉
鎌倉日記を復活させました。
気ままに歩く鎌倉散歩。
ガイドブックに載っているところも載っていないところも
歴史を交えて楽しく紹介できたらなと思っております。
お付き合いいただけたら幸いです。

さて一発目の新鎌倉日記ですが
いきなりマニアックなところからの紹介となります。

鎌倉といえば
もちろん鎌倉駅
そしてお隣の北鎌倉
あるいは江ノ島あたりが玄関口となりますが
今回は金沢八景から鎌倉を目指すコースを取ってみました。

金沢八景からバスで10分
朝比奈バス停を降りるとすぐに
「朝比奈切通」の道標がお出迎えしてくれます。



朝比奈切通は「鎌倉七切通」のひとつで
当時の姿を色濃く残し
国の史跡にも指定されています。

鎌倉は三方を山に囲まれ一方が海に面す自然の要塞。
戦時に敵の襲来を防ぎ
平時には物資などを運ぶ交通の要路として切通が作られました。

入口に入る前から
ウグイスの鳴き声が響き渡ります。
近くを走る有料道路の騒音も
木立ちが深まると共に消えていき
まるでタイムトリップしたかのような錯覚に陥ります。





自然がそのままの姿で生きている。
毛虫くんにもたくさん出会いました。
トカゲくんにも…

途中に分かれ道があり「熊野神社」に向かいます。

すぐにお目見えするのかと思いきや
鳥居のように続く杉木立の参道をまだかまだかと歩き
ようやく木々の隙間に拝殿が見えました。





こんな山の中にポツリと神社。
私たち以外に誰もおらず
太陽の光が優しくふりそそぎとても静か。
心洗われたような気分になりました。

引き返して再び切通を歩きます。
途中から水の音が大きくなり
道の両脇にせせらぎが…





そのせせらぎは蛇行をくり返し
道にも水が滴ります。
どこを歩いていいのやら
やっぱり靴は泥だらけ。

緑があり土があり水があり
なんて素敵なところなんでしょう。
美味しい空気を胸いっぱいに吸い込んで
元気をいっぱいもらってきました。

そしてようやく出口。
ここには通称「三郎の滝」と呼ばれる滝が流れています。



朝比奈切通は執権・北条泰時が鎌倉と横浜を結ぶ経済路として作ったと言われています。
自らも工事に着手したとか。

また一説では和田義盛の三男・朝比奈義秀が一夜で作ったと伝えられています。
義秀は大力無双で知られ「朝比奈」の由来も彼からきているようです。
それだけ荒々しい切通ということなのでしょう。

舗装された道に出たものの
しばらくは先ほどの切通の名残が続きます。
そしてようやく金沢街道に。

現在の鎌倉と横浜を結ぶルート。
江戸時代の観光は
品川から横浜まで船を使い
そこから先ほどの朝比奈切通をへて鎌倉入りしたそうです。

しかしここから鎌倉まではまだまだ。

「そろそろおトイレに行きたいね。」と旦那さま。
いい忘れましたが今回の旅の道連れは旦那さまです。

「も少ししたら光触寺があるから、そこにおトイレがあるよ。」
と言うわけで光触寺へ。

とても小さく静かなお寺です。
相変わらず不気味な一遍上人の像があり
そのお隣には「塩嘗地蔵」がお堂の中にたたずんでいます。



かつて六浦(横浜市金沢区)の塩売り商人が
商売繁盛を願って地蔵に初穂の塩を供えたところ
帰りにはなくなっていたので
お地蔵様が嘗めたのだろうという伝えがあります。

小さいながらも季節の花が楽しませてくれるので
いつ行っても違う雰囲気が楽しめるお寺です。

そしてお昼は「ちくあん」のお蕎麦。
わざわざ遠方から車で来るほどの人気ぶりで
私たちが到着したときはお昼時というのもあって並んでいました。





私は個人的にここのお蕎麦が今までで一番おいしいと思っています。
んがしかし
いつもなら車海老天せいろを選ぶところなのだけど
なんとなく旦那に連られて白海老バラ揚げそばを頼んでみたら…

要するにかき揚げなわけね。
そして苦手な玉ねぎちゃんがいっぱい入ってる~ってことで
ちょっぴり残念でした。
悪いのは自分。

しかしながらお蕎麦は相変わらずおいしかったです。

お腹もいっぱいになり
すぐ近くの「明王院」に寄ってみました。
境内の写真撮影が禁止なので
風情ある古刹の様子を伝えられないのが残念ですが
茅葺き屋根のお堂など
懐かしい気持ちになれるお寺です。



その後は金沢街道をひたすら鎌倉方面へと歩きます。
報国寺が近づくと
さすがに人の数も増え賑やかになってきました。
竹寺として有名になった報国寺を通過して
鎌倉最古のお寺「杉本寺」を目指します。

734年に創建されたと伝えられるので…奈良時代です。
仁王門から本堂まで苔で覆われた石段が続くのですが
現在は保存のため立ち入り禁止で側道を上がっていきます。

本堂は靴を脱いで拝観できるようになっており
本尊である三体の十一面観音菩薩を近くで見ることもできます。
近くといっても
地震が来ても火災が起きても強盗にあっても大丈夫といったような
厳重な蔵に保管されているので
よくは見えません。





この三体の観音様
むかし隣の家で火災が起こり
その火を逃れようと自ら自力で外に出て
杉の木の根元に非難していたという伝えがあります。

それが杉本寺という名前の由来と言われているそうです。

そして住宅街を歩いて八幡宮の脇を通り
裏道をくねくねと歩き菜がら鎌倉駅へと向かいました。

日はまだ高かったのですが
たくさん歩いてちょっと疲れてしまったのと
森林浴ができてすっかり満足してしまったので
お家に帰ってのんびりするべく家路へつきました。

お家でおさらい。
私にとって朝比奈切通はデトックスコースです。
肩こりがだいぶラクになっていました。