Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

雨上がりの夜勤明けにトーハク

2013年05月13日 10時29分17秒 | 美術館・博物館etc.
週末は仕事していた。

金曜の夜から早朝にかけて働いて、帰宅して3時間ほど寝て、
起きて朝ごはん食べて茶道の稽古に出かけて、また帰って1時間ほど仮眠して、
晩ごはん食べてから出かけて、また夜から朝日にかけて働いて。

仕事終わった後は宿直室のカプセルで2時間仮眠をとって、
顔を洗って化粧をし直してから外へ出た。

「山の手線が遅れてるなか」とボンヤリ思いながら上野まで乗って、
エキナカで朝粥と珈琲で朝食を摂った後、東京国立博物館(トーハク)を訪れた。

受付で年間パスポート購入。

まず大神社展を鑑賞。(6月2日まで)

やっぱね、日本人は神サマ大好きだよねぇ
私も仏様より神サマの方が好き

お寺へ行ってよく見えない仏様が安置されている本堂でそっと手を合わせるより、
神社の本殿で5円玉を賽銭箱へ投げ入れ、パンパンと拍手を打って手を合わせる方が有り難い気がするんだなぁ。

熱田神宮に伝わる装束を見たり、機織機のミニチュア見たり。

古代より人々によって大事に大事に守り続けてきたお宝がいっぱい。

安徳天皇が身に着けていたと伝わる子ども用のお着物とか
北条政子が奉納したという蒔絵の化粧セット。

茶道文化検定にも出題された台盤もあって、「これがそうか」と思った。

夜勤に入る前日に畠山記念館で鎌倉時代の蒔絵の技術についてお勉強したばかりだったから、
それを復習するいい機会だった

石上神宮の七支刀(←展示期間が1週間延長になっていて見られた。ラッキー

南北朝時代の鎧がそのまんま残っていたり、
あと鹿島神宮の長い宝刀もね、すごかった。

実はとても貴重な狩野元信真筆と伝わる板に描かれたお馬さんの絵とか
有り難い春日大社の鹿さまの像とかね。

人間の姿に表現された神像になってくると仏像ぽくなっていたり、
神仏習合というのか、ありがたければ仏様でも神様でもどっちでも~

という日本人らしいフレキシブル感覚がしっくりくるところが、
やっぱワタシは日本人らしい

なんて思って、満足

クリアファイルを買って、映像紹介を観て、本館へ。

途中、お猿さんの展覧会。(6月16日まで)→リスト
猿が手を伸ばす野溝釜。

牧谿(もっけい)の絵を参考にして描いた長谷川等伯の絵をお手本にした思われる橋本雅邦の猿猴図もヨカッタ。

本館では1階の漆工の部屋から。今のは6月9日まで→リスト

尾形光琳作の国宝・八橋図蒔絵硯箱

久しぶりにホンモノを見たぁ

3日前に根津美術館で見た杜若図屏風(←まだblogで紹介してない)の蒔絵版だもんねぇ

あの紫の花のところが螺鈿で表現されていて、緑色の草のことは金色
またまた違った魅力があって、それで豪華で、でも同じ作風で通じるものがあって。

連続して見るとよいものだなぁと思った。
(構図としてはメトロポリタン美術館所蔵の杜若図屏風の方との共通点があるけどねー)

同じく1階の陶磁(→今のは6月9日までリスト)。

仁清の瀬戸釉の平水指。
釉薬が今の高取っぽく、淡白な印象。横に均等な楕円ぽく段差をつけたフォルムがいかにも仁清で。
いいなぁ。
ほぞ同時代の高取の褐釉耳付水指も近くにあって、まだ技術的に素朴な印象。
これが江戸時代を経て磨かれてくるんだよねぇ。

そのトナリの彫唐津茶碗が変わっていておもしろかった。

もう一つ仁清の色絵波に三日月文茶碗。
同じ絵柄の茶碗を持っている。(三木陶さんからのもらいもの。「月」が勅題だった時の

あのデザインの本歌はコレだったのかと嬉しくなった。

(もう一度、しげしげ見てみたくなった。大切にしよー

長次郎の黒楽「尼寺」と一入の四方茶碗の対比もよかった。(やっぱりムキ栗を写したものみたい)

そして、特別陳列「花生」 6月9日までリスト

実は今日から茶花を習いに行く
先日、三木陶さんで一番安い真の花入を購入した。

これを機に花生(花入)についても再確認をしないと思っていたところだったから。

花を生けるにはそぐわない古銅象耳花生とか、
侘びた備前の旅枕花生。

大きすぎる?信楽の蹲花生。

残念なことに真っ黒になってしまった瓢花生(「利休作と宗旦の書付あり)
利休作の竹花生は園城寺比べるとシンプル。
金森宗和作と伝わる竹花生は細身で雅。

磁器系も豊富。

古染付の高砂手花生は根津美術館にも同じのを見たばかり←ゴメンまだ書いてない。
平べったい古染付人物笹蟹文砂金袋花生は生けるの難しそう。

さすがは龍泉窯の青磁象耳花生はいかにも古銅花生の形を写した形。技術がすごい。

古銅を写した形といえば蕪花生。
二重蕪花生は形も複雑ですごい。

さらには赤絵龍文双耳花生(耳もドラゴン)や巨大な五彩龍牡丹文花生とか豪華になってきてビックリ。

もっとも、釣り花入は説明文だけで実物なかったのが残念。

それと籠花入もなかったのが残念。

今回はそういう主旨じゃなかったのだろうけど、
茶道を勉強する身としてはバランスよく見たかったなぁ。

2階に上がって3月にも見た第4室の「茶の美術」(今のは5月19日まで)をもう一度みて、

上杉謙信の書状と金沢貞将の摸本の肖像画を見て、江戸時代の地図みて、

それから第8室の「暮らしの調度」へ。今のは6月23日までリスト

注目は「桜花螺鈿椀・牡丹唐草螺鈿膳」
つまり、明月椀の本歌。(まさに織田有楽斎が鎌倉の明月院に寄進したものの一部)

先日、畠山記念館で渡辺喜三郎(二代)作の明月椀を見たけど、その本歌が見れちゃった

四つ椀が1セット。
飯椀、汁椀、平椀、壺椀。←茶道文化検定で間違えたんだよねぇ。

なるほど。なるほど。
正式かどうかはわからないけど、平椀と壺椀には蓋がないのかぁ。

その他、永楽和全の茶碗と絵皿もよかった。
作者名はなかったけど、京焼の桜透かし手鉢も仁清テイストで素敵だったなぁ。

時節柄、しだれ桜とか藤の絵柄が多かった。(お着物とか)

今年は藤を見損ねたので、せめて絵で雰囲気を楽しもう。

↓先日訪れた五島美術館の藤棚。(根津美術館も同様だった)


茶道具に関係ないところでは
五島又兵衛の屏風絵とか英一蝶の作品とか興味深かった。
作者不明だけど、江戸時代に描かれた源平合戦図屏風も楽しめたなぁ。

平成館とリンクした神社&神様関係の展示も多く、よかった。

そんな感じで正午近くまで半日たっぷり楽しめた。

東洋館も前回訪れたのが1月だったので、展示替されているのはわかっていたけど、
さすがに体力なくって

仕事疲れと小刻みな睡眠ではカバーしきれなかったのか、頭痛がしてきたので、
帰宅して、休養。

昼寝して、それでも夜はぐっすり寝て、少々朝寝坊して、体内時計を戻す

で、こうして頭を整理しながらのblog書きで更に思考回路を整えている次第。

というわけで、自らの体調管理にも利用している都合上、
ブログの内容が日によってバラバラなのは勘弁されたし

夜勤に入るに当たって産業医から受けた講義によれば、
現在の日本国内?の労働者の中では深夜勤務従事者が5分の1の割合ということらしい。
(ごめん、定かに覚えていないので数字は不正確

「意外に多いんだなぁ」と思ったことは憶えている。

日曜夜に放映中に「真夜中のパン屋さん」というドラマでは営業時間が23:00-5:00という設定になっていて
「特に都会ではもう夜に活動するのは珍しいことではないのかな?」さえ思ってしまう。

とはいうものの、「やはり人間は夜は眠る動物なんだ」としみじみ思う。

「夜勤もある」とした求人に応募してきた人の志望動機が
「昼間の時間が有効に使えるから」だったという話を聞いた。

ウーーーム。
その発想は甘いと思う。

私がどうにかこうにか夜勤に対応できているのは、
まず長年やってきた慣れている業務が深夜時間帯に移行したからだ。

それに10年ちょっと前に2年ほど夕方から勤務について夜半に上がり、
丑三つ時に車に送られて帰宅するという生活パターンを月5回、延べ2年間やった経験も生きている。

そして、一番大事なことは「自分の好きな分野の作業」だということ。
好きなことだし、それをやることの意義がよく理解できているから
どんな時間帯にやっても、苦にならないという強みがある。
(まぁ、そこから責任感もあるし)

だから、まったく初めての慣れない仕事を深夜時間にやってというオファーなら
私は対応できないと思う。
(まず、イヤイヤやっていると体調を崩す)

このところの円安と株価の上昇、企業決算の軒並み景気のよい報告。

それでも、厳しい一般庶民の暮らしぶり。

その中で生き延びるために深夜労働に参入せざるを得ない状況は
もはや避けては通れないのかもしれない。

でも、やはり深夜労働は昼間の労働よりも重要な使命を帯びているし、
間違い許されない、責任が重い部分を期待されていることがほとんどである。

だから、やるにはそれなりの覚悟と使命感は必要不可欠だし、
自己啓発の勉強や研究もしないと就く資格はないともいえよう。

今気になっている本。(昨日の書評欄に出ていた)
『朝昼夕3つのことを心がければOK! あなたの人生を変える睡眠の法則』
 菅原洋平〈著〉
 自由国民社 2012刊


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★東京国立博物館バックナンバーリスト
2013年3月 総合文化展(園城寺と武蔵鐙の文)
2013年3月 王義之展と円空展
2013年1月 東洋館リニューアル
2013年1月 美術館に初詣
2012年11月 特別展『出雲 聖地の至宝』と総合文化展
2012年10月 『中国 王朝の至宝』展
2012年9月 「流れ圜悟)公開
2012年7月 総合文化展
2012年4月 『ボストン美術館 日本の至宝』展
2012年1月 総合文化展
2012年1月 『北京故宮博物院200選』展
2011年11月 特別展「法然と親鸞」と平常展
2011年7月 総合文化展 
2011年5月 特別展「写楽」
2011年2月 総合文化展と平山郁夫展
2011年1月 総合文化展
2010年10月 平常展
2010年8月 トーハクの茶室見学ツアー
2010年8月 『中国文明展』と本館平常展
2010年5月 特別展『細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクションー』(後期)
2010年4月 特別展『細川家の至宝 珠玉の永青文庫コレクション』(前期)
2010年3月 没後400年 特別展「長谷川等伯」
2009年11月 『皇室の名宝展2』
2009年8月 「染付-藍が彩るアジアの器-」
2009年1月 『妙心寺展』
2008年12月 平常展
2008年11月 『大琳派展』
2008年9月 特集陳列「茶人好みのデザイン~彦根更紗と景徳鎮」
2008年8月 『対決 巨匠たちの日本美術』
2008年1月 本館の平常展
2008年1月 陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび-近衞家1000年の名宝」

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2 コメント

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茶花習いたい (ふくろう)
2013-05-13 11:00:40
茶花いいなあ
昨日、畠山の茶室で朝、数種の茶花を入れてる女性が居て、研究員の方が茶花名を聞いていたので、私も拝見してました。聞くところによると茶花を沢山育てて、ボランティアで時々色々な所に持って行き生けてるらしい・・・
沢山の花を育てるには旅行も行けないのでは?と質問をしたら、その時はやはり大変らしい
ついでに、畠山の講習会で室瀬和美さんの漆の話と「生・蒔き」実演
も拝見出来てよかった。室瀬さん素敵
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Re:茶花習いたい (akatsukian)
2013-05-14 21:25:15
ふくろうさん
畠山の展示室内の茶室の茶花、いつも季節のお花が品よく生けてますよねぇ。

室井さん実演、すごいなぁ。

最近は夜勤の影響か内向的になって、集まりが苦手になってます。
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