陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」
東京国立博物館平成館
※2月24日(日)まで
茶の湯とは関わりがないかと思ったら、そうでもなかった。
「名物裂に興味があるヒトにはいいョ」という情報をキャッチしたので、参考のつもりで足を運んでみた。
確かに、珍しい唐渡りの裂地がたくさん出ていた。
表装の裂地に使われている。
中の文字は何が書いてあるのか読めやしないけれど、一文字や中廻し、風帯の解説もあるので、れっきとした見どころナノダ。
唯一読めた軸が『身のうち茶』、江戸中期初め頃の後西天皇の筆。
そこから、近衞家熙さんの茶の湯の世界に続く。
大胆な表具の裂地の取り合わせに「ほーっ」。
ペルシャのモール裂やフランスの更紗もあって、驚いた。
仕服を解いて裂地として保管しているのも、如何に貴重だったかが窺えた。
茶道具一式にも「お公家さんのって、確かに雅だな」と感じた。
茶杓箪笥は中身が豪華だ。
利休から千家四代と織部や遠州まで、当時の有名茶人の作品を網羅し、何故か福島正則の作まであった。
天皇作のもあって、「当時は茶杓削りがブームだった?」なんて想像までしてしまった。
宋入(←宗入のことだと思われるが)作の楽茶碗があり、だいたいの時代背景の察しがついた。
池坊専好(←たしか二代め)の立花図巻や四季の花の画帖もよかった。
会場外のビデオ上映で、近衞家熙さんの懐石料理を再現したものを観たけど、ユニークで面白いし、現代と殆ど大差がない。
また、現在の主菓子を見た目にも綺麗で季節の趣向にも富んだ菓子にしたのは家熙さんと紹介されていて、感心した。
(虎屋文庫でもそんな話は聞かなかったぞー)
侘びだの雅だの或いは武家茶道だのと、利休没後は様々な流派に枝分かれしながらも、結局はお互いに"いいとこ取り"しながら現在の茶の湯に引き継がれてきたのだなぁと思った。
この展覧会の目玉はとりもなおさず藤原道長の直筆の『御堂関白記』だったわけで、それも観るには観たけど、私にとっての収穫は近衞家熙さんを知ったことかな。
これまでは茶道史の資料を読むにも、公家の茶道は興味がないから斜め読みしていたけど、帰宅後に読み返して、やっと理解できた。
★明日(1/20)朝9時からNHK教育『新日曜美術館』で『宮廷のみやび』展が取り上げられるので、関心のある方は必見デス。
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