いま甦る巨匠たちの400年の記憶
大エルミタージュ美術館展
ヴェネツィア派からモネ、ゴーギャン、ルノワール、ピカソまで
2006年10月19日から12月24日
東京都美術館
あまり期待しないほうがいいとのTakさんなどの前情報。でも混雑具合は一流でした。さすが「大」エルミタージュ展。ブランドに弱い日本人。
Ⅰ.家庭の情景、Ⅱ.人と自然との共生、Ⅲ.都市の肖像という構成。とっても難しい展示構成です。
Ⅰ.家庭の情景
作者不詳《聖母子》(1480年代ヴェネツィア派)、ボニファーツィオ・ヴェネローゼ《エジプトへの逃避途上の休息》(1530年代)のあとに
ルイ・ガレの小品《漁師の家族》(1848)
ギュスターブ・ド・ヨンゲJonghe, Gustave de(1829-1893)の《散歩のあと》(1860)、《窓辺の夫人(変わりやすい天気)》(1863)画像はこちら
など。
ルイ・ガレもギュスターブ・ド・ヨンゲもベルギー出身。ギュスターブ・ド・ヨンゲは初めて知りましたが、ポピュラーな絵を描く画家です。こちらのサイトには他のギュスターブ・ド・ヨンゲのオークションなど扱われた作品などがありました。
フランソワ・フラマンFrançois Flameng《18世紀女官たちの水浴》(1888);画像はこちら;
フランスのアカデミィックの画家。artcyclopediaを見る限り、Fine Arts Museums of San FranciscoやHermitage Museum以外では公共の美術館では大々的には展示されていないよう。
モーリス・ドニ《婚礼の行列》(1892);これは小品
ピエール・オーギュスト・ルノワール《扇子を持つ女》(1880);
マリー・ローランサンMarie Laurencin《アルテミス》(1908);画像はこちら
ピカソとマティスに影響を与えたのではないかと思うほどの曲線の美しさとシンプルさ。
参考:Picasso, Woman with Yellow Hair, 1931 Guggenheim Musuem(記録はこちら)
Ⅱ.人と自然との共生
クロード・ロラン《リュコメデス王の宮殿に到着したオデュッセウス》(1648)
ヤコーブ・ファン・ライスダール《森の中の小川》(1665-1670)
フランソワ・ブーシェFrançois Boucher《池のある風景》(1746)
フラチェスコ・グァルディFrançois Guardi《風景》(1775-1785);画像はこちら
グァルディの絵画の中でもロマン派的でした。初めです。
ポール・ゴーギャンPaul Gauguin《果実を持つ女(エウ・ハエレ・イエ・オエ》(1893)
フランソワ・フラマン《フォンテンブローの森でのナポレオンI世の狩り、1807年》(1898)ナポレオンの絵画がロシアにあるのも面白いですね。
パブロ・ピカソ《農夫の妻(全身像)》(1908);画像はこちら
農夫という画題もあって、強烈な印象的です。
Ⅲ.都市の肖像
アンリ・マティスHenri Matisse《リュクサンブール公園》(1901)
Henri Matisse, The Luxembourg Gardens, 1901 画像はこちら
アンリ・ルソーHenri Rousseau《リュクサンブール公園、ショパン記念碑》(1909)
Henri Rousseau, The Luxembourg Gardens. Monument to Shopin, 1909 画像はこちら
どちらもリュクサンブール公園だが、アンリ・マティスは、まだ駆け出しの頃の絵、それもセザンヌに影響を受け、フォービズムを確立する以前。アンリ・ルソーはスタイルを確立した晩年の絵。しかし、時代はほぼ同時代。この展覧会で一番興味深い展示でした。それにしても、昨年のプーシキン美術館(記録はこちら)のマティスの。《ブローニュの森の小道》(1902)。《金魚》(1912)。《白い花瓶の花束》(1909ca.)でもそうでしたが、ロシアには、マティスの初期の作品が多数ありますね。今回の《リュクサンブール公園》も少し、フォービズムの色調を感じたのは私だけでしょうか?1905年のサロン・ドートンヌの一室を、若い芸術家が描いた原色を多用した激しいタッチの絵を埋め尽くし、これを見た当時の批評家が「あたかも野獣(フォーヴ)の檻の中にいるようだ」と表現したのが始まりであるといわれるのですから、マティスもそのような絵画を描いていて当然ですが、この《リュクサンブール公園》(1901)を経て、《Femme au chapeau (Woman with the Hat)》(1905)(SFMOMA記録はこちら))にいたるという感じました。
参考 Henri Matisse, Woman with the Hat, 1905
画像は所蔵美術館へのSRCリンクです。
大エルミタージュ美術館展
ヴェネツィア派からモネ、ゴーギャン、ルノワール、ピカソまで
2006年10月19日から12月24日
東京都美術館
あまり期待しないほうがいいとのTakさんなどの前情報。でも混雑具合は一流でした。さすが「大」エルミタージュ展。ブランドに弱い日本人。
Ⅰ.家庭の情景、Ⅱ.人と自然との共生、Ⅲ.都市の肖像という構成。とっても難しい展示構成です。
Ⅰ.家庭の情景
作者不詳《聖母子》(1480年代ヴェネツィア派)、ボニファーツィオ・ヴェネローゼ《エジプトへの逃避途上の休息》(1530年代)のあとに
など。
ルイ・ガレもギュスターブ・ド・ヨンゲもベルギー出身。ギュスターブ・ド・ヨンゲは初めて知りましたが、ポピュラーな絵を描く画家です。こちらのサイトには他のギュスターブ・ド・ヨンゲのオークションなど扱われた作品などがありました。
フランスのアカデミィックの画家。artcyclopediaを見る限り、Fine Arts Museums of San FranciscoやHermitage Museum以外では公共の美術館では大々的には展示されていないよう。
ピカソとマティスに影響を与えたのではないかと思うほどの曲線の美しさとシンプルさ。
参考:Picasso, Woman with Yellow Hair, 1931 Guggenheim Musuem(記録はこちら)
Ⅱ.人と自然との共生
グァルディの絵画の中でもロマン派的でした。初めです。
農夫という画題もあって、強烈な印象的です。
Ⅲ.都市の肖像
Henri Matisse, The Luxembourg Gardens, 1901 画像はこちら
Henri Rousseau, The Luxembourg Gardens. Monument to Shopin, 1909 画像はこちら
どちらもリュクサンブール公園だが、アンリ・マティスは、まだ駆け出しの頃の絵、それもセザンヌに影響を受け、フォービズムを確立する以前。アンリ・ルソーはスタイルを確立した晩年の絵。しかし、時代はほぼ同時代。この展覧会で一番興味深い展示でした。それにしても、昨年のプーシキン美術館(記録はこちら)のマティスの。《ブローニュの森の小道》(1902)。《金魚》(1912)。《白い花瓶の花束》(1909ca.)でもそうでしたが、ロシアには、マティスの初期の作品が多数ありますね。今回の《リュクサンブール公園》も少し、フォービズムの色調を感じたのは私だけでしょうか?1905年のサロン・ドートンヌの一室を、若い芸術家が描いた原色を多用した激しいタッチの絵を埋め尽くし、これを見た当時の批評家が「あたかも野獣(フォーヴ)の檻の中にいるようだ」と表現したのが始まりであるといわれるのですから、マティスもそのような絵画を描いていて当然ですが、この《リュクサンブール公園》(1901)を経て、《Femme au chapeau (Woman with the Hat)》(1905)(SFMOMA記録はこちら))にいたるという感じました。
参考 Henri Matisse, Woman with the Hat, 1905
画像は所蔵美術館へのSRCリンクです。