愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

安倍首相国連演説で最も力を入れた女性の社会進出にちりばめられたスリカエと大ウソに大渇!4

2013-09-28 | 日記

つづき

6.最後は、女性問題です。

安倍首相は、いろいろな女性を例に挙げて、これらの女性の労苦を称え、アベノミクス成長戦略の正当性を強調し、4点にわたって売り込んでいます。ここでも「国内公約」をないがしろにして「国際公約」を述べています。しかし、この手法そのものが、安倍首相の姑息さ・ずるがしこさを浮き彫りにしました。 

そのポイントは、以下のとおりです。

(1)いわゆる「従軍慰安婦」問題で劣勢に回ったことを回避し、アベノミクス成長戦略を正当化することが最大のネライです。それは以下の発言に根拠があります。

第三に我が国は、UNウィメンはもとより、国際刑事裁判所、また、「紛争下の性的暴力に関する国連事務総長特別代表」であるバングーラ(Zainab Hawa Bangura)さんのオフィスとの、密な協力を図ります。憤激すべきは、21世紀の今なお、武力紛争のもと、女性に対する性的暴力がやまない現実です。(引用ここまで 

まず、安倍首相にとって、女性問題をとりあげるのであれば、いの一番に取り上げなければならない問題があります。それは「成熟したニッポン」「人権と自由と民主主義を価値観としていただくニッポン」の最大の恥部である「従軍慰安婦」問題です。ところが、この問題は三番目です。しかも、「21世紀の今なお」と他人事です。「20世紀」に、日本が国際法に違反して、戦争に「従軍」させ、「皇軍兵士」の「性的暴力」を女性に押し付けたことは不問に付していることです。だから、以下のような発言が出てくるのです。以下ご覧ください。 

韓国外相 慰安婦問題で日本に努力求める NHKニュース - NHKオンライン 9月28日 6時14分

韓国のユン・ビョンセ外相はニューヨークで行われている国連総会で演説し、「戦時中の性的暴力の苦痛は今も続いており、被害者の名誉を回復し痛みを和らげる責任ある対応が必要だ」と述べ、いわゆる従軍慰安婦の問題は法的に解決済みだとする日本にさらなる努力を求めました。韓国のユン・ビョンセ外相は現地時間の27日午後、日本時間の28日未明、ニューヨークで行われている国連総会で演説し、「戦時中の性的暴力の苦痛は今も続いており、被害者の名誉を回復し痛みを和らげる責任ある対応が必要だ」と述べ、名指しはしなかったもののいわゆる従軍慰安婦問題は法的に解決済みだとする日本にさらなる努力を求めた形です。この問題でユン外相は前日に行われた岸田外務大臣との会談で「解決に向け努力してほしい」と述べましたが、岸田大臣は法的に解決済みだとする日本の立場を説明したうえで「安倍総理大臣は筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々に心を痛めている」と述べていました。韓国の外相が去年に続いて演説で慰安婦問題に触れたのは、日韓関係の改善にはこの問題での進展が必要だとする立場を強調するねらいがあったものとみられます。(引用ここまで

安倍首相:女性の人権重視、表明へ 「慰安婦批判」背景−−国連演説毎日新聞 2013年09月22日 東京朝刊http://mainichi.jp/select/news/20130922ddm002010094000c.html

首相は今回の訪米で、女性の権利向上に向けた取り組みを訴える方針だ。国連演説では、紛争下で性的暴力に遭った女性を支援するため、国際刑事裁判所(ICC)の信託基金に資金供与する方針を表明。安倍首相夫妻主催で開かれるレセプションのテーマも「日本の再生〜女性が輝く社会の実現」で、女性の積極登用が経済成長の鍵を握ると国際社会にアピールする。欧米各国では日本に対し、女性の人権問題に関する疑念が広がってきた米国の地方議会で、旧日本軍の従軍慰安婦に関する非難決議が相次いで可決。安倍首相は過去、慰安婦強制連行に旧日本軍が関与したことを認めた「河野官房長官談話」の見直しに言及し、米政府に首相の姿勢を問題視する声もあった。日本政府関係者は「今回は現在と将来の女性の活躍について議論する場となるだろう」と語り、慰安婦問題について改めて説明する場にはならないとの見通しを示した。(引用ここまで

以上の日本政府関係者の「見通し」は国際社会に受け入れられるかどうか、大いに疑問です。

慰安婦問題;国連委が勧告 「日本の政治家が事実否定」 2013年5月31日

村山談話「継承」 安倍首相が軌道修正2013.5.16 01:20 安倍首相 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130516/plc13051601210004-n1.htm

しかも、あの橋下発言の背景には、安倍首相の行状について、あの橋下氏も、不満を漏らすほど、問題発言でした。しかし、橋下しの言動は国際的に理解を得られるものではありませんでした。しかし、橋下氏の判断ミスは、同調者と思っていた安倍首相が、スルッと軌道修正したことです。安倍首相に利用されたのでです。しかし、安倍首相の本質が「軌道修正」されることは絶対にありません。

その点で、本来、橋下氏の凋落は安倍首相が受けなければならなかったのですが、国内外の批判を一身に浴びたのは橋下氏でした。その結果、潮目が変ってしまって選挙で敗北したのです。しかし、同時に、慰安婦・靖国など真摯な態度表明という点で曖昧な、煮え切らない安倍首相の言動について、人権と民主主義という共通の価値観を持つ韓国から、話し合いをすら拒絶されてしまっているのです。

ここに安倍首相を擁護する日本国内のマスコミの果たしている犯罪的や役割が浮き彫りになりますが、対話ができていない最大の障害である歴史認識問題については、一言も、反省も謝罪もありません。改善もありません。ここに、今回の演説の最大のネライと恥ずべき問題があります。

それにしても、本来であれば、河野談話・村山談話の視点を述べ、対話を再開させる絶好のチャンスでした。この間の誤りを認め、その改善を「国際公約」すべきでした。しかし、全国戦没者追悼式式辞(平成25年8月15日)でもゴマカシたように、ここでも自分を正当化することに終始しました。侵略戦争認識について、国際社会からかけ離れている認識を保持している安倍首相は、その骨の髄まで腐りきっているということです。恥ずべきことです。

安倍首相の「従軍慰安婦」問題のスリカエと正当化については、以下記事にしましたのでご覧ください。

橋下氏を使って村山河野談話見直しを策謀する安倍政権!その安泰化と日米同盟深化・憲法改悪を狙う不道徳!(2013-05-28 23:47:08)

侵略戦争認識のない国会議員公務員は憲法尊重擁護の義務違反として辞職すべし!という世論を今こそ!(2013-05-23 23:55:47)

村山談話とは何かを検証し平気で憲法違反行為をする安倍自公政権と橋下市長・維新の会の侵略戦争認識を問う(2013-05-23 13:48:22)

慰安婦を売春婦として貶め性奴隷と認知せず国際社会の常識を無視する西村橋下石原は辞職しろの声を!(2013-05-22 12:46:36)

侵略戦争・慰安婦で平気でウソをつく安倍首相の政策にもレッドカードを突きつけ国益守る政権を今こそ!(2013-05-18 23:44:20)

またしても不道徳・茶番劇ぶりを見せた西川・中山慰安婦正当化質問と安倍政権の対応を批判しないマスコミ(2013-04-11 23:05:52 )

次は、女性の社会進出奨励と言うウソとデタラメです。安倍首相は女性の進出を以下のように位置づけています。

日本の地力を、その経済を、再び強くするところに始まります日本の成長は、世界にとって利得。その衰退は、すべての人にとっての損失ですではいかにして、日本は成長を図るのか。ここで、成長の要因となり、成果ともなるのが、改めていうまでもなく、女性の力の活用にほかなりません。世に、ウィメノミクスという主張があります。女性の社会進出を促せば促すだけ、成長率は高くなるという知見です。女性にとって働きやすい環境をこしらえ、女性の労働機会、活動の場を充実させることは、今や日本にとって、選択の対象となりません。まさしく、焦眉の課題です。「女性が輝く社会をつくる」――。そう言って、私は、国内の仕組みを変えようと、取り組んでいます。ただしこれは、ただ単に、国内の課題に留まりません。日本外交を導く糸ともなる(引用ここまで

ここでも、綺麗事です。しかも日本の多国籍企業の利益優先をめざすアベノミクス成長戦略の推進に女性を利用するというのです。更に言えば、女性を長時間過密・低賃金・無権理状態に置くことで多国籍企業の利益を保障することが世界のためと、大見得を切っているのです。厚顔無恥もはなはだしいと言わなければなりません。

それでは、安倍首相の甘い言葉と実態の乖離について検証してみます。


年金者組合 全国で不服審査請求へ/年金切り下げに抗議 2013年9月27日(金)

介護保険で大幅負担増/来年通常国会法案提出狙う/厚労省社会保障審議会2013年9月26日(木)

図録非正規労働者比率(パート·アルバイト·派遣·契約等の比率)の推移 ...

「求職」はしないけど…就業希望の女性303万人、7割強が非正規希望 2013.6.21 10:10 女性

15歳以上で働くことも仕事探しもしていない女性のうち、就業を希望する人は303万人に達し、71.9%が非正規労働を望んでいることが、21日に閣議決定された平成25年版「男女共同参画白書」で分かった。安倍政権は「女性の活躍」を成長戦略の中核に位置付けている。出産や育児を理由に離職した女性の労働力を取り込みたい考えだが、働き方の選択肢を増やすなどの環境整備が必要となりそうだ。内閣府は「子育て世代を中心に、非正規雇用を柔軟な働き方と考えている女性が多いのではないか」と分析している。総務省の労働力調査(24年)によると、15歳以上で働いていない女性は、仕事探しをしている失業者を除き2975万人。専業主婦などが該当し、このうち職探しはしていないが、就業を希望する人は303万人に上り、希望する就業形態は非正規のほか、正規雇用が17.1%、自営業が5.5%だった。(引用ここまで

非正規労働者、過去最多の1881万人  2013.8.13 19:20

正規と非正規を合わせた雇用労働者(役員除く)の総数は5198万人で過去4番目の水準に増えたが、正社員雇用は53万人減った。非正規の割合は1.7ポイント増の36.2%だった。

 非正規の男女別内訳は、男性が603万人、女性が1278万人。非正規の仕事に就いた理由は、男性では「正規の職員・従業員の仕事がない」との回答が最も多い168万人、「自分の都合のよい時間に働きたい」は111万人だった。女性は「家計の補助・学費等を得たい」が331万人と最多で、「自分の都合のよい時間に働きたい」が301万人と続いた。ただ、正社員の仕事がないことを理由に挙げたのは175万人で少数派だった。(引用ここまで 

安倍首相の強調する女性の社会進出を是とするならば、男女間の賃金格差解消に向けて、とりわけ男性の低賃金問題の改善も当然のこととして、更に言えば日本国憲法と労働三法を尊重して、その改善にどのように取り組むか、そのことが、まず問われなければなりません。

 

12年の民間給与平均、1万円減 2年連続で減少  09/27 17:49  【共同通信】

非正規労働の増加の原因は何か、「自分の都合のよい時間に働きたい」「家計の補助・学費等を得たい」という理由の奥底に何があるか、長時間過密労働、教育費の高騰、介護など、様々な要因は複雑に絡み合っていることを、どのように捉えるかです。とりわけ福祉政策の切捨て・貧困を原因とした経費の増大や介護のための休職や退職問題、企業の海外移転による国内雇用市場の縮小を原因とした総労働人口の増加による低賃金構造問題、すなわちワーキングプア問題について、安倍首相のアベノミクス成長戦略は無策です。

何故ならば、自公政権、民主党も、非正規労働による無権利状態を「規制緩和」としてつくりだしてきました。低賃金によって内部留保をシコタマ貯めてきた日本の多国籍企業の利益を保障してきました。このことは、この間の歴史を見れば明らかです。

東京新聞:非正規公務員(No.466) 3人に1人 官製ワーキングプア:生活 ...  2013年9月11日

働きがいの持てる非正規労働者の労働条件改善を全労連 ... - 国公労連   2012年5月7日

トヨタ総行動を展開 - トヨタは内部留保13兆円の一部を社会に還元せよ ...  2010年2月15日

アベノミクス成長戦略は、こうした破綻した政策を粉飾し、スリカエ、ゴマカシ、あたかも夢があるかのように振る舞いながら、新たな国民大収奪を目論むトンデモナイ政策と言わなければなりません。このことは大企業には経済対策と称して各種の減税で潤わせ、庶民には福祉削減と消費税で収奪し、その資金を減税のために、経済対策のために使うのです。このことも90年代初頭の「公共事業のために」として国債を大量に発行してきたこと、その結果がどうなったか、それをみれば明瞭です。

問題は、マスコミが、共産党を除く各党が、こうした歴史を検証していないことです


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