たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『ももいろのクレヨン』より_大人になること

2019年12月09日 23時12分50秒 | いわさきちひろさん






「四つ葉のクローバーを見つけると幸運がくるのよ。」



「電車にのっても、道を歩いても、

 だれも知っている人に会わないしあわせ。」


「ぼーっとして電車にのっていると、

 前にすわっている人たちが、ちょうどドーミエの絵のように、

 それぞれのおもしろい顔つきをしてならんでいます。

 どの顔にもその人の今までの生活や性格がにじみでていて、

 人の世に生きる哀感があふれているのに、
 
 今の私とはまったくかかわりあいがなくて、

 たんに画面のなかの人物なのです。

 あかるい春の光のなかを、

 電車は私までも絵のなかのひとつの点景にして走っていました。」


「草がぽしゃぽしゃはえていたり、

 青いりんごの色に暮れていく山なみ、

 むこうの丘に黒ぐろと消えのこっている松の群、

 日本の東北の山野のなつかしい草穂が、

 私の胸をうってせまり、

 すばらしい交響楽のゆたかな音のなかにいる時のように、

 私にはもう外のものはなにも聞こえないような気がしました。」


「大人というものはどんなに苦労が多くても

 自分の方から人を愛していける人間になること」

ももいろのクレヨン―大切なあなたへ
いわさき ちひろ
大和書房

 








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2 コメント

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ありがとうございます (ゆずりは)
2020-07-23 22:25:23
自身の記事を書いているときに
いわさきちひろさんの本が視界にはいって
落ち着きを取り戻した感じがあり

あらためて本のことを見つめなおしていて
こちらの記事へ辿り着きました

美術館へは一度だけ訪れたことがあります

私にとって こころの故郷なのかもしれません
ちひろさんのもとへ あいにいきたいです
コメントありがとうございます (たんぽぽ)
2020-07-24 15:33:42
ちひろ美術館で、ちひろさんが描いた絵と対話しているとき、ちひろさんが愛した庭を歩いているとき、ちひろさんがすぐそばにいてくれるような、ちひろさんが今も息づいているような感覚になります。

ちひろ美術館東京、現在は10時から16時の時間短縮で開館、事前にHPから来館者カードをダウンロードして当日提出するようになっています。気をつけながらまたちひろさんに会いにいきたいと思います。

安曇野のちひろ美術館も一度いってみたいです。

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