「小川のせせらぎ」週間、その第3日は、個性的美女ヒラリー・ハーンの「BACH Violin and Voice」(Deutsche Grammophon 477 8092)を楽しみます。ハーンは、2011年1月末から2月にかけての「小川のせせらぎ」週間に続いての登場。「BACH Violin and Voice」は、その表題のとおり、ヴァイオリン・オブリガートをともなう、受難曲、ミサ曲、カンタータのアリアや二重唱(ハーン曰く「ポリフォニー作曲家バッハの技巧的キモ」)ばかりで構成されています。主役はあくまでハーンなのでしょうが、共演のクリスティーネ・シェーファーとマティアス・ゲルネの、バッハのアリア・二重唱集とみることもできます。
さて、昨日の日中に、すでに半分(第1曲から第6曲)きいてみたのですが、かつてきいた協奏曲にくらべ、うまいぐあいに脱力しているように感じました。しかし、この録音のまとめ役はだれなのでしょう。共演するミュンヘン室内管弦楽団を指揮するアレクサンダー・リープライヒなのか、それともハーンなのか。ハーンの技巧はさすがなのですが、独唱者や指揮者とは、どれくらい意思疎通があったのでしょう。とくにシェーファーが不安定なので、なおさらそんな風に思えました。ハーン発案という好企画アルバムなのに、メダルを狙う競技者が予選で流しているようでもあり、ちょっとざんねんです。