[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督) (LOFT)↑]
マガジン9の記事【こちら編集部/沖縄戦から戦争のリアルを知る~映画『沖縄スパイ戦史』イベントレポート~(中村)】(http://maga9.jp/180627-2/)。
《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。
『●城山三郎さん「戦争で得たものは憲法だけ」
「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」』
『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…』
「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
前に、「平和の礎はあらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」
「沖縄タイムスの西江昭吾記者によるコラム【[大弦小弦]都内であった
試写会で、沖縄戦を描いた米映画「ハクソー・リッジ」を…】…。
《▼映画には住民の姿は出てこない。だが実際には、国家の暴走で
有無を言わさず戦争に巻き込まれ、命を落とした多数の無辜(むく)の民が
いる ▼旧日本軍は当時、全県民が兵隊になることを求めた。
まともな訓練さえ受けずに防衛召集で次々と戦場に駆り出された。
犠牲者の総数は軍人を上回る。沖縄は本土決戦を遅らせるための
「捨て石」だった》。」
『●「平和に関してどうにも鈍いアンテナしか
持ち合わせない大半の日本人に、沖縄の苦しみが響かない…」』
『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」』
『●「戦争のためにカメラを回しません。
戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」』
『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」』
『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」』
中山きくさんは《「戦争への罪悪感もなく、命の尊厳も理解できないまま、軍国主義教育の申し子らしく、なんのためらいもなく学徒動員に応じた」と記している…「戦争は体験してからでは遅い」》と。
城山三郎さんも、「戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない」と。
大田昌秀さんは、「軍隊は人を守らない」、そして、島袋文子さんは「基地を置くから戦争が起こる」と。
三上智恵さんは、「沖縄戦みたいなことはもう起きないと考えている人はいると思う。でも、私たちはあれがもう一回起きると確信している。軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる。この映画を先島諸島の軍事要塞化を止められるタイミングでこの映画を出さなくてはという焦りがありました」と。
「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」を、再び、現出させてしまっていいのか?
後半のビデオでは、澤地久枝さんの力強いスピーチ。後半の部の司会は鈴木耕さん。全体の司会は大木晴子さん。
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【http://maga9.jp/180627-2/】
こちら編集部
沖縄戦から戦争のリアルを知る~映画『沖縄スパイ戦史』イベントレポート~(中村)
By マガジン9編集部 2018年6月27日
マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開。公開に先立ち、6月3日に渋谷Loft9で公開記念トークイベントが開催されました。その様子をレポートで紹介します。
*
「軍隊は住民を守らない」
トークイベントは日曜日のお昼12時から。会場に到着すると、すでに客席はほぼ満員でした。若い人の姿もちらほらと見えます。最初に主催者の大木晴子さんが挨拶されると、第一部のトークとして、元陸自レンジャー隊員の井筒高雄さんのお話が始まりました。
ステージにあがったときに井筒さんが手にしていたのは、大きな日の丸の旗。実はこれ、レンジャー教育の試験に合格したときに、中隊長以下全員で寄せ書きをしたもの。もしレンジャー訓練中に死亡すれば、この旗が棺にかけられるのだそうです。ぎょっとするような生々しいエピソードから始めたのは、『沖縄スパイ戦史』で描かれている軍隊の考え方や戦争のシステムを伝えたかったから、と井筒さん。
PKOの役割や自衛隊任務の歴史的変化を示しながら、この25年の間で、私たちが気づかないうちに自衛隊は変貌し、どんどんと「戦争するための自衛隊」に向かっていると井筒さんは警告します。そして、トークのなかで何度も強調していたのが「もし戦争などが起きたときには、自衛隊は国民を守るものではない」ということ。「戦力にならない国民を守る余裕はない。それよりも基地や在日米軍を守る。国体を守るのです」と井筒さん。
また、自衛隊法103条では、「自衛隊の任務遂行上必要があると認められる場合には」、土地や家屋の使用、物資の収容、業務従事命令を行うことができることになっており、徴兵制がなくても一般の市民が徴用される可能性があることも指摘していました。
こうしたことを踏まえて、いまの沖縄・南西諸島での陸上自衛隊配備の状況を見てみるとどうでしょうか。三上さんが連載コラムで伝え続けてきていることですが、こうした場所は戦争が起こったときには攻撃対象にされる場所になるはずです。そのとき、島の住民はどこに逃げることができるのでしょうか――この「住民を守らない」という言葉は、映画『沖縄スパイ戦史』を観ると一層重く響いてくると思います。
イベントでは、大矢英代監督による三線と沖縄民謡の披露もありました。現在31歳になる大矢監督は、大学院生時代に波照間島に一年間暮らしてドキュメンタリー映像を制作したそうです。その後、三上さんと同じ琉球朝日放送に就職。フリーランスになったタイミングで、今作の制作にかかわりました。なぜ大矢さんが沖縄に関心を持つようになったかについては、近日中にマガジン9でのインタビューを公開予定ですので、詳細はそちらでお伝えしたいと思います。
「戦争や軍隊の本質を伝えたい」
さて、トークの第二部は、コラム「言葉の海へ」を連載中の鈴木耕さんを進行役に、三上さん、大矢さん、井筒さんによるクロストーク。なんと作家の澤地久枝さんも、国会正門前での「アベ政治を許さない」を掲げるアクションから駆けつけてくださいました。
「なぜ今作では沖縄内部の葛藤に踏み込んだのか」という鈴木さんからの問いかけに「軍国主義に飲みこまれたときに、一人ひとりがどう行動できるのか、できないのか、どうして住民が加害者になったり、大事な人を守れなかったりするのか。そこがわからないと次の戦争を止められない」と三上さん。
戦争中に多くの住民が罹患した「戦争マラリア」について大矢さんは、「陸軍中野学校出身者の命令によって、波照間島の住民が当時マラリアが蔓延していた西表島に移住を強いられた。米軍ではなく、日本軍の命令によってあれだけの被害がでた。そこに軍隊の本質が見えるんじゃないかと思って取材をしました。苦しみを抱えて語りたがらない体験者に、頭を下げて話を聞きました」と話します。
そして、井筒さんからは「監督は沖縄戦から今を学ぶという意図で映画を作ったのだと思いますが、思いきりダイレクトに『いま』のことだという感想をもちました。戦争の構造、理屈、住民が精神的にもどう徴用されていくのかが集約されている。これは基地を抱える地域の人に観てほしい。それから国会議員にも観てほしい。戦争の仕組みや本質と向き合ってほしいと感じた」というコメントもありました。
「沖縄戦みたいなことはもう起きないと考えている人はいると思う。でも、私たちはあれがもう一回起きると確信している。軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる。この映画を先島諸島の軍事要塞化を止められるタイミングでこの映画を出さなくてはという焦りがありました」(三上さん)
*
『沖縄スパイ戦史』は、7月21日より沖縄・桜坂劇場、7月28日より東京・ポレポレ東中野ほか、全国で順次公開予定です。試写でひと足早く本作を観ましたが、戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿を、観終わったあとも何度も自分に重ねながら思い出しました。つらい記憶を話してくれた人たちの、その言葉を聞いた責任を未来に向けてどう果たすことができるのでしょうか。
(中村)
『沖縄スパイ戦史』劇場予告編
(https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY)
●こちらもあわせてご覧ください。
・イベント動画
(前半)
(https://youtu.be/mpRHwJ-eJZs)
(後半)
(https://youtu.be/rH8h0PtbWBM)
・連載コラム「言葉の海へ」
第32回:『沖縄スパイ戦史』、すごい映画を観た!(鈴木耕)
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[※ 三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]
マガジン9の鈴木耕さんのコラム【風塵だより 鈴木耕/115 強権政治の黒いさざ波…】(http://www.magazine9.jp/article/hu-jin/33148/)。
《国民はみんな忘れているかもしれないが、日本では現在も「原子力緊急事態宣言」は解除されていないのだ。福島原発事故は、いまもなお続いているということだ。「原子力緊急事態」下にあるのに、原発を再稼働しようなどとは、泉田さんだけではなく、ぼくにだって狂気の沙汰に見えるのだが、政府も電力各社もそうは考えないらしい。哀しいほど異常な国だと思う…いまのこの国で何が問題なのかが仄見えてくるだろう。そう、中央政府と地方自治との、抜き差しならぬせめぎ合いだ》。
《官邸の発する強権政治の荒波は、いまや地方へ同心円を描きながら波及し始めている。それは、逆らうものは容赦なく潰すという「脅し」のさざ波となって、全国を覆う》。
《首相官邸の極右路線がそのまま地方に波及…》。
『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている
変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…』
《民主主義と地方自治を踏みにじるなら、司法の正義は失墜する》
『●最「低」裁による辺野古破壊訴訟のデタラメ:
「国と地方は対等という地方自治の精神を踏みにじる判断」』
『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」
…「政治判断」しかできない司法の悲劇』
《衆院憲法審査会は二十日、「国と地方の在り方」をテーマに学識者を
招いて参考人質疑を行った。国民主権や地方自治を憲法でどう実現
するかという議論の中で、四人の参考人全員が、沖縄県に米軍基地
負担が集中し、政府と対立する現状を問題視。それぞれ異なる道筋を
示しながら、沖縄の自治権強化を求めた》
デンデン王国「裸の王様」アベ様の人治主義国家になって久しい。法治主義国家でもなく、民主主義国家でもない。アベ様のあらゆる「政」の酷さは目もあてられない。《民主主義と地方自治を踏みにじる》アベ様の「政」の典型例は、沖縄破壊。プレ「平成の治安維持法」など、やりたい放題。それでも、内閣支持率は高く、壊憲のためなら何でもやることを宣言しても、何も起きないニッポン。(岸井成格さん、『サンデーモーニング』2017年5月7日)「どんどん好機到来…危機を煽れば何でもできる」、とデンデン王国「裸の王様」は思っているらしいのですが、それでもアベ様を崇拝し続ける与党・自公や「癒」党・お維支持者たちのオメデタサ。もう、ウンザリ。《かくして、自粛の波は全国に波及する。…ああ、イヤな世の中だなあ……。共謀罪が成立すれば、事態はもっと息苦しくなるだろう。…なにからなにまで真っ暗闇よ、筋の通らぬことばかり……。そんな世の中にさせてはならない》。本当に、そうだ。
『●鈴木耕さん、核発電人災等々々々々々…
「自民党内閣だったら解決できただろうか。とてもそうは思えない」』
『●柴田鉄治さん「キナ臭さが一段と増した年」、
マスコミから失われる「ジャーナリズムの義務」…な1年』
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【http://www.magazine9.jp/article/hu-jin/33148/】
2017年4月26日up
風塵だより
鈴木耕
115
強権政治の黒いさざ波…
このところ、さまざまな方にお話を伺う機会が続いている。どなたも、闘っている方たちだ。屈せずに闘う理由をじっくり聞けば、そこから今の世の中の歪みが見えてくる。
3月28日には、泉田裕彦前新潟県知事のインタビューに同席させてもらった。詳しい内容は第113回で書いているので、ぜひそちらをご覧いただきたい。
国民はみんな忘れているかもしれないが、日本では現在も「原子力緊急事態宣言」は解除されていないのだ。福島原発事故は、いまもなお続いているということだ。
「原子力緊急事態」下にあるのに、原発を再稼働しようなどとは、泉田さんだけではなく、ぼくにだって狂気の沙汰に見えるのだが、政府も電力各社もそうは考えないらしい。哀しいほど異常な国だと思う。
4月6日、東京都国立市の元市長で旧知の友人である上原公子さんをお訪ねした。ノンフィクション作家の山岡淳一郎さんが上原さんにインタビューするというので同行させてもらったのだ。
上原さんは「景観条例」という言葉を全国の自治体に知らしめた首長として一躍有名になった方だが、そのことで、なんともひどい裁判の犠牲になってしまった。
上原さんは市長選立候補に際して、国立市の有名な桜並木(大学通り)の景観を壊しかねない高層マンションの建設阻止を公約とした。高い建物がないことで保全されてきた桜並木や周辺の景観を市の大事な財産だと考える人たちが市民グループを結成、それを実現してくれる市長として、上原さんを候補として押し上げた。
つまり、上原さんは市民グループの意志に基いて「景観を守る」という公約を掲げて立候補、当選したのである。決して上原さん個人が、自分の利益を追求しようとして「高層マンション建設」に待ったをかけたのではない。しかし、最高裁は結局、建設会社から出された損害賠償請求と、それをめぐる上原さんの2代後の市長や一部の反上原の市民の請求を取り上げて、上原さん個人に約4500万円の支払いを命ずるという、途方もない判決を下したのだ。
市民の意見を公約として「景観条例」を作ったことが、市長個人の私利私欲のためとされるならば、地方自治体の首長たちは、新しい施策や政策を、とても怖くて実施できないことになる。
この最高裁判決が、地方自治の破壊にどれほど手を貸すことになるのか、判事たちは考えたのだろうか?
この詳しい中身は「デモクラシータイムス」の動画で、ぜひご覧いただきたい。
同じく4月17日には、現世田谷区長の保坂展人さんにお会いした。
これは、ぼくがインタビュアーになって、保坂さんから「共謀罪」についての見解をお聞きしようとした企画だ。
保坂さんは、かつて3期にわたって衆院議員の職にあった。そのときに「共謀罪」が上程されようとしたのだ。あの熱狂的人気を誇った小泉純一郎首相の時代である。保坂さんは当時「国会の質問王」と呼ばれるほど、多くの質問や疑問を、委員会の場で政府に突きつけた。
だから「共謀罪」については、多分、現在の議員のどなたよりも詳しいだろう。11年前に出版した『共謀罪とは何か』(保坂展人、海渡雄一共著、岩波ブックレット、480円+税)は少しも古びておらず、最近緊急増刷されたばかりだし、最近出版された『「共謀罪」なんていらない?! これってホントにテロ対策?』(斎藤貴男、保坂展人、足立昌勝、海渡雄一、山下幸夫共著、合同出版、1400円+税)は、自民党が姑息な手直しで再提出してきた「共謀罪」のデタラメさを、徹底的に批判している。
そんな保坂さんのインタビューは今週の「マガ9対談」に掲載されている。動画にもリンクしているので、ぜひ参考にしてほしい。
4月23日には、東京・新宿のロフトプラスワンで「山城博治さんと語ろう」という催しがあった。なぜかぼくが司会役を依頼されて、山城さん、三上智恵さん(『標的の村』『戦場ぬ止み』『標的の島 風かたか』などの映画監督)とのシンポジウムを開いた。当日は、最近ではこの会場では珍しいという超満員。主催は、大木晴子さんたちが頑張っている「新宿西口反戦意思表示・有志の会」。
ようやく釈放されたばかりの博治さんは、沖縄のこと、辺野古のこと、逮捕のいきさつ、拘置所暮らし…を、ユーモアをまじえ、歌まで披露しながら話してくれた。会場は、爆笑と真剣な怒りと、そして山城さんの醸し出す柔らかで温かな雰囲気に包まれた。
そこへ、福島瑞穂さんや元自衛官の井筒高雄さんも飛び入り参加。すごい盛り上がりとなった(この様子も、もうじき動画配信されるはず)。
ぼくが最近お会いした方たちのことを書いてくると、いまのこの国で何が問題なのかが仄見えてくるだろう。そう、中央政府と地方自治との、抜き差しならぬせめぎ合いだ。
泉田さんも、上原さんも、保坂さんも、そして沖縄の山城さんも、安倍政権と真っ向から対峙してきた方たちだ。それは、首相官邸の意向を地方へ押しつけて意に従わせようということへの地方の側の抵抗であるともいえよう。
だが残念ながら、その抵抗が弱まっていることも確かだ。官邸の発する強権政治の荒波は、いまや地方へ同心円を描きながら波及し始めている。それは、逆らうものは容赦なく潰すという「脅し」のさざ波となって、全国を覆う。
最近、そんな事例がやたらと多い。
◎内閣府のホームページの中央防災会議の報告書から「関東大震災時の朝鮮人虐殺」についての記述が削除された(これは報道された後で、復活)。
◎福井県庁前での反原発アピール行動に対し、県が自粛するようにと市民団体に文書で要請、市民側は県庁を訪れて抗議。
◎金沢市では、市民団体「石川県憲法を守る会」が憲法施行70周年記念集会を市役所前広場で開きたいという使用申請を提出したが、金沢市が「中立性の確保」を理由に不許可。
◎群馬県立近代美術館で展示予定だった「朝鮮人犠牲者追悼碑をモチーフにした作品」(白川昌生さん制作)が、同館の指導で解体されたという。
以上は、最近のほんのわずかの事例であるが、首相官邸の極右路線がそのまま地方に波及して来ているとしか思えない。とくに「憲法記念日の催しについては、全国各地で同じような例が複数起きている。
「政治的に偏った主張を伴う催しには、自治体の会館や部屋の使用を許可できない」というリクツなのだ。
だが、例えば「憲法を守れ」というのが、なぜ「政治的に偏った主張」なのか? 日本国憲法第99条を持ち出すまでもなく、公務員には「憲法擁護義務」がある。むしろ、市や自治体が主催して「憲法擁護集会」を行うべき筋合いのものだ。
憲法については護憲派と改憲派の対立があるとしても、「憲法を守れ」という集会に会場使用不許可とするのは“絶対に”間違っている。むろん、改憲派の集会であっても会場を使わせることはかまわないとぼくは思う。
ただし、改憲派に「憲法擁護は公務員の義務であるから、憲法を変えろという主張は憲法擁護義務に違反するので、会場は貸せない」というような公務員が出てきたら、ぼくは大拍手で誉めてやるけれど。
会場使用や作品掲示を不許可にするのは、ほとんどが「市民からの抗議」を恐れてのことらしい。そう、ここでも“市民”である。しかし、ほんの10本ほど、ときには呆れたことにたった2、3本の抗議電話で使用許可を取り消す例もあるのだ。
こうなると、まさに流行りの「忖度」を飛び越えて「斟酌」であり、もっと言うと「脅え」だ。多分、地方の役人さんたちは、こんなふうに考えるのではないだろうか。
政府(むろん安倍政権)のお気に召さなければ、上司へどんなお叱りが来るか分からない。その結果、自分にも災いが降って来るかもしれない。それに、安倍支持者の方々によって“炎上騒ぎ”にもなりかねない。それなら、危ない橋は渡らないほうがいい。とりあえず、使用は断ろう…。
かくして、自粛の波は全国に波及する。
座頭市のセリフじゃないけれど
ああ、イヤな世の中だなあ……。
共謀罪が成立すれば、事態はもっと息苦しくなるだろう。あの小林よしのり氏でさえ、25日の衆院法務委員会に参考人として出席。「思想表現の自由を妨げ、物言えぬ世の中になりかねない」として、共謀罪には強く反対した。
鶴田浩二も歌っていた。
なにからなにまで真っ暗闇よ、筋の通らぬことばかり……。
そんな世の中にさせてはならない。
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琉球新報の【<社説>山城氏拘束3カ月 国際批判招く人権侵害だ】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-429605.html)。
《那覇地方裁判所、那覇地検は国内外からの「人権侵害」の批判を深刻に受け止めるべきだ》。
「警察国家」の最「低」裁の下、「政治判断」を繰り返す情けない司法。アベ様の言いなりではないか。
《「必要性のない拘束」であり「政治的表現を制限するもの」》で、《恣意(しい)的な逮捕、拘束》であり、《3カ月に及ぶ身体拘束は、判決を上回る刑罰に等しい》。判決前から、既に「刑罰」。(「政治判断」を繰り返す情けない司法では、あり得ないでしょうが)無罪の判決が下った場合、どう償うつもりか?
『日刊ゲンダイ』は、《反対運動つぶし》《国策捜査》《狙い撃ち》と言います。そして、『琉球新報』は《政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害》《警察国家》と指摘していましたし、今回の社説でも、《「反対運動を萎縮させる」政治弾圧》《独裁的な国家が反対派を黙らせる常とう手段》だと言います。
「国際人権法」「国際人権規約」違反であり、また、《人権後進国》どころか、人権の無いアベ王国です。法治主義国家ではなく、アベ様による人治主義国家。「ト」なトリマキはアベ様の顔色をうかがい、過剰に忖度し、そして、アベ様のお気に召すまま、恣意的に、やりたい放題なニッポン。
またしても、「恥」を世界に発信・拡散。世界の心ある人々から、蔑みの目で見られるわけです。
それにしても、「本土」マスコミの静かなことよ。それどころか、東京MXテレビ「ニュース女子」問題なんてのも起こる始末。
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
『●番犬様=米軍「拉致被害者」を
アベ様達が「逮捕」ってどういうこと? 本当にバチアタリな人たち』
『●アベ様らによる辺野古破壊・沖縄差別、
「対立激化で県民にケガ人が相次ぐ異常事態」』
『●沖縄平和運動センターの山城博治さん…
イジメ・見せしめな「反対運動つぶし」「国策捜査」「狙い撃ち」』
『●『琉球新報』は「警察国家」と指摘…「反対運動つぶし」
「国策捜査」「狙い撃ち」な山城博治さん「拉致」』
《家族の面会すら認められず、靴下の差し入れも拒まれた》…そんな「非道」な中、東京新聞の記事【辺野古反対派リーダーに靴下差し入れ 主婦の言葉が警察動かす】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017011802000124.html)というニュースが目につきました。《勾留が続いている沖縄平和運動センターの山城議長は今、東京都世田谷区の主婦大木晴子(おおきせいこ)さん(68)が差し入れた靴下を拘置所で履いている。靴下の差し入れは当初、警察が自殺防止を理由に拒んでいたが、「病後の山城さんには必要」と、大木さんが粘った成果だ》。
大木晴子さんの取り組みに頭が下がる思いです。
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【http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-429605.html】
<社説>山城氏拘束3カ月 国際批判招く人権侵害だ
2017年1月19日 06:02
那覇地方裁判所、那覇地検は国内外からの「人権侵害」の批判を深刻に受け止めるべきだ。
米軍北部訓練場のヘリパッドや辺野古新基地建設の反対運動の先頭に立つ山城博治 沖縄平和運動センター議長の長期拘束に対する抗議と釈放要求が相次いでいる。
釈放を要求する国内外4万人の署名が地裁に提出された。英字紙ジャパンタイムズに寄稿があり、「人権後進国」が発信される事態となった。
山城議長は逮捕後の身体拘束が3カ月に達した。がんを患い病状悪化が懸念されるが、家族の面会すら認められず、靴下の差し入れも拒まれた。政府は「靴下の差し入れが認められない事例はない」と不当な対応を認めている。
家族によると「昨年12月の血液検査で白血球値が下がり感染症の恐れがあり、腕立て伏せで体を鍛え納豆を口にしている」という。
山城議長の公判は3月以降とされる。これ以上、勾留が長期化すると、さらに体調の悪化が危惧される。那覇地検、地裁は必要な医療や健康維持に留意した上で、早急な釈放を判断すべきだ。
ジャパンタイムズに寄稿した米国の弁護士で明治大特任教授のローレンス・レペタ氏は、山城議長の長期拘束を「国際人権法」および、日本も批准する「国際人権規約」に反すると指摘している。
山城議長はヘリパッド建設現場で有刺鉄線1本を切った器物損壊容疑で逮捕され、別件の逮捕、起訴を含め拘留が長期化している。
レペタ氏は刑法学者らの指摘を踏まえ「このような微罪が仮に有罪となっても刑務所収監には至らない」と疑問視する。3カ月に及ぶ身体拘束は、判決を上回る刑罰に等しいと見ているのである。
国内の刑法学者らは個別事件では異例の「釈放要求」声明を出した。共通するのは「必要性のない拘束」であり「政治的表現を制限するもの」との批判である。
いずれも基地反対運動の中心人物を長期拘束することで「反対運動を萎縮させる」政治弾圧の意図を疑っている。
レペタ氏は山城議長の長期拘束を国際人権規約に反する「恣意(しい)的な逮捕、拘束」と見なし、「独裁的な国家が反対派を黙らせる常とう手段」になぞらえている。
山城議長の人権侵害の批判は、警察、検察、司法を従わせ、民意を力でねじ伏せる政府の横暴に向けられていると知るべきだ。
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