ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

日本のいちばん長い日 決定版    半藤一利

2021-08-29 00:41:22 | Book

本当に長い2日だった。

「終戦」を決定し、その宣言を天皇が行う。

8月14日正午から、15日正午まで、「天皇のお言葉」を国民に知らせるという

前代未聞の展開は、スムーズにいったわけではない。

そこには、数え切れないほどの人々が関わっているわけで。

まず軍人たちの抵抗と阻止。そこを治めてゆくことの困難さ。

ラジオ局における「天皇の御言葉」を放送までに無事に保管しておくこと。

それまでは軍人が戦争の先陣にいたわけで、しかも天皇の下に。

その天皇が「終戦」を全国民に、ラジオを通して「宣言」するわけで。

 

それでも、天皇の決意を軍人たちは受け入れた。

けれども、受け入れられない軍人のなかには、自ら命を断つ者もいる。

あの時代の「命」ってなんだろう?

 

これは、国民は誰も知らない間に決められ、実行された「天皇の終戦宣言」だったわけで、

そのお言葉を国民はどのように理解したのだろうか?

その後では、「戦争裁判」が行われ、兵士たちの帰国、「引揚者」の帰国、などなど、

ほとんどアメリカの力によるものだったろう。

 

「戦争」ほど、馬鹿馬鹿しいものはない。始まりも終わりも。

半藤一利氏は、このような著書を沢山残して下さいました。感謝致します。

 

2006年 第一刷   2021年 第31刷  文藝春秋刊


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