ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

百人一首我流解釈 56~60

2023-06-12 19:37:57 | Poem

56

あらざらむこの世のほかの想ひ出に

いまひとたびの 逢ふこともがな (和泉式部・生没年不詳)

 

私はほどなく死んでしまうでしょう。

あの世への思い出にもう一度だけお逢いしとうございます。

57

めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に

雲がくれにし 夜半の月かな (紫式部・九七〇~一〇四頃)

 

式部が久し振りに幼馴染に会って、積もる話をしたかったのに、

瞬く間に帰ってしまった。まるで雲に隠れた月のように。

 

58

有馬山猪名の笹原風吹けば

いでそよ人を 忘れやはする (大弐三位・九九九頃~没年未詳)

 

はじめの「五・七・五」は「いでそよ」に繋ぐための序詞と思われる。

「いで」は「さあ!」ということ。「そよ」は風音ではなくて、「そこが肝心な

ことです。」ということ。貴方を忘れることはできませぬ。

 

59

やすらはで寝なましものを小夜更けて

かたぶくまでの月を見しかな (赤染衛門・生没年未詳)

躊躇うことなく寝てしまえばよかったのに。こうして西にかたぶくまでの

月を見てしまいました。

 

60

大江山 いく野の道の遠ければ

まだふみもみず 天の橋立 (小式部内侍 生年未詳~一〇二五)

 

小式部内侍は「和泉式部」の娘で「小式部」という女房名で呼ばれていたらしい。

この歌は、両親が丹後国に行っている時に、「歌合せ」があり、ある男から「お母さんがいなくても大丈夫?」とからかわれた時に歌ったもの。


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