ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

戦争は女の顔をしていない スヴェトラーナ・アレクシェーウ“ィチ

2021-03-04 13:45:07 | Book

スヴェトラーナ・アレクシェーウ“ィチは1948年ウクライナ生まれ。

2015年度のノーベル文学賞受賞。

彼女の本を読むのは、これで2冊目となる。1冊目は「セカンドハンドの時代・赤い国を生きた人々」だった。この2冊の本に共通することは、彼女の徹底した膨大で丁寧な取材である。そして、彼女の国では「戦争」に若い女性たちが深く関わっていたということだった。実戦にも参加していた。

この本は、兵士として、ナチス・ドイツ対ソ連の戦争に、自ら志願した若い女性たちの戦争記録である。その女性たちは特別な女性ではない。その彼女たちを戦争に駆り立てたものは何だったのか?

スヴェトラーナ・アレクシェーウ“ィチは、そのたくさんの女性たちに粘り強い取材を試みて、その言葉を丹念に記録した一冊です。気が遠くなるようなお仕事です。これに対して感想など書けない。ただ読むだけだ。無心に。

 

以下引用。(引用したいところは沢山あるのですが・・・・・。)

『戦線にいた時、私がまたハイネの詩を読むことができるなんて思いもしませんでした。大好きだったゲーテの作品とか。ワグナーの曲も我慢できなかったでしょう。私の家は音楽一家でした。ドイツ音楽が好きだったんです。バッハやべートーベンが、偉大なバッハ!そういうことの全部を自分の世界から消し去りました。それから、私たちは火葬場を見ました。アウシュビッツ収容所を。山と積んだ婦人服や子供用の靴。灰色の灰。そういう灰が畑でキャベツやサラダ菜の肥料にされたんだ・・・・・私はもうドイツ音楽が聴けなくなりました。私がバッハをまた聴けるようになるまで、モーツアルトも弾くようになるまで長い年月がかかりました。』

『ハイネの詩集を手にすることができるようになったのは戦後何十年もしてからです。それと、戦前好きだったドイツの作曲家のレコードも。』

引用終わり。

これはほんの一部で、スヴェトラーナ・アレクシェーウ“ィチの取材姿勢は尋常ではないのだ。

脅威である。


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