めまい

(１９５８／アルフレッド・ヒッチコック監督／ジェームズ・スチュアート、キム・ノヴァク)

---

　ある犯人を追っている時に、自分が高所恐怖症であることを知ったスコティ(Ｊ・スチュアート)は、自分を助けようとして同僚が落死した事もあり、責任を感じて警察を辞めてしまう。

　そんな彼の所に昔の学友から連絡があり、妻の素行調査を頼まれる。浮気調査ではなく、彼女の曾祖母が精神に異常をきたして自殺した例を出して、最近様子がおかしくて心配だから調査して欲しいと言われる。

　その人妻マデリン(Ｋ・ノヴァク)を尾行している途中、突然彼女はサンフランシスコ湾に飛び込んでしまう。マデリンを助けたスコティは、自宅に連れ帰り介抱するが、気がついた彼女と話をするうちにその美貌の魅力にとりつかれる。

　その後、尾行ではなく、多重人格かと思わせるような言動を繰り返すマデリンの相談にのっているが、ついに彼女は教会の鐘の塔より飛び降り自殺をしてしまう。

　スコティは、友人の妻であり、恋人であったマデリンが目の前で自殺したショックで、重いうつ病になり入院するが、退院後街でマデリンにそっくりな女性を見かける。そして、彼女に近づいていく・・・。

　何回かＴＶで見かけたが、通して観たことはなかった。今回、ビデオを借りてじっくりと観たが、ヒッチコックの作品群では中位の出来ではないかと思う。
　前半はいわば、観客をも騙しているわけで、スコティがマデリンの悩みを聞いているところや、うつ病になった後などは、緊張感が少しゆるんだようになる。スコティの後半の行動も、今風に言えばストーカーもどきで、前半との人格の違いにちょいと首を傾げたくなる。

　ジェームズ・スチュアートは好きな俳優だが、キム・ノヴァクはそう美人とは思わないから、そちらでもめまいはおきませんでした。

・お薦め度【★★★＝一度は見ましょう】