Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

SCOTの「シラノ・ド・ベルジュラック」

2012-03-27 | 映画・テレビ・演劇・芸能

 3月末と言うのに、またまた雪が降りましたね。25日(日)は霰が降るやら、陽が射すやら、訳の分らぬ荒れ模様の一日でした。

 その日、高岡文化ホールで、SCOTの「シラノ・ド・ベルジュラック」公演があり、観に行ってきました。文化ホールの公演の1,000円補助券を使わずにいたので、ちょうど持って来いでした。
 SCOTとは、言わずと知れた鈴木忠志さん主宰の劇団です。36年前に利賀村での演劇活動を始められました。腰を落としたまま歩く鈴木メソッドを取り入れた独特の演出で知られています。今までも、利賀山房や野外劇場で数回演劇を観ました。車椅子の「リア王」が印象に残っています。最近では、同じこの文化ホールで「エクソダス」を観ました。

 さて、「シラノ」は日本では人気のある演劇、「白野弁十郎」と言う翻案ものも聞いたことがあります。「鼻のシラノ」と言われる、この純愛物語はなぜか私の性に合わず、今まで 観たことがありません。1度は観てみたい、まして、SCOTならどんな舞台になるのだろう?と興味津津でした。(トップ写真はステージ…ネットより) ↓は、ホール入り口とポスター
        

        

 あらすじ:原作は、フランスの劇作家エドモン・ロスタン。
 鼻が大きくて醜いシラノは、従妹ののロクサアヌを愛していたが、彼女は美貌のクリスチャンを愛していた。シラノは自分の想いをロクサアヌに伝えるため、クリスチャンの恋文を代筆し、ロクサアヌは、その恋文の素晴らしさにクリスチャンを深く愛するようになる。
 やがてクリスチャンは、ロクサアヌが愛するのが自分ではなく、シラノの書く恋文であると知り、自ら望んで戦死する。クリスチャンが死んだために、ロクサアヌは尼寺に入る。シラノはロクサアヌを訪ねるが、その時シラノがクリスチャンの最後の手紙をそらんじて読み上げるので、ロクサアヌは自分が愛していたのはシラノだったことを悟る。(パンフより) ↓はシラノとロクサアヌ(ネットより…初台の新国立劇場にて)。

 何と言っても、鈴木氏の演出がユニークでした。ロクサアヌのセリフまわしは、歌舞伎のよう。5人の兵士たちは、明治維新の頃の侍のような衣装。器械体操のような所作とかけ声は、不気味な雰囲気。また、5人の芸者たち・女中たちは和服と洋服を折衷したような衣装をつけ、あの独特の、コサックのような歩き方、つま先から床に着ける歩き方が見事に決まっています。音もなく静かに、素早く、登場し、退場する、セリフはないが、重要な役回りです。
 ロクサアヌへの自分の想いを、美しい言葉を連ねて告白するシラノ。よどみなく朗々と、歌いあげるように。

 そして、所々で流れる音楽が、ヴェルディの「椿姫」。「乾杯の歌」や他にもよく聴きなれたアリアの旋律が高らかに響き、否が応でも感情が高ぶります。鈴木メソッドに圧倒され通しでした。言葉では上手く言えないので、You Tubeをコピーしました。短いので開いてみてください。 (初台の新国立劇場にて)

http://www.youtube.com/watch?v=yJN6sXCMqKQ

 利賀村は南砺市になり、この公演も南砺市が共催です。開演前に中学生が列を作っていたので、どこから?と尋ねると井波中学校の2年生とのこと。この悲恋に泣く「男の心意気」が理解できただろうか?


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なは)
2012-03-27 14:40:47
清姫様
SCOT 、鈴木忠志も聞いたことはあるけど見たことがありません。シラノの話を知っているくらいです。
なかなか面白そうですね。演劇も取り上げ方や遣り方によってほんとうにびっくりするくらい変りますね!
この「シラノ・・」も、歌舞伎のようとか明治維新の侍のような衣装とか、器械体操のような動きとか、よくも色々考えられるものですね!
コピー見ました、本当に不思議な世界なのですね!和風のよう洋風のようそして洋楽が入り、
最後の場面がまた泣かせるものだったのかしら?と。最後に人の心を打つものはやはり心のなのか!など。鑑賞(?)しました。
Unknown (清姫)
2012-03-27 14:58:30
なはさん
利賀山房で観た「リア王」にはビックリしました。夜、野外劇場で観た○○(題名は忘れました)の時は、花火が上がりました。途中、雨が降り出し演ずる者も観る者もびしょ濡れ。
ちょっと異様な演出なのですが、なんか魅力があるのですよ。
Unknown (風子)
2012-03-27 22:35:20
清姫さん
多分これを観劇されたのでしょう、イギリス出身の方がフェースブックでとても良かったとおっしゃっていましたよ。

Unknown (姫)
2012-03-27 23:47:47
このポスターは何度見たことがあります。
が、服装からして、そのまま日本のものに置き換えてやるのだろうと、軽く思っていました。
さすが、清姫さん。ポスターで見たいと思われたのですね。
ユーチューブ見ました。
何がなんだか分かりませんが、ユニークな演出ということは分かります。統一された動きと・・
Unknown (清姫)
2012-03-28 07:55:35
風子さん
さすが、世界のSCOTだけあって外国の方を何人か見かけました。
国際交流協会の方ですか?良かった、との感想は頷けます。
井波中学校も団体で来ており、わからなかった部分もあるでしょうが、事前学習もしているだろうし、若い頃に観たものはいつかはな開く(?)と思いました。
Unknown (清姫)
2012-03-28 08:12:10
姫ちゃん
利賀へ何度か行っているので、毎年案内が送られて来ます。利賀へはそうそう行けませんが、最近文化ホールで上演されるようになりました。
youtubeでははっきり分かりませんが、女優さん達の歩き方が独特です。
能は、かかとから床に着ける足運びをしますね。
鈴木メソッドは、つま先から着けて歩きます。床の上を滑るように…。5人そろって舞台上を縦横に動くと、見事ですよ。
初めての「シラノ」、いろんな演出があるのだろうけど、面白いものを観ました。
Unknown (なは)
2012-03-28 15:44:34
清姫様
中学生だから、と言わず何でも見ておくと後でもう一度見たいとか調べたいとかに為るかもですね。大人になってから「うなづける」ことが沢山有るのもいいかもですね。
ユーチューブのコピーもまた見ました。鈴木さんの演出は只者ではないのですね!
利賀の劇場は見ましたが、演劇は車に乗れない私には無縁でした。でも、いろんなのが着ている、遣っているとだけは気になっていました。
高岡だったら行けますね。
最近は利賀では遣らなくなったのでしょう。惜しいですね!
Unknown (清姫)
2012-03-28 18:19:46
なはさん
そうですね。私も戦後の城端で、映画や音楽やいろいろなものに学校から連れて行ってもらいましたよ。
今は利賀では8月に世界演劇祭が催されます。
バスも出ているし、宿泊もできるようです。でも、なかなか行けませんけど。
だぁら、文化ホールの公演はとび付きました。佐○○さんと山○さんを誘いました。
今日、「サッチャー」を観ました。またアップしますね。
Unknown (なは)
2012-03-29 17:21:47
清姫様
今も利賀で世界演劇祭があるのですか。ちょっと注目したいです。私でも解りそうなのがあったら、見にいけるかも?です。
今だったら自由に動けそうです。
いいこと聞きました。ありがとう。
Unknown (清姫)
2012-03-30 08:49:42
なはさん
夏の演劇祭は、毎年案内が送られて来ますが、なかなか行けません。
バスに乗り、一泊で行くと観光も兼ねてゆっくりできるかも。また、お知らせしますね。楽しみが一つ増えました。
能登演劇堂からも、届きますよ。それもまたお知らせしますね。

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