旅館とホテル、ホテルでもシティホテル・ビジネスホテル
など、我々庶民が利用する宿泊施設は明確な区別も
ないし、設備・サービスも多様化していて、その都度
戸惑うことが多くなった。
かなり以前でどこのホテルかもう覚えていないが、カード
キーを使わなければ室内の照明がつかないホテルに泊まって
以来、ドアを開けると、まずその必要があるかどうか確か
めるクセがついた。
数年前、岡山のホテルではカードキーを夫の分と2枚渡され、
最上階の大浴場利用の際、カードキーで男女入室の区別が
されていると説明を受けた。
男性はこちらのキーで男湯のドアを、女性は・・・うんぬんと。
フロントマンはやっかいだな~という表情で説明したが
あっさり受け取ったら「ここは以前にもお泊りでしたか?」
と聞いてきた。
「いえ、初めてですけど」と言った。いわゆるビジネス
ホテルでは、中高年の観光客は招かざる客で世話が焼けると
思いこんでるのかも・・と思った。
夜、最上階の浴場に行ったら、ドアの前で30代くらいの
女性客が、呼び出されて駆けつけた係員から説明を受けて
いた。
ふん、年寄りでなくても、戸惑う人は戸惑うのヨ・・。
2月に泊まった新横浜の某ホテルは、カードキーを
わたされただけで、何の説明もされず、部屋への
案内もなかった。ここはビジネスホテルだった!?
一応シティホテルの範疇だと、こちらは勝手に思って
いたけれど、ベッドカバーなども、体裁のよい”端切れ”で
うまく演出して、経費節約の苦肉の策が窺える。
熾烈な価格競争下では、さもありなん。
ここでは初めて暗証番号式のセイフティボックスに
ご対面。
使ってみるか・・と説明書通りにいくらやっても、
文字化けしたような表示になる。
フロントに電話すると、使い方の説明で済むと
思ったようで、係りのおねえさんがまず手ぶらで
やって来た。
「申し訳ありません、電池が切れかかってました」
で、単一のでかいのを数個とドライバー持参で再び登場。
「申し訳ありません。先日、業者が入って、電池ボックス
の仕様を変えてしまっていたので、このドライバーでは
使えないので、別なのを持ってまいります」
今度はマイナスドライバーを持ってきて、セイフティ
ボックスの前に屈みこんで十数分格闘して、やっとこさ
電池交換してくれた。
そうだヨ、電池でモーター(?)が作動して
閂がかかるような音がして、初めてロックされた
手ごたえがあるんだよネ。
分らないうちは、入力ミス・操作ミスとばかり
思ってしまうわサ。
それでも慎重に何も入れないで、まず試して使おうと
したのは正解だった。いきなり電池が切れたりして
取り出せなくなったら、もっとパニクったかも。
翌日、チェックアウト後、結婚式があったので、
今度はフロントのセイフティボックスを利用した。
ここでも通された部屋に暗証番号を設定するボックスが
並んでいた。鍵2個で施錠するやり方は、もう旧式
なんだと知る。
旧共産圏のプラハのホテルでは、フロントで、目の前に
ただの布袋を差し出されて、これに入れろと言われて
目が点になったのを思い出した。牧歌的すぎる~!!
フロント内で施錠し保管するのだろうが、
戻ってきて受け取るまで不安だった。
とっさに封筒に入れてあったパスポートだけにして
お金は預けなかったけど。
先日行った高山の宿は古い旅館で、
が狭くてがっかりした。
歩いて数分のところへ、昨年オープンしたスパホテルの
展望露天風呂付
が利用できるからと温泉手形を
くれたので、翌朝朝食前にテクテク歩いていった。
フロントで、わたしにだけメモをくれた。
暗証番号が書いてあって、それで女性用
の
ドアを開けて入ってくださいと。男性側にはないようだ。
9階の展望露天風呂は超気持ちよく、面倒がらずに
入りにきた甲斐があった。
泊まった宿はアクリル棒のついた旧式のキーだった。
で、そこと提携しているスパホテルが最新設備で
あまりに対照的なのが、なんとなくおかしかった。