宅配再配達の件・・・聴覚障碍者の立場から

最近問題になっている宅配再配達の件については、私は心が痛い。

なぜなら、家の中では補聴器を外していることの多い私には、インターホンはほとんど聞こえないから。

補聴器という代物は、話をしたりするときには重宝するが、家事をするときには邪魔になる。

まず洗い物をするときの水の音がうるさい。掃除機の音もうるさい。とにかく何でもうるさいのである。

補聴器は音を拡大して聞かせてくれるから、人の話し声はいいのだが、それ以外は騒音拡大器になる。

だから、補聴器は必要なとき以外は外しているのであるが、それがこのような玄関のインターホンを聞き逃すことになるのだ。

そのため、以前は、人がくると大きな音で知らせてくれる機器を玄関に設置して、家じゅうの何か所かにアラームを設置していたのであるが、裏側のというか表側というか、とにかく隣接したマンションの住民の方からうるさいと苦情が来て、全部外してしまった。

隣接がマンションでなければ、それほど音がうるさいところまでいかないかもしれないが、仕方ない。

という事情で、現在は夫が家にいるときはいいのだが、そうでないときの配達はお手上げだ。

再配達していただくことは申し訳なくて仕方ないが、自分の努力だけではどうしようもない。

聞くところによると、再配達の労を省くため、宅配便受け取り箱設置が進められているらしいが、それが一般化されたら、ぜひ購入させていただきたいと思っている。

障害があると、自分のせいでなくても、人に迷惑をかけてしまうことは多々ある。

この宅配便再配達も、その一つと言えるだろう。

　　悪意などあらぬが聞こえぬ耳持てば人に迷惑かけることは多々ある　　biko

　　工夫して暮らしてをれど再配達避けられなくて謝るばかり　　biko

　　申し訳なく思へども無くしたる聴力戻ることはあらざり　　biko