神鳴り(アメジストネックレス)

難聴ゆえに家居の好きな主婦です。過去、心臓弁膜症、大腸がんの手術を受けました。趣味は短歌です

旧いイタリア映画『旅情』を観て

2018年03月12日 08時03分33秒 | 映画
録画して観ていなかった映画『旅情』を朝飯前(笑)に観た。

もう何度か観た映画だが、観るたびに違う感慨をもつ。

今回は、この映画のどこが名画かと思いながら見た。

まず、主役のキャサリン・ヘップバーンが日本人の私の目から見て、
全然魅力的でない。

とうの立った年増にしか見えなかった。

実際、この映画撮影のころの彼女の年齢は四十七、八歳だったらしい。
それが三十八歳の年齢を演じたのだから、ここらあたりから無理だった。

その年齢の女優が、はしゃいだりするのだから、痛々しくて見ていられない。

同じヘップバーンを名乗るオードリー・ヘップバーンと比べて雲泥の差だ。
というと、言い過ぎになるだろうか?

せめて、彼女の理知的な持ち味が生かせていればよいのだが、
ストーリーの展開がおざなりで、こんな安っぽい恋愛ってあり?
と疑問に思えた。

お膳立てが安っぽいのだ。

それでいて、のち恋仲になる男性に対して、つっけんどんすぎる。

自分に目を注いでいた男性とはいっても、単に近くの座席に座っていた見知らぬ男性に、
これほど邪見にするというのは、エチケットをわきまえたレディのすることではない。
と思う。

その意味で、最初から受け入れられなかった。

それなのに、その後の展開が安易すぎるのだ。

現在なら、こういう安直な展開のストーリーだと視聴者も感情移入しにくいと思う。

と辛口コメントになってしまったが、

ただ個人的には、
十数年前に母と甥ふたりの四人でイタリアに旅行したときのベニスが
つぶさに見られたのだけは収穫だった?

*

・ハイミスの女性の恋の物語『旅情』を観たり反発しつつ

・もう少し綺麗な女優を起用してほしいと思ふハイミスといへ

・つんつんとするそのわりに簡単に恋に落ちるを訝しみ観る

・唯一の救ひはイタリアべネッティア描かれてゐる映画の画面

映画「沈黙」の字幕上映館一覧

2017年02月16日 14時09分56秒 | 映画
さきほど私と同じ聴覚障碍者の方のブログで、いま話題の映画「沈黙」の字幕上映館を知ったので、読みに来てくださる聴覚障害者の同士の皆様にお知らせします。

『沈黙」サイレンス 上映館

私は映画館とかパチンコ店のような空気の淀んでいる場所に入ると吐き気を催すので、たぶん行かないと思いますが、聴覚障害者の方々でも観たい方は多いと思いますので。

  沈黙は遠藤周作原作の映画で字幕つきもあるらし  biko

ローマの休日

2013年12月05日 15時05分58秒 | 映画
昼食後、もう数え切れないほど何度も見た「ローマの休日」を見た。

が、いつ見ても感動する。

オードリー・ヘップバーンの美しさは言うに及ばず、ストーリーの展開といい、要所要所の会話の面白さといい、いうことのない映画だと思う。

モノクロの映画なのに、カラー映画より華やかに感じるのは、これもヘップバーンの魅力のなせる業なのだろう。

女性の私ですら、これほど嵌ってしまうのだから、男性がとりこになってしまうのは、もう仕方ないと思う。

この映画を見ていると、作り物だとは分かっていても、ヘップバーンを現実の王女様のように錯覚してしまう。

もうこれ以上の映画は、今後も作ることができないのではなかろうか。

シャレ-ド

2013年11月29日 19時09分55秒 | 映画
急に寒くなった。

冬になると、よく映画を見る。それも映画館に行くのではなく自宅でリバイバルを楽しむのだ。

映画館に行くことはあまりない。というのが、私は映画館とかパチンコ屋の空気はその臭いを嗅いだだけで吐き気を催すから、映画が終わるまで座っていることができない。これは小学生時代に一度、気分が悪くなって映画館で嘔吐してしまったトラウマが関係していると思う。

見るのは主に洋画。洋画を見るのには理由があって大概字幕つきであること。難聴の私にはうってつけというわけだ。

が、それだけの理由ではなく、ミーハーみたいだが、西洋人の容姿、態度がわれわれ東洋人より魅力的に見えるということもある。

かてて加えて、これも以前書いたことだが、亡父が洋画好きだったことも影響している。

今日の午後は、もう何度も見た映画だが、録画したあった「シャレード」を見た。



いつ見ても、オードリーヘップバーンは魅力的だ。清楚であり、かつユーモアを醸し出す才能も備わっている。

彼女の映画は何度見ても見飽きるということがない。

新しい人生のはじめかた

2013年11月25日 14時01分59秒 | 映画
今日は雨。

夫は、仕事で滋賀県に出かけた。

私は一人なので、昼食後、録画してあった映画を見た。

邦題は「あたらしい人生のはじめかた」。

英語の原題は ”Last Chance Harvey"だから、「ハーヴェイの最後のチャンス」。

ダスティン・ホフマンの演じるハーヴェイ・シャインとエマ・トンプソンの演じるケイト・ウォーカーの中高年の男女のラブ・ストーリーだ。                                     



邦画ではこういう中高年の恋愛をテーマにしたものは少ないが、洋画では時々見かける。

人は、最初から老人だったわけではない。

若い男も若い女も等しく年をとるのだ。

そのとき、恋愛をしてはいけないという世の中であれば、老後は限りなく寂しいだろうと思う。

連れ合いをなくした中高年の男女にも恋愛の可能性は残しておくべきだと私は考える。

ダスティン・ホフマンもエマ・トンプソンも達者なアクターなので、リアルな映画だった。

あなたになら言える秘密のこと

2013年08月12日 19時57分17秒 | 映画
録画してあったスペイン映画「あなたなら言える秘密のこと」を見た。

戦争で心に傷を負った女性が、ある男性を介護することでだんだんと心を開いていくストーリーだった。

単純に要約するとそういうことだが、心に傷を負ったというより、体に傷を負って、それが心の傷になっているのだ。それも、自分の身体のみならず、戦時に彼女同様、暴行されていた友人(=彼女よりさらに過酷な暴行を受けていた)を助けることができず、死なしめてしまったことに対する悔しさが彼女の深い心の傷の源になっているのだ。

一方介護される男性は、働いていた海上にある石油採掘所で大やけどを負ってしまっていた。

その大やけどの原因というか遠因は、彼が夫ある女性と不倫の関係になって、その夫がそのことを悲観して自殺しようとする。彼は、それを助けようとして受けたやけどだった。

彼も、そういう意味では心に傷を負った人間だった。が、同時に、人に傷を負わせてしまった人間ともいえるのだけれども・・・。

非常にシリアスな映画で見るほうも暗い気持ちになってしまうが、それだけリアリティのある作品だったともいえる。

いろいろ考えさせる、感じさせる映画だったと思う。

主役のハンナ役のサラ・ポーリーの、傷ついて心を閉じた女性の演技、相手役の患者、ジョゼフ役のティム・ロビンスの患者の演技は、いずれも秀逸だった。

が、ただ一つ、難聴者で補聴器を使用している立場から言わせてもらうと、ハンナは難聴で補聴器を使用しているのだが、補聴器を付けたとたん、健聴者と同様の行動をとれるところに違和感があった。われわれ難聴者は、補聴器を付けたからといって、近視の人がめがねをかけたときのようには自然にふるまえない。たとえば、ハンナが石油採掘所の屋上で、コック役の男性と並んでブランコに乗りながら会話する場面があった。が、難聴者なら、いくら補聴器をつけていても、まったく相手の口元を見ないで会話をするのは難しいし、ほかにも、不自然な場面を散見した。補聴器というのは補助器具で、万全の役目の果たせる器具ではない。そこのところは健常者には理解の及ばないところかもしれない。

健聴者に難聴者の実態を知ってもらうことは、まだまだ道が遠いと思った。


なおスペイン映画ではあったが、全編、会話は英語だった。

華麗なるアリバイ

2013年04月24日 19時59分02秒 | 映画
NHKBSで放映されたアガサ・クリスティの「華麗なるアリバイ」を録画して見た。2008年製作だから割合新しい映画だ。

録画して観るのは、アガサ・クリスティの作品は複雑なので、ストーリーが理解できないときに繰り返し観るためにである。が、この「華麗なるアリバイ」は、それほど複雑ではなかった。



アガサ・クリスティの作品のドラマ化、映画化されたものは、外国の田舎の景色、邸宅などが見られるのも魅力である。この映画も、プールつきの邸宅が舞台で、登場人物たちの軽妙な会話もおもしろかった。


映画「アイリス」

2013年03月23日 19時25分10秒 | 映画
録画してあった映画「アイリス」を見た。ジーン・アイリス・マードックは実在した小説家、哲学者で、1919年にアイルランドで生まれ、1999年に亡くなっている。

1956年に6歳年下のジョン・ベイリーと結婚して、アイリスが晩年認知症になって死ぬまで、夫は献身的にアイリスに尽くしたらしい。

この映画は、そのアイリスの晩年の姿を夫の側からの視点で描いた映画である。



映画の中での科白で、アイリスの、「人は生まれる前から知っています、あるべき姿を。正義や節度、美、あらゆる輝かしい美徳です」の言葉が印象に残った。

「その記憶をたどって理想に近づくのです」

晩年の2人の姿に挿入される若い頃の2人の映像が、映画に奥行きを与えていた。

「君も言葉が好きだろう?」

「言葉は思考だわ」

                *

いい映画だった。

刑事コロンボ

2013年03月02日 22時40分08秒 | 映画
最近またNHKBSで、土曜日の午後、「刑事コロンボ」を放映している。

私は、ほかの映画等と同様、いったん録画しておいて、まとまった時間がとれたときに見ている。

私は、昔からこのドラマが大好きだった。といっても、子育て真っ最中の頃には、きちんと向き合って見る余裕はなかったけれど・・・。

内容は殺人事件のトリック明かしがメーンだが、どぎつさがなく、難解なゲームを解く手順を見せてもらうような面白さがある。

主演のコロンボことピーター・フォークの垢抜けない風采がまたいい。その垢抜けなさが格好いいのだ。

われわれ女性は意外とああいう泥臭い男が好きである。泥臭いようでいて頭の切れ味は抜群であるし、押し付けがましくない正義感がある。愛する女性は奥さん一人というのもいい。

コロンボに比して犯罪を犯す側の人間は、たいがい見た目かっこよくて利己主義な人間だ。犯罪の陰に不純な関係の異性が見え隠れする。犯人は、社会的に恵まれた人間である場合が多いが、自分だけがいい思いをしようとする野心があるから、その野心が犯罪に手を染めさせてしまうのだ。そこらあたりの設定が実にうまい。

このドラマに描かれている建物その他はゴージャスそのものであるが、しかし時代がかっている。つまり古臭いのだ。そのレトロな感じが、われわれの世代には郷愁を覚えさせるところがあって、またいい。

気持ちが沈んでいるときも、このドラマを見ると、不思議と心が和む。

「グランドホテル」

2013年01月24日 09時53分15秒 | 映画
録画してあった映画「グランドホテル」を見た。往年のホテルのハイソサエティの様子のうかがわれる映画だった。


             グレタ・ガルボ

それにしても、昔の女優さんたちの、何とエレガントなことか。ただ美しいだけではない。

グレタ・ガルボしかり、ジョーン・クロフォードしかり。2人とも1905年の生まれなので、私の母方の祖母と同い年だ。

この映画は、私の母方の祖母が母を始め3人の子育て真っ最中の頃に作られている。母は7歳だった。


             ジョーン・クロフォード

若かった祖母や幼かった母は、その頃どんなだっただろうと思いながら鑑賞した。

ミス・マープル

2013年01月10日 17時24分54秒 | 映画
録画してあった「ミス・マープル」の「ポケットにライ麦を」を見た。

私は字幕の付く洋画が好きだ。が、これは、いわゆる字幕つき洋画ではなく、吹き替え版に字幕をつけたものだった。

だから字幕つきが好きというより、ヨーロッパの景色や邸宅の出てくる洋画が好きというべきだろう。洋物かぶれみたいだが、白人も好きだし、英語も好きだ。

これは、亡父の影響が大きいと思う。

子どもの頃、父は、よく映画に連れて行ってくれた。ほとんど洋画だった。まだ字の読めない頃は、どこが面白いのかさっぱり分からなかったが、ロマンティストでハイカラ好きの父に、いつのまにやら影響されたのだと思う。

偶然、昨年亡くなった義母も、大変な洋画好きであった。実は、2人は、学校こそ違うが同学年だったし、血液型も同じAB型だった。ここらあたり何か関係しているのだろうか。

義母は晩年、認知症になっても、旧い洋画の出演者は、ほとんど記憶していた。繰り返し見ているから、字幕を見なくても喋っていることが理解できると言っていた。義母は、プロポーションも、日本人離れした八頭身であったが、それを引き立てる、おしゃれな服、帽子もたくさん持っていた。近所の人達や子供の友達のお母さん方には、いつも「垢抜けしたお姑さんですね」といわれていた。

実は、亡父のほうは、敗戦後、一時期失職していた時期があったらしいが、その頃は進駐軍の通訳をしてしのいでいたという。今にして思えば、父も洋画から英語を習得していたのかもしれない。

ところで、話は「ミス・マープル」に戻るが、誰かに似ていると思いながら見ていて、はたと思い当たった。滋賀県知事、嘉田由紀子氏に似ていないだろうか?^^

並べてみるので、見比べていただきたい。^^




「望郷」

2012年12月21日 13時28分06秒 | 映画

録画してあったフランス映画「望郷」を見ました。

舞台はアルジェのカサバ。主演はジャン・ギャバン。1937年製作の黒白映画。

ヨーロッパ映画は、この映画に限らず、ハッピーエンドで終わらないところがリアルでいい。

なかなか渋い映画でした。

五月のミル

2012年08月12日 13時05分27秒 | 映画
数日前に観た「五月のミル」という映画に嵌っている。

私は、BS放送の映画は録画しておいて、まとまった時間のできたときに観るのが常だ。

この映画も、夫が出かけた午後、何気なく観た。たいしていい映画とも思わなかった。

ふだんは観た片端から録画を消していくのだが、夫にも見せてやろうとそのままにしておいた。そして、夜、もう一度観た。夫は、いつも通り、途中から居眠ってしまったが、私は、とりつかれたように、もう一度最初から最後までを観てしまった。

もう一度観せる力がこの映画にはあったかというと、そうではないと言わざるを得ないであろう。。確かにフランスの田舎の景色や古色蒼然とした屋敷は魅力的であった。しかし、それだけなら、とっくに消去してしまっただろう。

主人公は、私の夫と同年輩と思しき初老の男性である。その母親が心臓発作を起こして死んでしまう。その後、その男性の娘一家、弟夫婦、弟の息子、姉の娘などが葬式と遺産目当てでやってくる。

実は、そこらあたりの状況が、現在の我が家の状況と酷似しているのだ。

遺産争いの話はよく聞く。サスペンスドラマなどでも定番のテーマだ。

だが、裕福でもない我が家に、そんなことが起こるとは、実のところ思っていなかった。

ところが、現在起こってしまっているのだ。財産の過多は大して問題ではない。要するに少しでもたくさんもらおうと皆やっきになるということだ。

この映画も、そういう巷の現実を下敷きにして、作られた映画なのだろう。

現在、細切れの時間を利用して、3回目を観かけている。

この映画のように、最後は、何事もなかったように、元に戻ることを期待しながら。

イギリス映画

2012年05月30日 13時21分45秒 | 映画
今週は、BSでイギリス映画の特集をしている。

月曜日が「いつか晴れたら」、昨日の火曜日は「日の名残り」だった。

アメリカ映画はハッピーエンドで終わる映画が多いのだけれども、イギリスに限らず、ヨーロッパ映画は、総じてそうではない。少し暗い感じはするけれども、現実の人間生活は、必ずしもハッピーなばかりではないので、こちらのほうがリアリティがあるといえばいえるだろう。

「日の名残り」は執事と女中頭が主人公の映画なので、地味ではあるが、いろいろ考えさせてくれる映画であった。召使いとはいっても、彼らがいかにプライドを持って仕事をこなしているか、また彼らの仕事ぶりから、イギリスの古きよき時代のハイソサエティの生活が窺われて興味深かった。