特待生と野球留学

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他人事?

2007年06月14日 | 憲章見直し

何をおっしゃりたいのか理解不能です…。発言しているのは、 “発祥の地”岩手県高野連の藤沢義昭理事長です。なお、05/22付の記事ですので、「日本高野連東北地区選任理事を兼務」と書いてありますが、05/25の人事で理事から評議員に“降格”されています(おそらく東北6県の持ち回りなのでしょう)。

河北新報>揺れる特待制度 私はこう見る(1)大人こそ憲章順守を
(リンク先はGoogleのキャッシュ)
―現場では憲章の見直しを求める声が強い。
 「憲章は金品の授受を禁じた13条など、順守すべき点が非常に多い。だが、時代に合わせ、手直しする部分は当然出てくる。議論の余地はある」
―裏金問題や特待制度問題で、高校野球への信頼が揺らいでいる。

 <略> 
 「野球界もサッカー界のように、プロがアマ選手育成のため、資金援助することも必要だ。ハイレベルな技術を持ったプロ選手には次世代の人材を育てる義務もあるはず。今回の問題を機に、プロを頂点としたピラミッド型のよりよいシステムを構築してほしい」

「金品授受を禁じた13条は順守すべき」と、「プロが資金援助することも必要」とは、相容れないものです。

資金援助ができないように規定しているのが13条なのですから、資金援助を求めるなら、13条は見直さざるを得ないわけです。逆に、もし13条が順守すべきものであれば、資金援助を求めることは憲章違反を誘引する発言になります。

「プロ選手には次世代の人材を育てる義務がある」と一方的に言われたのでは、(元)プロ選手もいい迷惑でしょう。プロが技術指導できないように縛っているのは、学生野球憲章です。指導して責任を問われるのは、プロではなく指導された側です。それがわかっているから、誰も手を出さないのです。

「義務がある(のに果たしていない)」のは、どっちでしょうか? プロに人材を育てる義務があると言うなら、憲章の制約を撤廃すればいいだけのことです。まるで他人事のような“評論”ですが、藤沢氏は当事者です。高野連様の理事なり評議員とは、皆さんこの程度の弱いオツムしかお持ちでないのでしょうか?

一番最後の「プロを頂点としたピラミッド型」は、もっとも重大な発言です。本当に「プロを頂点」としていいのですね、と問いかけたくなります。アマが「プロを頂点」とすることを嫌がってきたからこそ、プロは(表面上)アマを立てて一歩引いているわけです。

プロを頂点としていいのなら話は簡単です。Jモデルをそのまま持ち込めばいいわけです。私がわざわざ「ユースではなく社会人で」と主張するのは、プロを頂点としたくない勢力に受け入れられやすいと考えるからです。

本当に高野連様が「プロを頂点とするピラミッド」を容認するのであれば、話はトントン拍子で進むでしょう。5年で片付くかもしれません。シニアやボーイズに異存があろうはずはなく、社会人も乗れます。軟式も乗れるはずです。残すは大学だけです。