七十二侯中第四十七侯「蟄虫培戸(すごもりむしとをとざす)」という字をデザインして書きました。
「蟄虫培戸」は9月28日から10月2日までをさします。
人間にとって、ようやく秋らしくなってきたかな、という気候で、冬の訪れなどはまだまだ遠いものですが、虫たちにとっては冬ごもりの支度を、と感じるようです。
虫たちにとって最大の危機である冬をどのように越すかということは大問題です。昆虫はたまご→幼虫→さなぎ→成虫という変態をしますが、種によって冬越しの仕方が違っています。
カマキリやバッタは卵を産んで成虫は死んでしまいます。卵で冬越しをする昆虫です。
カブトムシやセミは幼虫で冬越しをします。どちらも土の中で寒さをしのぎます。セミは冬だけでなく何年も土の中で幼虫時代を過ごすことが知られています。
モンシロチョウやアゲハはさなぎで冬を越します。エネルギー消費の少ない形で冬越しをするのは、食物を摂取できない冬を乗り切るのに合理的であると言えます。
成虫の姿で冬越しをする昆虫もいます。ミツバチやテントウムシがそうです。巣の中で、あるいは木のうろで、石の裏などで身を寄せ合って過ごしています。テントウムシやカメムシなどがびっしりと集まっているのを見たことがありますが、もっと暖かいところがあるだろうに、と思いました。暖かすぎると体が活動を始めてしまい、エネルギーを消費してしまうのだそうです。わざとやや寒いところで過ごしているのも戦略なのですね。
どこで、どういう形で冬を越すかを調べてみると、それぞれの昆虫の知恵が見えてくるような気がします。