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(天声人語)ひしゃげたバスの惨事

2016-01-16 09:57:28 | 旅行
朝日デジタルより転載

天声人語
(天声人語)ひしゃげたバスの惨事

2016年1月16日05時00分

 当たり前のことに、言われて気づくことがある。〈次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く〉。歌人奥村晃作さん(79)の幾つかの歌は、乗り物や交通を詠んで印象深い。こんな一首もある。〈運転手一人の判断でバスはいま追越車線に入りて行くなり〉▼長野県飯田市生まれの奥村さんは、東京からいつも中央自動車道の長距離バスで帰省した。バスはぐんぐんスピードを上げて追い越していく。あるとき、運転手に一切を任せているという当たり前のことに気づいて詠んだと、ご本人からお聞きした▼そんな、ふとした不安が、軽井沢の惨事では現実になった。スキーツアーの若者ら乗客は、まどろみの中で運転手にすべてを預けていたであろう。東京を深夜に発ち、翌朝には白銀のゲレンデを滑る予定だった▼旅行業者は価格を競う。うたい文句が割安から格安、さらには激安へと派手さを増して久しい。その陰で、譲れぬはずの安全が脇へ押しやられてはいなかったか。ひしゃげて無残な車体はもう、目的地に着くことはない▼4年前、群馬の関越道で7人が亡くなったバス事故は記憶に新しい。31年前には長野で、スキーバスがダムに転落して大学生ら25人が死亡している。つらい教訓は、有効に生かされてきたのだろうか▼今回の原因はまだわからないが、いきなり前途を絶たれた人と遺族の無念に胸が詰まる。最高のサービスは道中無事に送り届けることに尽きるはず。不安と道連れの旅に、格安も激安もない。

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