復興支援 石巻谷川浜ボランティア
ニュースの森教科書より転載
結局は減額?政府が年金給付額の抑制について具体的な検討を開始
政府は、年金の給付額抑制に乗り出す方針を固めた。現在のマクロス経済スライド制を見直し、少子高齢化に合わせて確実に給付額を抑制できるようにする。年金維持可能性に関する報告書が出た直後だけに、波紋を呼びそうだ。
日本の年金は賦課方式とよばれ、個人が積み立てた年金を受け取るのではなく、現役世代が高齢者世代を負担するというシステムになっている。このため、現役世代が減少すると、年金財政が苦しくなるという特徴がある。
年金は物価水準に合わせて上昇するが、このままでは現役世代の負担が過大になってしまう。こうした状況を回避するため、現在ではマクロ経済スライド制という仕組みが導入されている。これは現役世代の減少や寿命の伸びに合わせて給付水準を抑制するというものである。
この制度を具体的にどのように変更するのかについて政府は明らかにしていない。だが年金給付額について、物価動向に関わらず、毎年一定割合で減らしていく内容であることは間違いない。
厚生労働省は2014年6月4日、公的年金の長期的な財政見通しを発表したばかり。女性の社会参加や年金運用の高い利回り実現という条件付きながらも、政府が目標とする現役世代の収入の50%給付が実現できるとしていた。
だが、一部の専門家からは前提条件が楽観的過ぎると批判も出ていた。こうした長期見通しが発表された直後に、給付水準抑制という話が出てくることになると、結局は減額なのかと失望を誘ってしまうことにもなりかねない。
だが、年金財政は逼迫しており時間的猶予がほとんどないというのが現実だ。公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)には、現在130兆円ほどの積立があるが、現在の給付水準を維持するために、毎年3兆円から4兆円ほど積立を取り崩している状況である。
日本がスウェーデン並みの男女平等社会になるとは考えにくく、今のところ給付水準を大幅に引き下げること以外に、年金制度を維持する方法は見当たらないようである。
しんぶん赤旗 2014年6月21日(土)
派遣法改悪案が廃案
世論・運動に押され審議入れず
安倍内閣が今国会成立をねらっていた労働者派遣法改悪案は20日、審議入りもできないまま廃案になりました。「生涯ハケン」「正社員ゼロ」を許すなとの労働界、法曹界はじめ幅広い世論と運動に押されたものです。
同改悪案は、原則1年最長3年の派遣期間を撤廃し、正社員を削減して派遣社員への大規模な置き換えを可能にする内容です。
さらに、罰則規定についても「1年以下の懲役」とすべきものを「1年以上」とする重大ミスが判明。政府・与党は正誤表配布で済ませようとしましたが、日本共産党をはじめ野党側は「重大な誤りであり、撤回すべきだ」と主張していました。
衆院議院運営委員会で日本共産党の佐々木憲昭議員は一貫して廃案にすべきだと主張。この日の理事会で自民党は「正誤表による訂正について厳しい意見があったので、審査未了としたい」と廃案にする考えをのべました。
河北新報より転載
被ばく牛真剣に調査を 浪江の牧場代表、都心で抗議
福島県浪江町の旧警戒区域内で、福島第1原発事故で被ばくした牛を飼い続けている牧場代表が20日、牛1頭を連れ、東京都内で抗議活動を行った。国が移動を禁じた福島第1原発から20キロ圏にある旧警戒区域内の家畜が、許可なく域外に出るのは初めて。
抗議したのは、福島第1原発から14キロ離れた浪江町立野の旧警戒区域(現在は居住制限区域)で約330頭の牛を飼う「希望の牧場・ふくしま」の吉沢正巳代表(60)。国の殺処分命令を拒否し、牛を保護してきた。
吉沢代表は同日午後、農林水産省を訪れ、国の殺処分命令の撤回や被ばく牛の調査研究の推進などを求めた。除染廃棄物の中間貯蔵施設建設をめぐる石原伸晃環境相の「最後は金目」発言にも反発し、環境省前でも抗議した。
原発事故後、全身に白い斑点が広がったという黒毛和牛1頭を連れた吉沢代表は「放射能の影響かどうか、政府は真剣に調べてほしい」と訴えた。
農水省前では、トラックから牛を下ろそうとする吉沢代表を警察官が阻止する場面もあり、周辺には一時、緊迫した空気が流れた。
2014年06月21日土曜日