サムライ左近法務事務所の事件帳

本業の法律事件の他、考古学、歴史学、戦国山城等を、その実証から紹介します。

犬の考古学

2008-05-27 19:10:58 | Weblog
犬が日本に登場するのは
縄文時代からです。
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これは、近年の発掘によって
もたらされた成果です。
通常、人骨も含め酸性土壌の
強い日本では、骨が発掘される例は
極めて少ないと言えます。
その中で、埋葬された状態での犬が
発見されています。
当時の縄文時代は、主に狩猟採集が
生計の基盤でししたから
犬は狩猟犬として、大切に扱われ
死んだ後も食用とはせず、丁寧に埋葬されたと
考えられます。
(貝塚から出土した、犬の骨が他の獣骨と
同じようにばらばらな状態で見つかり、尚且
骨に解体痕があったと言う理由で「食用説」
を唱える研究者もいます。)
私は心情的には「家畜犬=狩猟犬」を支持しますが。
一方、弥生時代に入ると犬に対する扱いが
大きく変化します。
犬は「食用犬」とされていきます。
こうした縄文及び弥生における
犬の扱いの違いは、双方の文化の違いを
示唆しているのかも知れません。

因みに
猫君の登場は遥かに遅く
古墳時代となります。

犬は本当に可愛いです


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4 コメント

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 (ラン)
2008-05-27 20:12:58
発掘によって明かされた食用犬信じたくありませんがその時代の文化の違いなんでしょうね。

犬は本当に可愛いです。
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私論 (左近次郎)
2008-05-27 20:51:51
一般論的には
縄文人と弥生人を
画一的に区分するのは難しいのですが
見解は幾つかに分かれています。
①縄文人が環境の変化に伴って弥生人型に変化発展していったとする説。
②縄文人と弥生人は、元から異なり
弥生人が大陸から渡来して、縄文人を放逐していったとする説。
③主流の縄文人に傍流渡来系弥生人が昆成して
弥生人化したとする説。

(私論)

形質人類学的に見ても
文化的な側面から見ても
縄文人と弥生人は明らかに異なると思います。
犬に対する扱いは、その一例です。

未だ、この大きな「謎」に関して
学会では統一的な見解は出していません。

飽くまで
私論の域に留めて置きたいと思います。
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Unknown (ぱんだ先生)
2008-05-27 21:23:03
犬を食べる習慣がまだ、韓国に残っていると
聞いたことがあります。
とすると、やはり弥生人が半島から
渡って来たという説は有力な根拠になりますね。

基本的に可愛いから食べるのが野蛮という
馬鹿げた論理を持つ気はありませんが、
可愛がって育てたものは食べられませんね。
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人犬。人馬。 (左近次郎)
2008-05-28 17:38:18
人犬は
創作語ですが、馬にあって
何故、犬にはないのか。
東北人は、本当に人情味があります。
かつての縄文人がそうであったように。
「食べてしまいたいほど可愛い」
があれば、
「目に入れても痛くない」
もあります。
不特定多数のブログ。
日々勉強。深謀遠慮も大切です。

古墳にも
馬の埋葬例は見られます。
今の木曽馬クラスの大きさです。
騎馬武者の戦闘シーンでは
このクラスの馬は登場しませんが
正しくは「木曽馬」サイズです。
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