サムライ左近法務事務所の事件帳

本業の法律事件の他、考古学、歴史学、戦国山城等を、その実証から紹介します。

土地境界を巡るトラブル

2010-05-18 14:19:51 | Weblog
近隣との関係で「境界」問題があります。
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今回の相談は境界線を越えて存在する造作物(小屋)
 
 小屋が境界を越えてはみ出している事は、
隣地の所有権を侵害していることになります。
隣地の所有者は、小屋の所有者に対して撤去
を請求できることは間違いないでしょう。
 はみ出している小屋を放置しておいたからといって、
はみ出している部分の土地の使用を黙認したなどの
事情がないかぎり、相手方にその部分の土地を使用
する権利が生じる訳ではありません。
従っていつでもその撤去を請求できるのが原則です。
 しかし、長期間そのような状態が続くとそれがたとえ法律上の
根拠に基づかないものであっても、その状態
を覆すことはかえって混乱を招くことになり
社会の秩序を害することにもなりかねません。
 また、そのような状態を放置しておいたものは
権利の上に眠るものとして保護するに値しないと
も考えられます。
 所有権は時効によって消滅しませんが、
他人が所有権を「取得時効」で取得してしまうと、
その裏返しとしてそれまでの所有者の所有権は
失われてしまいます。
この取得時効が成立するための要件は、所有の意思をもって平穏
かつ公然と占有を20年間継続する事
ですが、所有権があると信じたことが善意無過失である場合、
つまり自分のものであると過失なくして信じた時は10年間で所有権を
取得するものと
定められています。
 結論としては小屋の撤去が困難な場合には
「小屋が隣地にはみ出していることの確認としかるべき時期に
撤去を約束する念書を作成」しておくべきかと考定されます。



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