旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

~北上川改修400年記念~川村孫兵衛シンポジウムに参加

2017-01-28 23:11:24 | 水の道逍遥
石巻専修大学で開催された『~北上川改修400年記念~川村孫兵衛シンポジウム』に参加してきた。
また、その前には、久しぶりに墓所を訪れ、さらには石井閘門にも立ち寄った。

     *

川村孫兵衛重吉夫妻の墓所は、東日本大震災による津波で破壊されたが、昨年復旧がなされていた。
  
  所在地: 宮城県石巻市門脇字中浦15
     (真言宗智山派 普誓寺の地内の墓地からは少し離れた場所にある。)

  ※震災前の様子は ⇒ こちら



(川村孫兵衛重吉夫妻の墓所)


(墓所周辺の状況:手前で工事が進められているので、立ち入り禁止になっていた。)


(菩提寺の普誓寺と夫妻の戒名を刻んだ石碑)

  
<真言宗智山派 大鉤山龍観院普誓寺>
正保年中の春、仙台藩二代藩主 伊達忠宗が、牡鹿郡に遊猟の時に川村家を訪れている。これを非常に喜んだ孫兵衛は、
一代の光栄とし、自宅を解体して菩提寺を建立しようとしたが果たすことがかなわないうちに74歳で他界。
その意思は、養子元吉により実現された。

    *

次には、石井閘門の現状を見ようと移動。
旧北上川側で工事が進められている石井水門関連は、かなり大規模なもの。
国重要文化財となっている石井閘門と北上運河によせる国(北上川下流河川事務所)の思いや意気込みが伺われる。



(石井閘門)


(石井水門工事の現場)




(対岸に見える石巻専修大学)


(下流側の眺望)


(北上川運河交流館 水の洞窟:現在閉鎖中)


(石井水門完成予想図)
 ※北上川のきれいな水を運河に循環させる導水樋管が設置される。






(長さ46.0m~46.5mの基礎杭が118本打ち込まれる。)




     *

午後1時にはシンポジウムに参加にするため、石巻専修大学へ。
会場はすでに満席の状態。
通路に椅子を追加してもまだ足りないほど。
かろうじて見つけた最後部の追加の椅子に座り、一安心。





北上川改修などによって仙台藩発展の礎を築いた川村孫兵衛重吉。
石巻地域の人々にとっては、報恩感謝の川開きまつりが90年以上も続けられているように、深く思いを寄せる人物。
聞き入る参加者の熱意が充満といった感じだった。

基調講演とパネルディスカッションの中で、東北大学の後藤光亀先生が何度か「開削目的などを異にする貞山運河と北上・東名運河を貞山運河と称すべきでない」と語られたが、それがしっかりと参加者の記憶に残って欲しいものだ。

また、パネリスト方々からは、孫兵衛重吉が仙台藩に召し換えられた時期については判然としないことや、日和山に立つ銅像はある資料にもとづく想像上のものであることなどが紹介された。
これらには、歴史に真摯に向き合おうとする姿勢がうかがわれ、大いに共感できるものだった。、

会場との質疑応答では、「旧北上川という呼称は、沿川住民の思いに反し、不適切」、「旧」をぜひ外して欲しいとの強い要望が出された。
私も、これには全くもって大賛成。
追波湾にそそぐ新北上川に「新」は残すとしても、何もあえて「旧」など付けることはない。
もともと、こちらが本家本物・本流なのだから。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仙台市水の森公園丸田沢堤に... | トップ | クリスマスローズとヒヨドリ »

コメントを投稿

水の道逍遥」カテゴリの最新記事