ふとしたきっかけでウイリアム・ブレイク の『無垢の予兆』(Auguries of Innocence)という詩を知った。
この詩の最初の4行はとても有名というが、わたしは知らないでいた。
William Blake(1757~1827年):イギリス・ロマン派の詩人
*
昨年末に放送されたNHKのTV番組『猫のしっぽ カエルの手』の終の画面に、この4行と詩人の名が表示された。
それを偶然に見て、興味がわいた。
読んでみようとネット検索したら、いろいろと出てくる・・・。
しかし、その邦訳はそれぞれ違う。
詩の原文(英語 132行もある長編)と照らしあわせてみたが、どれもしっくりこない。
特に、最初の「TO see 」の扱いのちがい。
「ひとつぶの砂にも世界を見、いちりんの野の花にも天国を見るには」となっては、本質が変わってしまうとわたしには思えた。
ならば自分で訳してみようと考えてもみたが、それは無謀というものだった。
K(経験)・K(勘)・D(度胸)の欠乏はもとよりK(Knowledge :知識)のない者としては当然のこと。
そこで、年明け早々に、区立図書館の蔵書を検索。
とりあえず3冊を借り出して読み始めた。
このうちの1冊に目当ての詩が掲載されていた。
(ただし、タイトルが異なり、『無心のまえぶれ』となっている。)
次いで、近所のブックオフに行き、関連本を探してみたが、収穫なし。
(コロナ感染拡大の中では、電車を乗り継ぎ、神田等の古書店街に行くことは避けたい。)
二子玉川駅近くの比較的大きな本屋さんでも物色。
店に置かれた検索機器で確認したところ目ぼしい4冊すべてが「在庫がありません」だった。
これでは仕方がない。
またまた区立図書館から追加資料3冊を借り受けた。
(⑥の『ブレイク全集』は上下巻のうち区の蔵書は上巻のみ。わたしが見たかった詩は下巻にあるようだった。)
そうこうしていると①の『ブレイク詩集』(寿岳文章訳 岩波文庫)にある『無心のまえぶれ』が一番しっくり来た。
そのおかげで今は、全132行を対訳のような形にして読むことができるまで整理ができた。
長々と書いてきたが、この詩の最初の4行がこちら。
TO see a World in a Grain of Sand
And a Heaven in a Wild Flower,
Hold Infinity in the palm of your hand
And Eternity in an hour.
ひとつぶの砂にも世界を
いちりんの野の花にも天国を見
きみのたなごころに無限を
そしてひとときのうちに永遠をとらえる
仏教の華厳経は、「一微塵も全世界を映し、一瞬の中に永遠を含むという一即一切、一切即一」を説く。
この詩を目にしたときに心に引っかかったのはこの教えと重なるように思えたからなのだろう。
詩の一片から詩人へ、そしてその関連世界へと興味関心がずんずん広がっていく。
これだから、読書はやめられない。
この詩の最初の4行はとても有名というが、わたしは知らないでいた。
William Blake(1757~1827年):イギリス・ロマン派の詩人
*
昨年末に放送されたNHKのTV番組『猫のしっぽ カエルの手』の終の画面に、この4行と詩人の名が表示された。
それを偶然に見て、興味がわいた。
読んでみようとネット検索したら、いろいろと出てくる・・・。
しかし、その邦訳はそれぞれ違う。
詩の原文(英語 132行もある長編)と照らしあわせてみたが、どれもしっくりこない。
特に、最初の「TO see 」の扱いのちがい。
「ひとつぶの砂にも世界を見、いちりんの野の花にも天国を見るには」となっては、本質が変わってしまうとわたしには思えた。
ならば自分で訳してみようと考えてもみたが、それは無謀というものだった。
K(経験)・K(勘)・D(度胸)の欠乏はもとよりK(Knowledge :知識)のない者としては当然のこと。
そこで、年明け早々に、区立図書館の蔵書を検索。
とりあえず3冊を借り出して読み始めた。
このうちの1冊に目当ての詩が掲載されていた。
(ただし、タイトルが異なり、『無心のまえぶれ』となっている。)
次いで、近所のブックオフに行き、関連本を探してみたが、収穫なし。
(コロナ感染拡大の中では、電車を乗り継ぎ、神田等の古書店街に行くことは避けたい。)
二子玉川駅近くの比較的大きな本屋さんでも物色。
店に置かれた検索機器で確認したところ目ぼしい4冊すべてが「在庫がありません」だった。
これでは仕方がない。
またまた区立図書館から追加資料3冊を借り受けた。
(⑥の『ブレイク全集』は上下巻のうち区の蔵書は上巻のみ。わたしが見たかった詩は下巻にあるようだった。)
そうこうしていると①の『ブレイク詩集』(寿岳文章訳 岩波文庫)にある『無心のまえぶれ』が一番しっくり来た。
そのおかげで今は、全132行を対訳のような形にして読むことができるまで整理ができた。
長々と書いてきたが、この詩の最初の4行がこちら。
TO see a World in a Grain of Sand
And a Heaven in a Wild Flower,
Hold Infinity in the palm of your hand
And Eternity in an hour.
ひとつぶの砂にも世界を
いちりんの野の花にも天国を見
きみのたなごころに無限を
そしてひとときのうちに永遠をとらえる
仏教の華厳経は、「一微塵も全世界を映し、一瞬の中に永遠を含むという一即一切、一切即一」を説く。
この詩を目にしたときに心に引っかかったのはこの教えと重なるように思えたからなのだろう。
詩の一片から詩人へ、そしてその関連世界へと興味関心がずんずん広がっていく。
これだから、読書はやめられない。
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