旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

「林隆三と楽しむ宮澤賢治童話の世界」開催準備のため栗駒に行く

2006-11-03 18:35:58 | 地域魅力




11月1日(水)夜は栗原市栗駒岩ヶ崎に行った。

平成19年3月末をもって、地域の発展を支えてきた“くりはら田園鉄道”が85年の歴史に幕を下ろす。

わたし自身は、住んでいたところが栗駒山の裾野だったことから、高校への通学など日常生活で利用していたわけではない。
ときどき、仙台に出かける上で“くりでん”(当時は栗原電鉄)を使うというようなものであった。

しかし、“くりでん”に寄せる思いは、かなり強く持っている。
それは、郷愁以上に、地域資源としての可能性の大きさを失いたくないという気持ちからでもある。

人と自然、産業と生活の相互連関が持続され、時の積み上げとともに文化を育み、景観をつくる。その歴史的な総合が風土となっていく。それが地域の誇りとなり、また魅力となって他の地域の人びとを引き付ける。


その意味で、栗原地域の活性化には“くりでん”資産の活用はとても重要なことだと、わたしは考えているのだが・・・。

“くりでん”資産活用に向けた新たな取組を、ぜひ地域住民の手で始めていって欲しい。たとえそれが他からすれば、少々無謀に見えるようであっても。そう強く願っている。

宮澤賢治の作品に『虔十公園林(けんじゅうこうえんりん)』というのがある。虔十少年のような気持ちで、チャレンジしていくことが、「住民主体の地域再生」の歴史をつくるはず。

そういう思いから、林隆三さんによる宮澤賢治作品の朗読コンサートを企画し、提案してきた。


今回の栗駒行きは、くりでん応援クラブの代表の方々、栗原市役所に勤務している友人と会い、具体的に準備を進めるためのものであった。お互い既知の間柄でもあり、話はついつい多方面にわたり、アルコールの方も大分いってしまった。

翌日訪問した印刷屋さんでは、こちらが持ち込んだポスターやチラシの案を見て、「こういうコンサートをやるの!絶対、行くから!」などと声をかけられ、チケット販売にやや自信がわいてきたりもしてきた。(注)トップの画像はその案のもの。

とにかく、今回のコンサートを機に地域を元気にしていこうという機運が高まっていって欲しいものである。


●コンサート開催日時等:平成19年3月25日(日) 午後2時から
●場所:栗駒みちのく伝創館(栗原市栗駒岩ヶ崎)



▲栗駒みちのく伝創館


▲三迫川とくりでん鉄橋



【宮澤賢治作:虔十公園林】(あらすじ)
主人公の虔十という少年は、いつも杜の中や畑の間をゆっくり歩き、雨の中の藪や風が吹いて光るブナの葉などを見てはよろこんでいたので、村の子供たちに馬鹿にされていました。ある時、虔十は家の後ろの野原に杉を植えたいと思いつきました。その場所は芝腹で、とても杉が育つようなところではなかったのですが・・・。
 虔十が亡くなって後に、村には鉄道が通り、工場ができて、まわりの畑や田がつぶされて家が建つようになっても、虔十の林だけは残っていました。
 昔その村から出て今はアメリカの大学教授になっている博士が故郷に帰ってきたとき、学校の付属の運動場のように親しまれている虔十の林を見て驚き、その感動が次のような言葉となります。
 「虔十という人は少し足りないと私らは思っていたのです。いつでもはあはあと笑って歩いている人でした。毎日丁度この辺に立って私らの遊ぶのを見ていたのです。この杉もみんなその人が植えたのだそうです。ああ全くたれがかしこくたれが賢くないかはわかりません。ただ、どこまでも十力の作用は不思議です。ここはもういつまでも子供たちの美しい公園地です。」



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