旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

『宮城 日展会展』に

2008-08-15 22:37:00 | 映画・芸術・芸能
『宮城 日展会展』に能島和明さんの作品が出展されるというので、これは是非にと行ってきた。場所は、青葉茂れる定禅寺通りの“せんだいメディアテーク”。



作品は第39回日展(2007)に出された「黒川能(羽衣)」1点だった。しかし、これを見ただけで十分満足。

紫地に白い枝垂の花、下げられた右手の金箔の扇、ツツっと踏み出されようとしている右の足。静かで凛としたその立ち姿は、どこか寂しげに思える。

能島先生の絵は、いつ見ても心に沁みる。故郷の夕暮れのようでもある。

その故郷は、岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けた。栗原市栗駒耕英にある能島先生のアトリエも、被害にあわれたようだ。書き溜めた作品が痛んだだけでなく、里に下りる道路が寸断され、絵の搬出もできなかったらしい。

先生には、栗駒の地を離れることなく、これからも大いに活躍していただきたいと切に願っている。

  *

特に自分として見入ってしまった作品は、渡辺雄彦さんの「卓上」、伊勢崎勝人さんの「東北の秋」。これらはともに特選になったもの。一方は黒を基調とした線と面で構成。他の一方は、明るい黄を基調とした野菜と果物の作品。どちらも静物画。

キャンバスに近づけば乾ききった粗い画面も、離れてみればなんとみずみずしいことか。「さすが!!」とうなるしかない。

他に素晴らしい作品(自分好み)と思えたのは、「土の宙」(小川和子さん作)、「蒼生」(河田勉成さん作)。いずれも陶芸。

  *

「やはり、億劫がらずに足を運ぶことが大事」と、今日もまた思ってしまった。なにせ、こんなにも心を打つ作品に出会えるのだから。そんなことで、絵葉書3枚、図録1冊を買い込んでしまった。

●宮城 日展会展    開催期間:平成20年8月15日~20日

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