La vie en rose

食べログ化している元ロリバンギャのオタブログ

やさしさに満ちて いまを包む

2010-08-25 00:56:01 | 小説・漫画・アニメ
一人暮らしを始めて自炊をすると、やはり複数おかずを作るのが
手間で品目が減るどころか、パスタとか焼きそばとか炒飯とか
一品で済むものばかりを作っているので痩せたと母に言ったら、


母「私が一人暮らし(で自炊)していた時は、
残しちゃいけないと思って逆に太ったけど」






母は常に想像の斜め上を行く。










読んだ本の紹介です。










万城目 学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人
ちくまプリマー新書




前々から気になっていたんですが、直木賞候補作になった
事をきっかけに手に取ってみました。

凄く可愛かったー
児童書にしても良いんじゃないかな。
それにしては難しいのかな。

子供の頃読みたかったです。
でも逆に良さが分からないのかもしれない。
難しいところです。


かのこちゃんが可愛過ぎる。
頭の良い子なんだけど、あくまで「子供の」頭の良さ。
子供特有の考え方の描写がとても良いんだ。




“案の定、5分も経たないうちに、雷は家の真上までやってきて、
滝のような雨を降らせ始めた。

「ゴリラじゃないやつ、すごいね」
「ゲリラ豪雨ね」

窓をうち叩く雨粒の音を聞きながら、お母さんは洗濯ものを畳んだ。
「ゲリラ」という言葉には、何かとても刺激的な響きがあるのに、
かのこちゃんはどうしても「ゲリラ」を覚えることができない。
いつも「ゴリラみたいなやつ」で止まってしまう。
「ゴ」を「ゲ」に替えたらいいだけなのに、その一歩がなぜか遠い。

ただ「ゴリラ」でないことはわかるので、結果
「ゴリラじゃにやつ」という表現に落ち着く”



対照的に猫同士の会話が優雅で素敵です。
ファンタジーに近いのだけれど、猫と人間が喋れるという所までは
いっておらず、その匙加減が良い。



ほっこりします。
お勧め。










古川 日出男「LOVE
新潮文庫


相変わらずこの人の文章はいい。
かのこちゃんとはまた違った意味で、子供の描写がいんですよ。
一般的な意味での良い子とはかけ離れているんですが、こんな
考え方の出来る子供がいたらいいなあと思います。



一部抜粋↓



“ただし十歳のユウタは田渕佑多は自分のことをただ
ユウタとだけ呼ばせようとする。
「ファミリーネームはないよ」
と小学五年生のユウタは宣言する。

「そうゆうのは、僕コジンとは無関係なんだな。
すなわちムエンなんだよ」
と言う。

親族会議の時は?と訊いたら、腕組みして数十秒考え込んだのちに、
「その場合はタブチ家のユウタだね、たしかに。
所属としてのファミリーネームが付いちゃうな」
と答えた。”




こういう独特の片仮名使いがいい。

子供の持ち物とか、女性のファッションとかどうしてこの人
こんなに詳しいんだろう。
ユウタ(笑)の他にも魅力的な子供が登場します。
一番好きなのはクールなトバスコなんだけど、シュガーも良い。





“「変態の大人って、校内まで小学生を殺しに来るもの。
ね?

あたし、保護者って頼りにならないと思うな。
警察とか、そういうのも、廊下の角ごとに交番作らなかったら、
役に立たないと思うなあ。

だから自分で気をつけるの。
あたしたち、武装しないと。
なにしろ日本の小学校って、なにげに戦場だよね」”










「攻と受の構図」
http://alfalfalfa.com/archives/581458.html

これはwww