左腕坊主

ハンドボール選手、櫛田亮介の2006年4月~2008年4月までを綴ったブログ

ありがとう!!!

2007年02月27日 | 櫛田劇場
みんなありがとう!!!

先週、先々週とブログの更新もそんなにせずにいたけど、みんなからのメッセージは読んでいました。

別に落ち込んでた訳でもなくて、珍しくハンドに集中していました。笑

こうして日本から応援メッセージをもらって凄く力になりました。

ほんまにほんまにありがとう!!!

シーズン終了まで後二ヶ月。

優勝してみんなにいい報告が出来るようにまた頑張ります!!!

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『HSG Freiberg』戦

2007年02月26日 | Oberliga 06/07
連敗脱出!!!

29対19で勝利!!!

先週は合計12時間以上にも及ぶメンタルカウンセリングをチームで受けた。

チーム全体でメンタルトレーニングを繰り返した。

もちろん通常のトレーニングもいつにも増して集中して行った。

一週間この試合の事のみに集中して過ごした。

だがこれらのプロセスは勝利という結果でしか評価されない。

内容うんぬんより、勝利という結果を出せた事。

このことに尽きる。

勝つことでチームがまとまっていく。

まだまだ厳しい戦いは続くが、これからも磨り減るような勝負の中にいることを誇りに感じてやっていきたい。

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『HSV Glauchau』戦

2007年02月19日 | Oberliga 06/07
負けた。

連敗した。

2位との勝点差は3に縮まった。

先週のチームの雰囲気はピリピリしていた、これは悪い意味ではなく、全員がいい意味の危機感を持っていたからだ。

試合にも集中して臨んだ。誰一人手を抜いたりなんてしていない。全員が必死だ。

しかし、負けた。

前半立ち上がりから、ピルナはミスが目立ち相手にリードを許す。最大6点差はあっただろうか???

それでもベンチメンバーを総動員して後半ラスト1分に24対24の同点に追いついた。

しかし、最後に守りきれず1点勝ち越された。結局24対25で負けた。

さすがに試合後の雰囲気は最悪だった。全員が考え込んでしまっている。

今まで勝つことによって表に出ていなかった問題が、負ける事によって表面化してくる。あげだしたらきりがないし、個人個人、チームとして問題はある。

切り替えようとしてもさすがに頭の中はハンドボールの事が浮かんでくる。

ハンドの問題はハンドでしか解決しない。勝つ事によってしか解決しない。

僕はここに助っ人できている。優勝させて3部にあげるのが仕事だ。

この結果が全てだ。

今やるしかない。必ず乗り越えてみせる。




『LHV Hoyerswerda』戦 

2007年02月11日 | Oberliga 06/07
今日は首位攻防戦だった。

2位の『LHV Hoyerswerda』とは現在勝点差7。この直接対決で星を落とすと勝点差は2つ縮まる。ここで叩いておけば勝点差は9まで広がり、優勝に大きく近づく。非常に重要なゲーム。

試合前のミーティングでマテアスから僕は攻守共に右サイドでスタートする事を告げられていた。大黒柱のマルティンを攻撃専門にして、代わりにスタニスが守備専門でマルティンと交代となるようだ。

試合開始直後から『LHV Hoyerswerda』のリズムで試合は進む。

相手のセンターはサウスポー。けして大きい選手ではないが、引いて守るタイプのスタニスとはどうも愛称が悪い。このセンターにかき回されてDFが機能しない。守れない事には当然速攻も出ないわけだ。なかなかリズムに乗れない。

アンドレアスの個人技などで何とかピルナも得点するものの『LHV Hoyerswerda』が押し気味に試合を進める。

僕もカットインなどで得点を挙げたり、何とか流れをピルナにもってこようとするものの結局10対15の5点リードを許したまま前半を終えた。

さすがに前半を終えて5点のリードを許した事は今までになかった。

ハーフタイムのロッカールームでマテアスが『まずDFを立て直そう。いつも通りクシを45度で守らせるから』後は闘魂注入!!!

後半開始。立ち上がり直ぐに2点獲得。3点差に詰める。いける!!!

しかしここでまたもやピルナに退場。リズムに乗り切れない。相手はパワープレーのチャンスに確実に得点し4点をキープ。

この後、4点差を許しながらの攻防が続く。時間だけが過ぎていく・・・

マテアスから次なる指示。『1:5DFに変えるぞ』マンツーマン気味にプレスを掛ける。しかし、相手も慌てずに攻めてくる。(5:1DFと異なり、センターバックがポストを見て。他の5名はマンツーマン気味にプレスをかける)

依然として点差は縮まらない。攻撃では僕もボールを要求してサイドから回り込んでミドルを放つがクロスバーに嫌われる・・・

『くそっ。このままでは追いつけん・・・』

全員さすがに焦りの色が見える。後半ラスト10分をきった所で疲れの見える僕はベンチに戻される。

マテアス『少し休め。直ぐに行くかもしれんからな!!!』

ベンチから僕は声を張り上げる!!!時間がない・・・


タイムアップ。



負けた。ピルナに来てから初めて公式戦で負けた。

28対33。5点差だ。試合開始から狂った歯車は結局最後まで狂ったままだった。

これで2位の『LHV Hoyerswerda』とは勝点差5に縮まった。

大切なのは次の試合だ。初黒星の後だけに非常に重要な試合となる。

優勝までの道のりは、やはりそんなに簡単ではない。

必要以上にネガティブになるのではなく、かといって無理してポジティブになるのでもなく、今回の結果を受け止め、修正すべき部分を1週間で修正し次の試合に臨むのみだ。

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『2007世界選手権・観戦記』 第5話

2007年02月10日 | 2007世界選手権観戦記
『チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!』と大合唱を続けながら腹ごしらえの為にホテル付近に止めている車まで全員で戻った。

各々持参のパン、サラミ、ピクルスそしてビールなどで腹ごしらえ。

いよいよ戦闘態勢に入ってきた。

ラッパ、太鼓、国旗、マフラー、帽子などの応援グッズに身を包み。試合会場まで大移動が始まった。

『チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!』

行進すること30分くらいだろうか、いよいよ試合会場に到着。

この移動中のもチェコ軍団のテンションはさらに鰻上り。

マルティンからチケットを受け取り会場内に入った。チケットは日本ではあまり見かけないが座席番号が明記されていた。つまり指定席ということだ。入り口から直ぐ右にVIPルームがあり、少し奥には大会の記念グッズ、ハンドボール用品、ビールや食物などが売っていた。

チェコ対スペイン戦の前にカタール対エジプト戦があったがアジア枠から出場しているカタールをエジプトが軽く一蹴。

少しの休憩を挟みいよいよ、チェコ対スペイン戦。チェコ軍団の盛り上がりは最高潮。それもそのはず、昨日からこの時のためにビールを煽り、気持ちを高ぶらせきたのだ。そして相手は前回大会チャンピオンのスペイン。盛り上がらない訳がない。

チェコからの応援団は総勢200名と言った所か、会場自体は4階席くらいまであって1万人くらいのキャパに50パーセントの入りと言った所か。つまり5千人程の観客数だった。その中200名の数などしれているかもしれない。しかし200名が一箇所に集まり、みなそれぞれチェコグッズを持ってきている。盛り上がりは最高潮。

そこは完全にチェコのホームだった。

『チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!』凄まじいまでの応援。

『ホーンザヒトシ!!!ホーンザヒトシ!!!ホーンザヒトシ!!!ホーンザヒトシ!!!』どういう訳か『ホンザヒトシコール』

まあいいけど・・・

チェコの国歌斉唱。全員が立ち上がる。帽子を取る。国家を口ずさむ。

試合は始まった。

スペインは世界最強ポストプレーヤーのウリウスを中心にゴリゴリ攻め立てる。チェコにはそこまで目立った選手はいない。

ぱっと見た印象ではスペインの方が遥かに力は上に感じた。事実終始押し気味に試合を進めたのはスペイン。

それでもチェコは何とか着いていく。ここ頑張らないと離されるという時に、踏ん張る、シュートをねじ込む、GKがスーパーセーブをする。

応援がビックプレーを呼び。ビックプレーが更なる応援熱を上げる。

4点ほどのリードを許しながらも絶対にそれ以上は離される事なくチェコは着いていく。

試合は終盤に動いた。そこまで我慢して我慢して着いてきたチェコ。スペインのミス、スペインの退場、チェコのビックプレー、チェコGKのスーパーセーブ。

一気に同点に追いついた。何度も何度も離されそうになり、後半20分とうとう試合は振り出しに戻った。チェコの応援席は完全に総立ち。もちろん試合開始直後から総立ちだったが、この時は全員が飛び跳ねていた。

しかし、スペインはそう簡単には崩れない。前回チャンピオンがいよいよ本領発揮。しつこいまでのポスト攻撃、分かっていてもウリウスは止められない。無理やり止めようとすれば直ぐに退場になってしまう。結局最初から最後までウリウスにやられた。もちろんその他のスペインの選手もすばらしかったが、それくらいウリウスのプレーは衝撃的だった。

一度は同点に追いついたチェコだったが、結局4点差で敗れた。

ウリウスはこの試合のベストプレーヤーに選ばれた。

試合後もチェコ軍団の応援は鳴り止まない。4点差で敗れたことは事実、しかし前回王者スペインを追い詰めたのも事実。何よりチェコの選手の1プレー、1プレーには気持ち、魂が篭っていた。そして応援団の魂の声援は選手に届いていた。

チェコの選手達が応援席の前まで来て、応援団にお礼を言いにきた。形式的なものではなく、本当にありがとうと言う気持ちがあるのだろう。なかなか応援席の前から立ち去らない。応援席からも選手のプレーに対してありがとうと言う気持ちがあるのだろう。この日一番のチェココール『チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!チェッキ!!!』



ホテルまでまたチェコ軍団と共に戻る事になった。

車に着いた。チェコ軍団とはここでお別れ。一人一人と握手を交わした。

『ホンザ・ヒトシ一緒に応援してくれてありがとうな!!!』

『こちらこそ、すげー楽しかった。デクイ』

『デクイ』とはチェコ語で『ありがとう』を意味する言葉だ。この旅でおぼえた。

チェコ軍団と別れ、マルティンとスタニスと共にピルナに戻った。





2週間後・・・

アウェーでの上位チームとの対戦。試合開始時間は17時から14時30分へと変更になった。アウェーでのタフな試合を24対22で何とかピルナが制した。相手のファンにビールをご馳走になった。

この日は僕たちの試合。そして『2007世界選手権ドイツ大会』のフィナーレ、つまり決勝戦だった。決勝戦はドイツ対ポーランド。

僕達の試合後。その会場で、巨大スクリーンに決勝戦を映し出し相手チーム、ピルナ、そして観客みんな一緒に応援した。

この為の試合時間変更だったのだ。恐らくドイツが決勝進出を決め急遽変更になったのだろう。それにしてもすばらしいアイデアだと素直に思った。みんなが嬉しくなる。みんなが喜ぶアイデアだと思う。

日本で言えばサッカー日本代表の試合をスポーツバーやサッカー場でみんなで集まって応援する。あんな感じだろうか???

決勝戦は2万人近くの観客が入ったらしい。そしてドイツの各地で僕達と同じようにドイツ代表を応援したのだろう。いったい何人の人がハンドボールドイツ代表を応援したのだろうか???そんなことを考えると、羨ましくなった。

ドイツは世界チャンピオンになった。



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『2007世界選手権・観戦記』 第4話

2007年02月08日 | 2007世界選手権観戦記
若干の胸焼け&喉の渇きで目覚めた。

分かってはいたが予想通り若干の二日酔い・・・

さすがアホ代表・・・

試合は夜の20時から・・・

それまでどうするんんやろうか???

シャワーを浴びて、準備をして11時にホテルをチェックアウト。ここでも信じがたい光景が・・・

ロビーでビール飲んでるですわ。聞く所によると、昨日から終わりなく飲み続けているらしい・・・

完敗

荷物を各々車に乗せて20名でブレーメンの街を観光だ。とてもそんな気分とコンディションではないんだけど・・・

まあこいつ等のリュックにはビールがシコタマ入っているんでね。
『ホンザヒトシほら飲め』『ムシャシクシャシビール飲みたいんだろ???』って勧めてくれます。

ノーと言えない日本人炸裂。

とりあえずビールを受けとり、ポケットの中に入れて飲んでない、(つうかさすがに飲めないんだけど・・・)僕をみて『ホンザー・どうした???せっかくビールあげたのに飲めよ』って。ビールの栓を開けてくれます。

まあそんなやり取りしながらブレーメンの街を徘徊。教会に入ったりしてね。どんなに酔っ払っていても教会入ったらさっと帽子とって少し真面目な顔になりよるんですね。

こうしてブラブラしながら時間を過ごしましましが、いかんせん寒い・・・

まじで風邪厳重注意!!!

いきなりというかたまにというか、『ガリッ、ガリッ』って変な音聞こえるんですわ。なんやろ、なんやろってずっと気になっていてね。

正体突き止めました。なんやと思いますか???

チェコ軍団のおっさんのポケットから生のニンジン出てきたんです。しっかり齧ったあとがありました。すごいもの見てしまった・・・もうこれには一人でほくそえんでました。おもろすぎた。なんで生のニンジン???

試合時間は20時から幾らなんでも時間がありすぎや。外は寒いし。

まあまた入るのはお決まりの酒場ですな。

ビール、ビール、ビール、ビール。

終わりなき旅・・・

ほんまにこいつ等にとっては水なんかな???おいしいのか???そんなに飲んで???

この酒場でもさらにビールを飲み続け時間を過ごす。

試合時間が近づいてきたのか???この酒場を後にする。

腹ごしらえのために一度荷物を置いてある車まで戻るとの事。ビールのほかにもパンやサラミなどの食料持参らしい。

車へ向かう道中も『チェッキ!!!チェッキ!!!』とチェコ軍団は大合唱!!!

いよいよテンションが上がってきている。

試合は近い!!!

つづく

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『2007世界選手権・観戦記』 第3話

2007年02月07日 | 2007世界選手権観戦記
パーティーが始まった。

改めてアホみたいな量のビールを目の前にして圧倒された。

まあ当然チェコ軍団は面白がって僕にアルコール度数の強い酒を『飲め、飲め』と煽ってくる。ここは日本代表として真っ向勝負!!!『頑張れオレ!!!』

ホテルの一室でシコタマ飲んだ後・・・

僕はなんやかんや言うてもう部屋に戻って寝るかな???と淡い期待を抱いていたが・・・

甘かった・・・

チェコ軍団はもう一度チェコグッズに身を包み、外に繰り出す。極寒のブレーメン、夜中・・・

どこにいくのか???

歩く事20分ほどだろうか???

言うまでもなく、この間もみんなリュックにビールを入れて飲みながらの大移動である。

ブレーメンの中央駅に到着した。この駅の中にある酒場でもう一度飲みなおすようだ・・・

底なし・・・

もうこの日何本のビールを飲んだのか分からん。

ドイツ人もそうなんだけどパーティー言うてもねほとんど食い物なんてないんですわ。日本で言う居酒屋みたいなイメージではないんやわ。

ただひたすらビールを飲む。飲む。飲む。

ほんまに真っ向勝負を挑み何回翌朝に撃沈してきた事か・・・

それを分かっていながら、馬鹿の一つ覚えみたいにビールを飲む日本代表のオレ!!!アホの日本代表かぁ???

なんとか、なんとかこの酒場でもしのぎきりホテルへ戻る事に。

限界やーーー。

ホテルに到着。そしたら今度はホテルのロビーで他のチェコグループが飲んでいる。こいつ等と合流・・・

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

なんなんでしょうか、僕の中でメラメラ燃え上がるこの感じっ。完全にアホですね。ここでも調子にのって自ら『カンパーイ!!!』とか言い出す始末。

『キキリキ、ヤポンキー』おそらく日本人の事だろう。
『ムシャシ、クシャシ』K‐1の武蔵を知っているらしくそれと『クシ』が混ざったんか???
『ホンザ・ヒトシ』なんでこう呼ばれるん???

なんか分からんけどチェコ軍団は僕の事この3つのどれかで呼ぶんですわ。

もう何でも構わん。こうなったらとことん行くのみや。

結局このあともう一度ホテルの一室で飲み直し、何度目かの限界が訪れてマルティンとともに部屋に戻って爆睡。何時に寝たのかはわからん。

スタニスはまだ飲んでた・・・

つづく


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早いもので・・・

2007年02月06日 | ザビエル広報活動
毎度!!!皆さんお元気ですか???

いつもみんなの応援メッセージ楽しく読ませてもらってます。

ほんまにありがとう!!!

結構楽しみにしてるし、絶対に目を通してるんでこれからもじゃんじゃんメッセージ残してくれると嬉しいです。

早いものでもう2月ですな。

日本では節分でしたな。

ドイツ語学校が始まり、リーグ戦も再開。

ほんまに1月はあっという間やった。

今月は上位チームとの対戦が続くのでほんまに山場。

今週末は現在2位のチームとの天王山。

頑張るでーーー。

そういや、ちょいと前に各方面のブログで僕の事書いてくれてる記事を発見したので紹介しとこうかな。

まずはこちらあきらログログですわ。←クリック

それからこれも花頭巾さんのブログでございます。←クリック

まあ時間がある時にでも覗きに行ってみてくだされ。

『ピルナマガジン』観れました???

どうでした???残念ながらもうあの映像は観れないみたいやけど・・・

見事なハゲっぷりやったっしょ。

それでは皆さんごきげんよう!!!

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『HSG Neudorf/Dobeln』戦 ~黄色い靴の男~

2007年02月05日 | Oberliga 06/07
昨日はアウェーでの『HSG Neudorf/Döbeln』戦だった。

『HSG Neudorf/Döbeln』は現在3位。試合前から厳しい試合になる事は容易に想像できた。

選手、スタッフ、スポンサーそしてサポーター。ピルナに関わる全ての人間が昨日のアウェー戦の大切さを知っていた。事実ピルナバス同乗のサポーター数はいつものアウェー戦より倍くらいだった。

当初試合開始予定時刻は17:00からだったのだが、どういうわけか何度かの調整を経て14:30に変更されていた。この理由は試合後に知る事となる・・・

前回の対戦でお互いの事を覚えていたので試合会場に到着して相手チームの選手と軽く挨拶を交わした。黄色の靴のエースがその相手。

試合前のミーティングで『DFは6:0DFでスタートするけど、クシが45度のDFに入って牽制入れながら守ってくれ』とマテアスに告げられた。

これは相手の黄色い靴のエースを警戒しての作戦だ。この黄色い靴の男は現在得点ランキング6位で15試合で106得点を叩き出している。

全体ミーティング後マテアスと個人的に話をした。

『相手のエースが左45度にポジションを取っている時は、俺が牽制しながら守るのは分かった。このエースがポジションチェンジをしてセンターや右45度に移動した時はどうする?俺がそのまま真ん中で出て5:1DFに移行するか、そこまでは追わずに俺は45度に残るか?』

相手もアホではないので、ピルナのこのDFに対しての最近はしっかりと対策を講じてくる事が多い。その一つの対策として上記のポジションチェンジがある。

マテアスは少し考えながら『まずは45度に残って守ろう。それでやられるようなら、真ん中で守るように指示を出す。話しながらやろう』と言った。

僕は『分かった。コミニュケーション取りながらやろう』と返した。

自分の役割をしっかり把握して試合に臨んだ。

試合開始。僕はOFは右サイド、DFは右45度でスタートから出場。立ち上がりから一方的に『HSG Neudorf/Döbeln』ペースが続く。

さすが上位チーム、尚且つアウェーゲーム。そんなに甘くはない。ガイチ、アンドレアス、ペーパーのスタメン3人がベンチに戻される。シュートがなかなか決まらない。

前半10分過ぎに3対8と5点のリードを許す。

肝心のDFだが、試合開始直後こそ黄色い靴のエースは左45度でプレーしていた。しかしファーストコンタクトで僕ががっちり守ってから、センターや右45度にポジションをチェンジして攻めてくる。

マテアスに『どうする真ん中に出ようか?』とアイコンタクトする。マテアスはもう少し様子を見よう的な返し。

攻撃ではペーパーの代わりに入った男前マイクのシュートが何本か決まり徐々に差を詰めだす。

前半15分過ぎ少しピルナが追い上げた所で『HSG Neudorf/Döbeln』はタイムアウト。このタイミングでマテアスから『攻撃は一休みでDFはそのまま入ってくれ』と指示を受ける。ここまでシュートチャンスは一度もなかった。

アンドレアスと僕がDFのみ。DFに関してはこの二人が中心にならなくてはいけない。ベンチに戻るたびに少しづつ修正していった。


その修正点とはこうだ。相手の黄色い靴の男が左45度でプレーしている時は基本的(図1)に僕とマッチアップなので問題ない。僕が守る。今回は手っ取り早く真ん中の4対4に絞っての図だ。

図1

    敵        敵        黄色い靴

                     僕
     味方  味方 敵 アンドレ 



そいつがセンターに移動した時は基本的(図2)に僕はそのまま自分のDFポジションで守る。

図2
    敵       黄色い靴      敵   

                     
     味方  味方 敵 アンドレ  僕


しかしその時の対面をマークしつつもセンターの黄色い靴の男が前を狙いそうな時、いい状態でボールを持ちそうな時は僕が自分のマークを捨ててクロスアタック(図3)を掛けて黄色い靴の男を押さえに行く。本来こいつのマークはアンドレアスになるんだけど、僕が自分のマークを捨てて黄色い靴の男にプレスを掛けに行くのでアンドレアスが僕の後方からスライドする形で本来僕がマークしている45度へ移動する。

図3
    敵       黄色い靴      敵   
               僕
                     
     味方  味方 敵     →アンドレ  


クロスアタックを掛けて守ると自分のマークを捨てる事になるので失敗した時のリスクはでかい。ほんまに一瞬のタイミングが命だ。当然失敗して失点に繋がると容赦なく周りからは責められる。自分のマークを最優先する傾向にあるうちのチームでこのDFを理解してる奴、実践出来る奴はそんなに多くない。今でも僕の両隣のDFによってはこのDFが使えない時も少なくない。

しかし多くの実践を重ねアンドレアスとは少しのやり取りで分かり合えるようになっている。相手がうちのDFにポジションチェンジで対応してきている以上、多少のリスクを背負ってでも黄色い靴の男を仕留めにいく必要があった。

このDFが徐々に相手の攻撃を抑え始める。前半開始直後から相手に終始リードは許したままだが前半を終える時には12対13の1点差まで追い上げた。

ハーフタイムのロッカールームではマテアスが全員を座らせて鼓舞していた。

後半開始。後半のスタート僕はDFのみ基本的には前半の途中からと同じだ。今日は全体的に攻撃の調子が良くない、大量得点は望めない。DFが勝敗を分ける。

後半の立ち上がりピルナの鉄壁のDFが機能する。後半の立ち上がりで直ぐに同点に追いついた。ここからは一進一退の攻防が続く。

我慢比べだ。

相手のキープレーヤーは攻め切れない事に業を煮やし、僕を避けてとうとう右45度にまでポジションを移動させていた。(図4)


図4
    黄色い靴      敵     敵

                     
     味方  味方 敵 アンドレ 僕

こうなるとこちらの思う壺だ。幾らいいシューターでも右利きの選手がそう何本もこのポジションからシュートを決める事は容易ではない。もともとこのポジションをしているならわかるが、本来黄色い靴の男はこのポジションではない。

相手は攻め手を失い、ピルナがわずかにリードする。しかし相手もそう簡単にリードを広げさせてくれない。1、2点差の攻防が続く。

そんな中アクシゼントが僕を襲った。DFで隣の選手のフォローに行った際に敵の選手と味方の選手が縺れながら僕の上に突っ込んできた。右膝が伸びきったまま2人分の体重がそこに乗っかってきた。僕はうずくまる『これはヤバイ・・・』直ぐにフィジカルサポートのシモーネとマテアスが飛んできた。

ここはアウェーだ。すさまじいまでのブーイング。『この野郎日本人が、痛いふりして時間かかせいでんじゃねーぞ!!!』まあ言葉は分からんけどこんなところだろう。

シモーネに『ゆっくり膝を曲げれる???ゆっくりよ、クシ』と言われる。

超アウェーの大ブーイングの中、それを掻き消すほどの『クシ、クシ、クシ、クシ』というピルナサポーターからの『クシコール』が聞こえてきた。

幸い何とか動けそうなのでゆっくり立ち上がる。マテアスに『どうだ?』と聞かれる。僕は『やらしてくれ』と意思を示した。つーかあの『クシコール』を耳にしたらやるしかねーよ。戦術的にも僕を嫌がって相手の黄色い靴の男はポジションを右45度にかえている。ここで引っ込むわけには行かなかった。

ゲーム再開。こういう後のワンプレーは大事だ。敵にも味方にもやれる、大丈夫という事を示さないといけない。2mを超える相手の突進を僕は正面からがっちり止めた。

試合は進む。後半ラスト15分をきり本当に体力的にも精神的にも脳みそも一番疲れる時間帯。依然として大接戦は続く。僕はこの時間もう一度右サイドで攻撃も出ていた。一瞬も気を抜けない。集中。チリチリしてくる。

わずかのリードを保ちながら終盤へ。サイドシュートのチャンスはただの一度もない。チャンスがきたら絶対に決めてやる。それだけはいつも自分に言い聞かせていた。

勝負ところでマルティンがミドルシュートを決める。さすがだ。

相手も残り時間と点差を考えてマンツーマンでプレスを仕掛けてくる。

落ち着いてボールを回す。実際の時計よりもかなり遅く僕の中での時間はゆっくりと進む。早く終わってくれ。

タイムアップ。

24対22。何とかほんまにきつい試合をものにした。

試合後はしばらく放心状態だった。動けなかった。

全員でサポーター達の下に駆け寄る。

マテアス、アンドレアス、ラディ等から『スーパーDF!!!』と抱きかかえられた。

試合後敵のサポーターから『DFすげーな。ビールご馳走させてくれ』と言われほんまにビールを奢ってくれた。

その奢ってもらったビールを片手に試合時間が変更になった理由を知る事となるのだが、それは後日に書く事にしよう。

試合から一夜明け、体全体にかなりの疲労はあるものの幸い右膝は思ったほど悪くはないので一安心。後でペーパーとスタニスとサウナでも行ってこよう。

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『2007世界選手権・観戦記』 第2話

2007年02月02日 | 2007世界選手権観戦記
マルティンの旧友、ユリカと合流しマルティンの運転で走る事10分・・・

どうやら目的地に着いたようだ。

車を止めると先ほどのチェコサポーター達が大集合。

『何が始まるんや・・・』

サポーター達は各々何かしらチェコに纏わるものを身に着けている。帽子、マフラー、国旗、服など。本気具合がそれだけで窺える。

マルティンとスタニスはそのサポーター集団と合流。僕もついていく。マルティンが僕の事を紹介してるっぽいが、全く今後の展開が読めない・・・

とりあえず日本人の『クシ』だと握手を交わしていく。

話も一段落したのか、車を止めた向かいの建物にマルティンとスタニスがおもむろに入っていく。どうやらホテルのようだ。少し安心。しかしそのホテルのロビーには同じくチェコサポーターらしき一団がビール片手に寛いでいた。少し不安。

一部屋を数人でシェアするタイプのホテルらしく料金は格安のようだ。

チェックインも終わり、再度サポーター集団と合流。マルティンが部屋割りなどを伝えている。そして一同暗闇に消えていった。

僕等もマルティンの車に荷物を取りに戻る。その間の会話でこの軍団総勢20名程。ほぼ全員マルティンの幼少時代のハンドボールクラブの仲間。今回のチェコの試合を応援する為にチェコから車数台で駆けつけている事などがわかった。

暗闇からチェコ軍団がホテルのロビーに再集結。1泊の割にみんなやたらと荷物が多い・・・

それぞれの鞄から、信じられへんほどのアルコール類が出てきた。確実に一人30本以上はビール用意している・・・

その他にもどう見てもアルコール度数の高そうな類の酒が何本も確認できる・・・

『何が始まるるんや・・・』

『30本×20人=600本 600本のビールは何処にいくんねん???』

そんな不安を他所にとりあえずマルティンとスタニスと部屋に荷物を置きに行く。

部屋に荷物を置いて直ぐにマルティンとスタニスに『いくぞ、クシ』と出発を促される・・・

『どこに行くんや???』

とりあえず同じ階のチェコ軍団が大挙する部屋に3人で雪崩れ込んだ・・・

パーティーが始まった・・・

つづく

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